2014年1月31日金曜日

道具も肉も自分の手から 


森林文化アカデミー短期技術研修
森のようちえん指導者&プレーリーダー研修会
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「自分で作ったナイフで、シカをさばいて食べる」
  〜 道具も 肉も 自分の手から 〜
刀鍛冶師とお母さんハンターから教わる「つくる」こと
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子どもと接するためのノウハウ研修ではなく、

自分の手で道具を作って使うプロセスや感覚を体感してほしい!そしてその感覚を普段の子どもたちとの活動に活かしてほしい。そんな思いで企画した指導者研修会です。

1日目は、刀鍛冶師さんに指導してもらいながら真っ赤に焼いた鉄をトンカントンカン懸命にたたいて自分の手でナイフをつくります。

2日目は、自分でつくったナイフで、シカをさばいて肉をとります。余裕があれば、シカ皮をなめす体験も企画中。しかもブレイン・タンニング(脳みそを使ったなめし)です。

最後は自分でさばいた肉でパーティー!限定12名の募集です。




日 時:2014年3月1日(土)9時〜2日(日)17時 
    1泊2日
場 所:岐阜県立森林文化アカデミー
    (http://www.forest.ac.jp
講 師:浅野太郎(刀鍛冶師)
    青山まゆ(ハンター・森のおさんぽ会代表)
    → 青山さんの活動が掲載されている記事:

対 象:森のようちえんスタッフ、プレーリーダーなど
    子どもの自由な遊びや成長を見守る活動者。

定 員:12名(先着順。両日参加できる方に限る。)

参加費:6000円(宿泊用シーツ代別途1000円)
    *食費は含まれてません。
     (参加者で自炊して割り勘する予定。)

申込み:「ナイフづくりと鹿肉解体」とタイトルを書いて、
    ①氏名(ふりがな)②住所(郵便番号も)③性別 ④年齢(保険加入に必要です)
    ⑤連絡先(電話番号)⑥メールアドレス(もしあれば。PCメール受信可能なもの)
    を明記して、メール:navanava@pop02.odn.ne.jp までお申し込みください。

問合せ: 電話:090−9239−9187(萩原)
     メール:navanava@pop02.odn.ne.jp



中部森林管理局の発表会で学生2人が熱演

 中部林林管理局主催の『中部森林技術交流発表会』が長野市で開催され、クリエーター科林業再生講座の2年生2人が課題研究を発表しました。

 Tさんの発表題目は、「コナラの胸高直径からシイタケ原木と薪の収穫量を予測する」です。あまり有効利用がされていないコナラ林を利用するのに、枝の部分をシイタケ原木に、幹の部分を薪に使うことを提案し、それぞれの収穫量を胸高直径から推定する表を作ったという研究です。



 Wさんは、「フクシマの林業従事者が安心して働ける職場環境づくり」を発表しました。東日本大震災による原発事故で汚染された森林での作業従事者が安心して働くには、どのような職場環境をつくればいいかというテーマを、自らのインターンシップを通じて考えました。


 
 課題研究公表会の予行練習としては、いささか大きな発表会だったと思います。2人とも、大人数を前にした発表で緊張したでしょうが、堂々としっかりと話せました。いい経験になったでしょう。

 来週は林業再生2年生のもう一人のNさんが、関市で開催される『岐阜県森林・林業合同発表会』で、林業事業体における生産管理の改善に関する課題研究の成果を発表します。よろしければ、聞きに来てください。

 また、2月19日(水)にはエンジニア科、翌20日(木)にはクリエーター科の課題研究公表会がアカデミーで開催されます。 こちらにも、ぜひお越しください。


  by 横井秀一

2014年1月30日木曜日

土壌断面を掘る


土壌断面調査

森林文化アカデミーのある美濃市の天気は生憎の雨。この冷たい雨の中、「森林の生態と立地」の実習が行われました。今回の実習のテーマは土壌調査。土壌の層位にに関する基本的な見方や、立地による土壌の違いについて現地で学びます。

