2013年1月31日木曜日

美浜町の炭窯を訪ねました。


 『山の駅 ふくべ』の炭焼き部会の研修で、愛知県の知多半島 美浜町に炭窯を訪ね地元の炭焼きグループと交流させていただき、貴重なお話を伺うことが出来ました。 

   先ず、当日のコーディネートをして下さった『炭宝社』代表 神野さんと 『モリビトの会』副理事長の杉浦さんから耕作放棄地や放置竹林の現状や整備の取組みなど伺いました。
 モリビトの会は、美浜町の里山保全のために、竹林の整備おこなっているそうです。正式には『美浜町竹林整備事業化協議会』と言い、放置され拡大を続ける竹林を継続的に整備することで、里山等の景観の整備、地域農業の活性化、文化の伝承、地域観光の活性化等に貢献されているそうです。活動の継続性を確保するために事業化を目指して立ち上げられた協議会だそうです。

 
 『炭宝社(たんぽうしゃ)』は、美浜町の里山・竹林整備を行い、そこから出てくる天然木、竹を材料として利活用することをおおきな目的とし、平成194月に設立されたそうです。
 また、移動式の炭焼き窯をイベント会場、会社敷地、里山や社寺など林現地に設置し、環境イベントの参加者にCO2(地球温暖化)問題を考えてもらうきっかけにするなどの啓蒙活動や企業のCO2削減の対策の一環として剪定木、木質廃材などを炭にして敷地内へ散布し炭素を固定する等の出張炭焼き作業も行っているそうです。

『荒れた山や竹林を手入れし健康な林にし、自然の恵みを楽しめるようにする』
『社寺林を手入れして、美しい社叢(しゃそう)(※1)を作り社寺の荘厳さを増し散策が楽しめるようにする』など、代表の神野さんのことばからは、炭宝社が株式会社でありながらNPO的な心意気で山林・竹林・社寺林などの整備作業をされているのだなあと感じました。


  5㎥の炭材が入る黒炭窯『烽火窯(のろしかま)』の中も見せていただきました。
 
 この容量0.4㎥の機械窯は、比較的短時間に良質な炭が焼けるそうです。

   土壌改良材(粉炭)や住宅建築用調湿材(不織布入り)など炭破砕した竹炭の使い道など詳しく伺いました。

   美浜炭焼き研究会は、平成11年に、説明会や炭焼き講習会を経て、老人クラブを主体に発足した、町内18地区の炭焼き研究会により設立されたもので、「『自然と共生する町づくり』の一環としての里山保全と資源の再利用」、「高齢者の生きがい・健康づくり」、「竹炭による飲料水や河川の浄化」、「農薬代替に竹酢液を利用し環境保全に貢献」、「炭焼き技術の向上と普及」等を目的に設立されたそうです。

 その内の、『上野間、緑苑 竹炭研究会』の『鵜の池窯』を訪ね、会員の方々と交流させて頂きました。

   竹の玉切りや割って、節を取るなど炭材づくりを実演して見せていただきました。

 独自に改良された炭焼き窯の構造など詳しく伺いました。


     煙道と竹酢液を取る冷却筒に竹を上手く使っているので感心しました。

    長い竹の節の抜き方や竹酢液の蒸溜の仕方も詳しく教えていただきました。


   U字溝の囲炉裏のたき火に当たらせてもらい、焼き芋までいただき話を伺いました。
  美浜町の放置竹林は、現在化学繊維の網に変わってしまった『海苔ひび』(※2)に使われていた孟宗竹が、伐られなくなったことで放置され拡大を続け、町の全森林面積の四分の一を占めるまでになってしまったそうです。

その放置竹林を整備し排出された竹を炭に焼くことで優れた土壌改良効果を持つ『バイオ炭』になり、とりわけ竹の消し炭(ポーラス炭)や竹のチップは、化学肥料や農薬に頼らない『土づくり農業』への転換の切り札になるということです。そうすると、困りものだった『放置竹林』が『宝の山』に見えてくるということです。

 黒光りする竹炭は、ご飯炊くとき炊飯器に入れるととっても美味しくなるそうです。また、竹炭は、脱臭剤や耕作用土の改良剤としても使えるそうです。

  まだまだ話は尽きませんでしたが、「今後も交流していきましょう」と… 鵜の池窯をあとにしました。
 
    次に本格的な備長炭窯を見せていただきました。
   備長炭と言えば紀州備長炭が有名ですが、知多半島南部にはウバメガシが自生していて、その利活用を目的に和歌山から専門家を招き本格的な備長炭窯が平成12年に作られたそうです。炭焼き研究会の方々が炭焼きをして管理してこられたそうですが、会員さんの高齢により、ウバメガシの切り出しや一週間以上かかる炭焼きの管理などが難しくなり、最近では有志により年に一度、イベント的に炭焼きをして窯を守っているそうです。

