2014年8月4日月曜日

新しい木工道具を岐阜から世界標準へ!

ものづくり講座教員の久津輪です。
この夏、新型の削り馬を開発しました!


削り馬=shaving horseとは木材を加工するための道具で、文字通り馬のようにまたがって足でペダルを踏み、木材を固定するものです。両手が空くのでしっかり刃物を持つことができます。

ヨーロッパやアメリカでは古くから使われてきたものですが、日本では昔から地面に座って材料を足で押さえたり、腹に当てて押さえたりしてきたので、この道具は発展してきませんでした。そこで森林文化アカデミーではオリジナルの削り馬をデザインし、普及させてきました。少しずつ改良を加え、第3世代まであります。下の写真は授業中の様子ですが、手前から奥へ、古い型から新しい型へ順番に並んでいます。細かい違い、分かりますか?

折りたためる削り馬は、欧米にはないアカデミーのオリジナルです。第3世代までも非常に優れたデザインだったのですが、いくつか課題もありました。
下の写真のように削る台が斜めになるので、足を緩めると材料がすべり落ちてしまうこと。そして子供が削ると刃物が顔の近くに向かってしまうことです。

そこで、冒頭の写真のように削り台の角度を自由に変えられるようにしました。また大きなペダルをつけることで、踏む力を伝えやすくしました。それでいて、わずか10秒ほどで折りたためるのは今まで通りです。

さて、「岐阜から世界標準へ!」というのは大げさに聞こえますが、実はそうでもないのです。私はイギリスのLiving Woods Magazineという雑誌に記事を書いているのですが、以前この折りたたみ式の削り馬の写真を載せたところ大きな反響がありました。なんと既にイギリスでは、私のデザインをアレンジして削り馬づくり講座を開いている人までいます(興味ある人はMasashi Kutsuwa shaving horseで検索してみてください)。

今回の第4世代削り馬は、次号のLiving Woods Magazineに詳しく掲載する予定です。この分野ではイギリスやアメリカが先進国なのですが、岐阜から世界を変えていこうと思っています。

この木工、グリーンウッドワークは大きな可能性を秘めています。森林文化アカデミーの学生に、これを事業化して大きく発展させてほしいと思っています。関心ある人の入学を待っています!