11月29日、コミュニティビジネス起業論の特別研修として、白川村・平瀬地区で、水俣市の吉本哲郎さんを講師に迎えて地元学ワークショップを行いました。
全国の地域づくりの現場で、地域資源調査や課題発見の手法として採り入れられている「地元学」ですが、吉本さんはその創始者の一人です。アカデミーの授業「森林文化論」で講師としてお招きする機会を活かして、嵯峨がお手伝いしている「白川村「ふるさと博士」制度検討委員会」の活動とドッキングさせて、「地元学研修会」を開催することになりました。
白川村は、むろん「世界遺産・白川郷の合掌集落」として岐阜県随一の観光地ですが、北部の荻町エリアと平瀬地区のある南部エリアでは、大きな地域格差があるようです。40年前までは御母衣ダムの工事やタングステン鉱山の操業などで白川村で最も人口が多く賑わっていた平瀬地区は、今では完全に荻町とその地位が逆転した格好です。
そんな山村集落でも、「あるもの探し」から始まる地元学の取り組みによって、地域の人たちの笑顔や元気を引きだす可能性があることを、今回の活動を通じて感じました。
①おいしかった、なつかしい食べ物
②好きな場所
③うれしかったこと
④大事にしていること
⑤ここを一言であらわすと
☆ほかに聞いたこと(これが意外と盛り上がります)
次に、出会った人たちの写真や、気になる物の写真を貼り付けながら、模造紙に「人物プロフィール」として纏めていきます。みんな集中して取り組んでいる横で、一緒に地区を歩いた吉本さんも、写真を睨んで、なにやら独自の「まとめ」をしていました。その成果でてきたのは、
○なんじゃこれ~!?
○平瀬あれこれ
○~さんの家の畑
○平瀬を歩いた、もうすぐ冬なのに花が迎えてくれた
○水の音がした、水と友達だった、いいなあ
今回は短時間のワークショップで展開しきれなかった、地元学のさまざまな視点を、ヒントとして示されました。これらを積み重ね、整理していくと、水俣市で作成した『風土と暮らし』のような成果物になります。ここから、地域の元気づくりのヒントや活動のアイデアがいろいろ共有できますね。最後に、纏めた模造紙のすべてを白川村役場の方に贈呈しました。「地元に学び、地元が学ぶ」という、地元学のポリシーがよく表れた終わり方でした。
山村づくり講座 嵯峨創平