「箸を噛まなくなりました!」
前年度開催した、木育指導者研修「食の道具づくり」を受講して頂き、無謀?にも年中児に箸づくりを実践した保育士さん。1月に園を訪問した折に、頂いた言葉にビックリしました。それが口コミでひろがり研修開催のキッカケとなりました。
木の箸を使いたくても、子どもたちが先を噛んでしまい、ボロボロになり、結局またプラスチックの箸に逆戻りになってしまう園が多々あるようです。
自分で作ることが出来れば、なおすことができます。そんな・・・
モノを大切にする循環、「もったいない」という日本人の価値観を取り戻したいのです。
保育士さんは、続けて次のように話してくれました。
「箸を落とさなくなったんですよ。」
「手作りの箸入れから、丁寧に取り出し、使った後は自分で洗い、自宅へ持ち帰ります。」
「箸づかいも片付けも含め、何だか子どもたちが食事の時間をとても大切に過ごしているように感じます。」
ある園長曰く・・・
「まるで修行僧のよう!」
今回も昨年に引き続き「ヤマザクラ」を使います。これは森林文化アカデミーからの風景です。
日本人の原風景ですね・・・
箸はご存じのように、2本の棒であり、まっすぐなことが重要であります。丸太からの製材・乾燥や木取を間違えると、使っている間に反ってしまいます。今回は箸づくりの職人さんのご協力により教材開発をしました。職人さんにとっては、製品を売った方が利益につながるのですが、
「木の箸の普及のためなら・・・子どもたちのためなら・・・」
と喜んで引き受けてくれました。職人さんの心意気に感謝しています。
サクラの「樹から木」についてや、箸の歴史や身体尺も学びながら、園児に教えるためのスキルを学んで頂きます。ノコギリで手の大きさに合わせて切り、紙やすりでかたちを作ります。
保育所保育指針及び幼稚園要領では、当然「表現」の領域に入るのですが、これはつくって終わりではない、暮らしの中で使うことがいかに重要であるかが、シンプルなデザインの箸だからこそ明らかになりました。また、つくる以前の生き物としての樹を感じる、つまり「環境」の領域まで包括しており、木育は、命の教育に関わることを、回を重ねるごとに参加者の皆さんから教えられました。
後は研修で体感して下さい・・・
最後にカフェささやさんのご協力により、作った箸を使い「心と体に優しい旬菜おうちごはん」で使用感を確かめ合いながら振り返る食育の時間でもあります。
今、日本人は、日本人らしく生きることが大切であると考えます。四季の変化の美しい、日本の風土の中で育まれてきた文化に敬意を払いたいのです。
「箸に始まり、箸で終わる」
箸づくりを通して、日本人の感性について、皆さんと今一度考える場にしたいと思います。
この講座は、岐阜県木育推進協議会との連携研修です。申し込みはコチラ
日 時:2014年7月12 日(土)13:00~20:30
会 場:岐阜県立森林文化アカデミー(美濃市曽代88番地)内 「森の情報センター」
※会場内は複雑ですのでアカデミーHP(http://www.forest.ac.jp)内の
「アクセス」にある「構内地図」をご覧ください。
カフェささや(岐阜県関市下有知57−3)
対 象:保育関係者(定員5組10名。申込多数の場合は、抽選)
研修費:ひとり6,000円
研修主任:ものづくり講座 松井勅尚