 ウバメガシが自生していて、本格的な窯なのにもったいないな~と思いました。
  「炭宝社の」神野さま、「モリビトの会」の杉浦さま、上野間、緑苑 炭焼き研究会のみなさま、とてもあたたかく受け入れていただき、ありがとうございました。

                                                                                      山村づくり講座 研究生 ふじお記

 
炭宝社、モリビトの会の活動などについて詳しくは、下記URLをご参照下さい。
炭宝社             http://www.tanpousya.jp/

モリビトの会       http://moribito.org/index.html 

 ※1 社叢(しゃそう)、社叢林とは、
    神社に付随して本殿や拝所、参道などを囲むように配置され、維持管理されている森林で、鎮守の森(ちんじゅのもり)、鎮守の杜(もり)ともいう。

 ※2 海苔篊(のりひび)とは、
養殖する海苔を付着・生育させる資材で、古くは木や竹の枝を水深に応じて適当な長さに切り、海中に差し込んだ『粗朶(そだ)ひび』が用いられていたが、現在は合成繊維の縄などで作った『網ひび』が多い。   
『粗朶(そだ)ひび』の内、竹を使ったものを『竹ひび』といい、孟宗竹を使用していた。『竹ひび』は、海苔の養殖の盛んだった浅草沖では、江戸時代後期から使用されていた旧来からの海苔ヒビで、昭和24年に化繊の『網ひび』が使用されるようになってからは少なくなったが、昭和30年代中頃までは補助的に使われていた。『竹ひび』を使っていた当時の海苔養殖は、海の中に「ひび」を建て、それに付着した海苔を育てるという方法で、自然に海苔が­付着するのを待つしかなく、年により収穫量は大きく異なった。
 

講演会「今なぜプレーパークが必要か」のお知らせ



来週2月10日(日)午前に講演会(無料)を行います。

テーマは、最近何かと話題になっている
「プレーパーク」について。

興味のある方、ぜひお越しください。(申込み不要)


  「今なぜプレーパークが必要か」 
 ~ 天野秀昭さん 講演会 ~
2013年210(日)10001200 
会場:岐阜県立森林文化アカデミー



「プレーパーク」ってご存知ですか? 

「自分の責任で自由に遊ぶ」をテーマに国内約300箇所で展開している「プレーパーク」が、岐阜県内にも誕生しました。このプレーパーク、これからもどんどん増えていきそうな勢いです。
 


今回は、全国初のプレーパーク(羽根木プレーパーク/1979年設立)で初代プレーリーダーとして活躍し、現在は日本冒険遊び場づくり協会理事をされている、天野秀昭(あまのひであき)さんを講師にお招きして、「今なぜプレーパークが必要なのか」をテーマに お話をしていただきます。 

保護者のみなさん、行政関係者の方、その他子どもたちに関わる活動に興味のある方、是非この機会にお越しください。(参加無料・申し込み不用)


日 付:2013210() 受付開始9:30 /講演会:10:00~12:00 

会 場:岐阜県立森林文化アカデミー内(岐阜県美濃市)「森の情報センター」
対 象:一 般 (定員:100名程度) 
参加費:無 料 (申し込みは必要ありません。当日、直接会場にお越しください)
講 師:天野 秀昭さん(日本冒険遊び場づくり協会 副代表 大正大学特命教授) 
共 催:みのプレーパークの会/美濃市/岐阜県立森林文化アカデミー
問合せ: ●メール:navanava@pop02.odn.ne.jp  ●電話:090-9239-9187(萩原)

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース 
講師 ナバこと 萩原裕作
 
 


2013年1月30日水曜日

こんなんいてました19


こうもりさんこうもりさん


森林文化アカデミーでは、課題研究の内審査が終わり、学生は公表会に向けての準備で
忙しい時期に入りました。

そんな張り詰めた空気の中、事務局の小森さんに、おもしろいことを教えてもらいました。
エントランスホール内、アカデミー事務室の出入り口の上の壁面に、黒い点が見えます。
高さは床から4〜5メートルくらいでしょうか。