今回は丸尾根と麓部の2箇所で調査を行いました。断面は2箇所とも深さ80cm。学生は予想に反して(?)綺麗な断面を掘ってくれました。凍えそうに冷たい雨の中でしたが、私も思わずニンマリ。



土壌はA層の色は変わらず、B層の色は大きく違っていました。特にB層下部の色は丸尾根で赤っぽく、麓部で黄色っぽい色をしていて、違いは一目瞭然でした。特に丸尾根のB層下部は土色で5YR 5/8 であり、赤色土であると思われます。

丸尾根               斜面麓部



赤色土ですが、堆積性のものについては前期更新世の気候が温暖で降水量の多かった時代に堆積した段丘堆積物にみられる土壌で、溶脱が進み、水酸化鉄や水酸化アルミニウムを多く含むために赤い色をしています。農業環境技術研究所の土壌情報閲覧システムでは岐阜県での分布は記録されていませんでしたが、調査場所は高位段丘に位置していましたので、可能性はあると思います。さらに調べてみたら興味深そうです。

それにしても実習とはいえ、冷たい雨の中ずぶ濡れになりながら断面を掘った学生の皆さん、お疲れさまでした!

女子学生が週刊誌の取材を受けました。 近いうちに見てね!

 エンジニア科女子学生が週刊文春に掲載されます。
 

 週刊誌から森林文化アカデミー卒業生、在校生の女性を取材したいと依頼がありました。
卒業生は国有林にお勤めのMさん、岐阜県の森林組にお勤めのtさん、長野県の林業事業体に
お勤めのYさん。

 在校生はエンジニア科1年と2年の意気揚々とした女生徒たちとなりましたが、取材のご依頼が
授業風景とのこと。


 実際には女生徒だけの授業はありませんが、今回は女生徒だけの丸太造材実習風景を中心に
撮影して頂きました。

 材積計算できるように、材長、末口直径、曲がりを測定し、どのような材がA,B,C.D材なのかも
含めての研修風景を撮影してもらいました。





 丸太を測定したあとに、長さ調整と木口面をきれいにするための切り直しするカットがカメラマン
さんのお気に入りの様子。


 またカメラマンさんは、相当チェンソーに詳しく、取材記者さんが理解できない専門用語も
チェンソーの銘柄もすいすい。
 少しでも林業や山のことを知っている記者さんやカメラマンさんと話ができると、こちらも嬉しく
なります。



 さて、肝心のいつ発売か? ・・・・それは2月下旬から4月上旬らいいです。
その時期になったら、本屋さんで気に留めて下さい。宜しくお願い致します。

以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。

森づくり実習(秋冬作業)風景

エンジニア科1年生後期の「森づくり実習(秋冬作業)」も今回が最終回です。

山県市にある十五社神社の社叢林をお借りし、里山林として整備目的の実習をさせていただきました。
神官さんからは、境内、拝殿の周囲は、榊のや焚き木用薪の採取を継続したいことと、参詣された方に楽しんでいただけるよう、花や紅葉がみられるような明るい森に誘導したいというをご希望でした。




そこで、本来の自然植生について、それから人の利用が旺盛となり、逆に近年は利用が停滞し、今の林相に至る経緯等の説明をし、さらに、施主の希望に沿うために必要な施業は何か?という順番で考えてもらいました。







アカデミーで学ぶ意義は、指示通りに動ける労働者・技術者にとどまらず、自ら目的意識を持ち、自然の力をうまく取り入れた施業を提案し、実行できる現場技術者を目指すことです。 そのためには、森林の遷移、気候や利用による影響等を理解し、現場で自然のサインを読み解く眼力やセンスが求められます。少々ハードルが高い要求ですが、エンジニア科の学生たちに、ぜひとも目指してほしいと思います。


何はともあれ、社叢林に入る前に、神官さんのご指導を受け、お清めと、安全祈願をしました。






作業の種類ごとに3チームに分かれました。
枝打ちチーム




スギ・ヒノキの間伐チーム



広葉樹林整備チームです

 
 



短時間の作業でしたが、施業を終えた林は、見違えるように明るくなりました。
神官さんからは、とてもよろこんでいただきました。

以上原島が報告しました。

2014年1月29日水曜日

エコミュージアムを知る!