なに? 小さくて見えない?? ではズームでもう少し接近して・・・。




何やら生きものみたいですね。
さらに接近して決死の撮影を試みると・・・。




冬眠中のコウモリでした!
体長(頭胴長)は5〜6 cm くらい、頭を下にして、足一本でぶら下がっているように
見えます。ちょっと強い風が吹いたら落っこちてしまうのではないかと心配になってし
まいます(もちろんそこまで間抜けでは無いと思いますが)。

岐阜県で報告されているコウモリは約14種、その中で建物をねぐらにすることがあると
確認されているものは6種あります。私は専門家でないので断言できませんが、都市部
や郊外でもっとも普通に見かけるアブラコウモリではないでしょうか。

小森さんによれば、昨年の学祭(11月開催)のときには既に同じ位置にぶら下がってい
たそうです。目覚めるのは今年の三月くらいでしょうか。コウモリは日本や中国では昔
から福を呼ぶ縁起のいい生きものとして大切にされてきたそうです。アカデミーにもぜ
ひ学生、もとい福を呼び込んで貰いたいものです。

 「それにしても、小森さん、よくあんなに小さいのを見つけましたね?」と、お聞き
したところ、「コーモリですから・・・」。

おあとがよろしいようで。

看護師のタマゴが森に来た! 森のがっこう 一日OPEN  














  毎年恒例になっている看護大学の学生さん(3年生)との実習が先日アカデミーにて行われました。15名のメンバーと焚き火の前で顔合わせしたのち、森に入る前にウォーミングアップ。チームビルディングのアクティビティをいくつかやって皆で身体も心もほぐしてからの出発です。
 





















森の中ではゲームをしながら、今までにない視点で身近な自然を体験してもらいます。
葉っぱをじっくり見たり、ニオイをかいだり、さわったり、聴いたり、探したり、足の裏で森を感じたり。。。





















皆、結構真剣でした。そして「いろんな視点のメガネ」で 森をみて歩くとオモシロイものが次から次へと飛び出します。ちょっとだけ森と近づいたあとは、一旦山を駆け下り、 焚き火の周りでお弁当。

お腹いっぱいになって、ほっこらしてきたら、午後からまた演習林。
歩道ではなく、薮漕ぎしながら、森のようちえん児たちがいつも拠点にしている小屋へ向かいます。普段、平らな道しか歩いてない学生さんにとってはそれだけで新鮮な体験のようでした。



小屋に着いたら、午後のメインメニュー。
3チームに分かれて、各チームで、のこぎりだけを道具につかって、周りにある
枝、葉っぱなどなんでも使っての「隠れ家」づくりです。















たった1時間しかありませんでしたが、皆手分けして、 子どもに戻ったかのように、 これまた夢中になって隠れ家を作ってました。

森の中には、刺激がいっぱいです。
落ちている木の枝にしても、触るたびに、ひとつとして同じものがなく、感触も違います。

皆いい顔してました。なんだか子どもの頃の基地作りみたいです。

最後は、焚き火の周りに戻ってひとりずつ感じたことの共有をしました。




「身近な自然でも視点を変えるといろいろ見えてくる」
「仲間と一緒になにかやるって楽しい」
「もっと森や身近な自然に目を向けていきたい」
「きもちよかった」















など感じたこともいろいろです。
今回のこの体験を、社会に出た時にまた思い出してもらえたらと思います。
いつでも森は皆さんを待ってますよ。

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース 講師
ナバこと 萩原 裕作 













第5回 施業プランナー技術維持研修「赤堀楠雄さんと杉山要さんに学ぶ」

第5回 施業プランナー 技術維持研修
 今回は林業関係情報誌などでよく拝見する林材ライターの赤堀楠雄さんと、㈱要林業の杉山要
さんをお招きして、お二人が最近収集された情報や新技術などを特別に学び、今後の施業プラン
ナー活動のヒントをさぐりました。



 杉山要さん、赤堀楠雄さんとも、森林文化アカデミー主催の「施業プランナー技術維持研修」のた
めならばと長野からお越し下さり、各々「林業業界における新技術等の情報提供」と「森林・林業
における国内の状況」と題して、多くのヒントを提供して下さいました。

 さて、杉山要さんが紹介された「林業業界における新技術等の情報提供」では、高知県の森林
組合の事例で、このブログではあえて組合の名前は公表は控えますが、内容をご覧になればこの
組合の取り組みの凄さから、どこの組合かは容易に推測できると思います。

 ご紹介頂いた組合は内部職員が約10人、現場技術者約40人、タワーヤーダやスイングヤーダ、集材機、自走搬器、プロセッサ、グラップル付トラックなど17台を所有し、架線集材に明るい組合
です。

 最初に組合が実際に行った集材事例を題材に、研修生の集材や作業道解説のミニワークショップを開催。





 この組合の取り組みは、岐阜県には相当参考になります。何故なら、この組合はもともと路網開
設も特異でしたが、ある日道づくりによる森林整備、林業経営に限界を感じた」ことから、架線集
材に力を入れ、近年は現場技術者自身がオーストリアに研修に出かけて、ワンダーファルケとい
うタワーヤーダを輸入して実際に集材をしているからです。



 この組合では10年以上前に日本中で流行したタワーヤーダを見直し、再度導入するにあたり、
(1)伐採者、(2)索張専門者、(3)先山(荷掛け専門者)の三人のフォレストワーカーをオーストリア
の林業専門学校オッシアッハで5日間研修を受けさせ、更にタワーヤーダのメーカーで一週間の
研修を受けさせ、日本に帰ってきてからオーストリアから招いた技術者に3日間の研修を受けた
そうです。

 こうした技術者に対する人材育成のための技術投資、なかなかできないことです。


 単に、研修を受けただけではありません。その後、自分の組合に新人が入れば、新人一人に
一人の熟練者がつきみっちり指導する。それも新人が配属された親方とは限らず、違う班の熟練
者がつくことも多い。
 こうした人材育成の考え方は、ドイツのマイスター制度に近い考え方ですね。


 ここで導入されているワンダーファルケはオーストリア マイヤーメルンホフ フォレストテクニック社
製で、全長6.57m、全幅2.37mの本体を、ジョンディア製の牽引トラクター6930プレミアム 211馬力
で移動するそうです。・・・・スゴイの一言。

 ワイヤードラムは多くの機種ではインターロック機構(簡単に言えば、ワーヤーの出た分だけブレ
ーキングする方式)でなく、シンクロ機構を採用しているため加重がかかってもタワーが揺れること
がない。
 また、主索にはディスクブレーキが作動しているが、8ton以上の加重がかかると自動的に主索が
下降するシステムが採用されています。

 また、尾根越しも設定も可能な架線設定もでき、まだまだ、個人的には興味深い機能があります
が、機械メーカーの宣伝になりかねませんので、この辺にしておきます。

 このタワーヤーダにセットの搬器がまたスゴイ。 搬器の名は「シェルパ搬器」というもので、本当
に興味深いのです。詳しく知りたい人は、高知県立森林技術センターの報告などを参考にしてくだ
さい。

 
 

 

 さらに荷掛けには「オートチョーカー」を採用されています。タワーヤーダでつり上げた荷物(丸
太)のワイヤーを自動的に外す装置なため、結構お高いのですが、これがあれば元柱近くで作業
するプロセッサオペレーターがワイヤーを外すために、
 (1)車外に出なくても良く。 (2)しかも少ないワーカーで。 (3)なおかつ安全に作業できる。
 ワーカー一人当たりの作業効率や労災などを考えると、大変有効な手段です。



 さらにこの組合のワーカーは自分たちのトラックに、常時アセチレン溶接や電気溶接の機械など
も積み込んでおり(もちろん溶接の資格も取得して)、現場で修理したり、安全に効率よく作業する
ための様々な工夫をする。そうした「技術力」がスゴイのです。

 「索張りをすることは、安全を一つ一つ組み立ててゆくこと。つまり、撤収する時は安全を外す
 時、だから危険な撤収はしっかりすべき
 こんな考え方を持った技術集団があるのです。そしてこの技術集団を束ねるのが、熱心に山の
現場を見回る頼れる組合長さん、こうした理想的な森林組合があるものなのだと感心しました。



 午後からは赤堀楠雄さんから「森林・林業における国内の状況」を講義して頂きました。副題的
に「木材を有利販売するには・・・」という切り口で、ヨーロッパや国内の情報を提供して頂きました。
内容によってはブログに掲載できないモノもありますので、そのp部分は割愛させて頂きます。

 最初に「林業とは何か?」という問いかけです。
  この問いかけに、日本人の多くは、
    「森林整備、森林管理、マネジメントの確保・・・など」 言葉をならべるだけで、経営その
     ものにつながる言葉が出てこない。

 これに対してドイツやオーストリアなどでは誰に聞いても、
    「林業とは木材を生産し、販売利益を上げ、その利益をもとに管理や木材生産に携わる
     人たちが適切な収入を得ること。さらにそうした行為を持続可能にすること」と回答する。

 今回も赤堀さんの講義の切り出しは衝撃的な言葉から始まったのです。
そして、ヨーロッパでの行政のフォレスター、ヨーロッパでの民間のフォレスター、日本とヨーロッパ
でのフォレスター比較などについいて語られ、施業プランナーの役割重要性を説かれました。

 続いて、林業経営収入と製材工場の採算性についての中で、森林所有者の利益が確保されて
いないならば、林業は儲からない。
 現在の森林整備事業は補助金投入収支にのみ目が向いている。多くの林業事業体が、補助金
を投入する現場確保することばかり考えており、森林所有者利益を考えていない。

 考えようによっては、「補助金投入が山での林業経営をダメにしている」とも言える。人によって
は、「補助金がつけばつくほど、良い木材の価格が下がる」とも言っている。

 林業が変わるためには、「経費を削減するだけのマネージメントでは未来はない」、むしろ必要なのは「山や木の価値を如何に高めるか」、「木材をどのように付加価値販売するか」、「質の良
い木を如何に安定供給できるか」と言った考えや議論である。

 丸太が高く売れないのはどうしてか? → 製材工場はなぜ丸太を高く買えないのか?

  その理由を、ヨーロッパの事例や中国木材の考え方を紹介しながら、判り易く説明して下さい
 ました。



  他にも、各務原市の親和木材の事例、桑原木材の事例、栃木県の二宮木材の事例を紹
介して下さいましたが、どれも参考になる中、一際目をひいたのは、品種にこだわった長伐期林業
として紹介された「熊本の栗屋克範さん」の例。
 栗屋さんは多くのところで見られる、単に長伐期林業にする問題先送りではない。つまり樹齢100
年以上でも充分成長できる品種と、100年以内に収入を得られるように成長する品種を林分に配
置して、長伐期林業を目指しているのです。




 質の高い木材材が市場で評価されるようになるためには、という項目では、日本マクドナルドの
創業者、藤田田氏が「人間は12歳までに食べてきたものを一生食べ続ける」と語ったこと。つまり
味覚のデータベースは子どものうちにつくられる。ことを事例に、質の良い木材による、本物の木
をつかった木造住宅で子どもを育てるなど、木育の重要性を説かれました。

 ここでは大人気の木造建築設計士の伊礼智さんの事例、大工・建具職人の存在、久万高原町の
木造住宅支援事業、天然乾燥無垢材での大型公共施設を紹介。



 続く、木の価値を引き上げる生産・販売の実例では、佐賀県の佐藤木材の造材、栃木県の渡辺製材所の製材の考え方、兵庫木材センターの商品に対する考え方、和歌山県の山長商店の商品
選別、滋賀県の宮内建築の木材乾燥法、文具のコクヨやスープストック・トーキョーでの木材利用
、静岡県のXYLキシルの事例など。





  林業サイドも(1)営業力 と (2)販売力 を強化して、顧客ニーズやマーケットニーズを把握
 する。ユーザーの直接掘り起こしにも取り組む必要があると解説して下さいました。

 さて、今回の杉山さんと赤堀さんの講義は、施業プランナーの技術維持研修受講者に限ったもの
でしたが、大変中身の濃い内容で、なんとも贅沢な研修であったことを受講者が感じてくれれば幸
いと感じました。
 杉山様、赤堀様、有り難う御座いました。

以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。

2013年1月29日火曜日

HAPPY WOOD展 企画中


'HAPPY WOOD'は、森と人との関わりを学ぶ、岐阜県立森林文化アカデミーの学生による企画展です。テーマは『木でハッピーに!』。

木の器や小物の展示販売を中心に、木造建築の模型展示や、研究成果の発表を行います。

また、親子で楽しむワークショップ、木工ろくろによる生木の器づくりの
デモンストレーション、木の器を使ったプチカフェも開催。

春の訪れを待ちながら、うだつのあがる町並みの古民家でほっこりとした幸せ気分を楽しんでください!
開催日   201338日(金)、9日(土)、10日(日)
時間    10:0017:0010日は10:0016:00
場所    美濃・紙の芸術村工房 (うだつのあがる町並み内・旧今井家住宅隣)岐阜県美濃市泉町1880-1

詳しい状況はブログにて鋭意、更新中!!!ぜひご覧ください。

2013年1月28日月曜日

みのプレーパーク通信 「雪ニモマケズ」


先日の25日(金)に美濃にまた雪がちらつき始めました。だから子ども達は、おおはしゃぎ。

とはいってもまだ積もってなかったので、まずは雪が降る中、 アカデミー学生のプレーリーダーと一緒に集めた葉っで遊びます。

輪切りにした丸太のボーリング、葉っぱの中でのビーチフラッグならぬ葉っぱフラッグ、
などなど、新しい遊びが生まれてきます。



遊びがすべて用意されてないのがいいんです。だから生まれてくるンですね。

週末に降った雪のおかげで、今日は一面真っ白な森。
森のようちえんのメンバーは、おおはしゃぎ。今日の光景はまた次回お知らせしますね。

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース
講師 ナバこと 萩原 ナバ 裕作

2013年1月25日金曜日

みのプレーパーク通信 「鳥の死体から生まれた生まれた」



 
「あの。。。今度いつ鳥の羽の標本つくる予定ですか?  うちの子がどうしても見たいと言うんですが、遠方なのでその日に合わせていきたいんですけど。。。。」という電話があった。

各務原から時折プレーパークに来てくれている子のお母さんからだった。実は、その1週前のプレーパーク中、ガラスにぶつかって死んだらしい鳥を拾った。初めて見る鳥の死体に子ども達は興味深々。

 「鳥の名前を知りたい~」というので、これはチャンスと思い、あえてその場で鳥の名前を教えずに、研究室まで走り、鳥の図鑑を数冊持って戻ったプレーパークの時間はとっくに終わり、寒く、暗い中、子ども達は目の前の鳥の死体と図鑑の絵を真剣に見比べながら根気よく調べ、その鳥の名が「ウソ」であることをつきとめた。 


 この時に、「早く帰るわよ」とか「ほらほらこの鳥でしょ」とか子ども達をせかしたり、答えに誘導しようとしたりしないで見守っていてくれたお母さん達に感謝したい

 「綺麗だね~」、「へぇ~、こうなってるんだ~」とじっくりと観察したあと、なっきー(IPコース学生の齋藤なつきさん)が、「こんど羽の標本つくるために預かるね」と言って皆と別れた。その数日後の電話だったその子にとってこの体験が相当印象深かったらしい。 なっきーと相談し、標本づくりの日程を決め、お母さんに告げた。

 そして約束の日、その子はお母さんと一緒に来てくれた。そしてなっきーが鳥の羽を抜いて台紙に貼り付けるのを、その子とお母さんは手伝いながらじっくりと観察していた。内側から湧き出してくるような興味におされてか、たくさんの質問が飛び交った。

 大人たちも子どもたちも、「興味」に対して真剣に向き合ったからこそ生まれた、それはそれはステキ時間でした。これこそが「学び」の生まれかたのかもしれませんね。

 子どもたちの「知りたい」「やりたい」をこれからもこうしてみんなで見守っていきたいですね。

自然体験活動指導者・インタープリター養成コース 講師
ナバこと 萩原裕作




2013年1月24日木曜日

2012年度 En科課題研究 内審査会(2日目)


今日の午前中,先週に引き続き,エンジニア科2年生の内審査会を行いました。今回の発表者は残りの11名です。


中には徹夜した学生もいましたが,全員が発表用のスライドと梗概をキッチリそろえてくることができ,無事発表を終えることができました。


成果物の一部を展示している学生もいました。

内審査というだけのことはあり,中には厳しいコメントを受けた人もいましたが,前向きに受け止めて研究の完成度を高めて下さい。本番の公表会まで1ヶ月を切りました。最後の追い込み,がんばって下さい。

En科2年担任 玉木

チルホール3台で牽引!枯れたアカマツの伐採

エンジニア科1年生の実習で,
林道脇の枯れたアカマツの伐採を行いました。

直径で70cm近くある巨大なアカマツです。
しかも枯れていて,先端部の枝が今にも落下しそうです。

林道側に傾いているのですが,
林道側に倒すと,林道脇のヒノキや舗装を痛めるため,
山側に倒すことになりました。

牽引能力1.6tのチルホールと750kgのチルホール×2台
合計3台ものチルホールを用いて伐採を行いました。

一本ハシゴを4本連結して登り,ワイヤをセットしていきます。



伐採後のアカマツです。周りが腐っており,ツルとして効く部分が少なくなっています。



枝が真っ二つに折れて,
根株側に落ちてきました。一部は,林道まで落下。
枯れたアカマツの伐採の怖さを身をもって体験しました。

無事に伐倒できて,山の神様に感謝です。
これで今年度のエンジニア科の伐採実習は終わりです。
現場を指導していただいた江崎先生,ありがとうございました。