本日山村づくり講座の課題研究内審査が行われました。内審査には国内でのエコミュージアム活動の草分け的存在であるNPO法人朝日町エコミュージアム協会から、安藤竜二副理事長にお越し戴き、審査に加わっていただきました。



エコミュージアムとは、聞き慣れない言葉かもしれません。エコミュージアムは野外博物館とも言われ、博物館の持つ機能を建物ではなく地域社会で実現する取組みのことです。学生の課題研究は岐阜県馬瀬地域での里山資源を活用したエコミュージアム展開の可能性について論じていますので、安藤さんからは専門家としての貴重なご意見をいただきました。

審査のあと、午後からは山村づくり講座学生を交えて、山形県朝日町でのエコミュージアムの活動についてお話を伺いました。安藤さんによれば、エコミュージアムとは「地域社会の内発的・持続的な発展に寄与することを目的に、一定の地域において、住民の参加により、環境と人間との関わりを探る活動としくみである」ということです。

お話からは、取組みを長続きさせるには、運営側が地域住民があくまで主役であるというスタンスを貫く必要があることを学ばせていただきました。また、朝日町の宝である様々な地域資源や、それを発掘された地域住民の方たちの具体的なお話を伺い、時間はあっという間に過ぎてしまいました。有意義な時間でした。

学生は2/20の課題研究公表会本番に向けて、戴いた意見を踏まえ課題研究をさらに磨きあげてください! 公表会が楽しみですね!!

2014年1月28日火曜日

「山里に伝える」の発表会をしました。


山村づくり講座と木造建築講座の合同専門科目、「山里に伝える」授業が終わりました。

後期30時間をかけて行われたこの授業の様子をまとめてお伝えします。

まず、授業の流れについて簡単に説明します。

授業に参加する学生は、地域活性に重要だといわれる人材「よそ者、若者、変わり者」として、地域の皆様にご協力いただきながら以下の二つの活動を行います。

一つ目は、地域を歩いて見つけたお宝を写真や地図で表わす「あるもの探し」。
二つ目は、地域に昔から住んでおられる住民の方にお話を聞き、それを文章化し作品にまとめる「聞き書き」です。そして、最後にこれらの活動の成果を地域の皆さんの前で発表するというものです。

今年は、岐阜県大垣市上石津の多良地区で活動させていただきました。

公民館長のMさんに全面的な受け入れ協力をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。



それでは、「あるもの探し」活動の紹介です。

3グループに分かれ、それぞれお住まいの地域周辺を案内していただきました。
 
 地域のことは何でもご存じです。
 きちんと積み上げられた薪棚に思わず注目

  お家に招いていただきました。

 
今もきれいに管理されている茶畑。
 
製茶工場を見せていただきました。
  

自家製のお茶を入れてくださいました。


 立派な石垣には必ず地域の歴史が刻まれています。
庭の古木にも物語があるはず。


野鍛冶をされていたおじいさまが鋳造された刃物、農具を見せていただきました。


ご先祖さんの写真を見せていただきました。


戦で落ちのびた武者が隠れ住んでいたという場所。

 
「重軽石」 昔からこのお家に伝わるもので、願をかけて持ち上げた時、軽く感じれば願いはかなうといわれている。実際に持ち上げた学生の感想は「重かった・・・」そうです。               


住んでおられる方には、当たり前の風景でも、初めて訪れる者にはとても新鮮で楽しいものです。案内してくださる地域の方にいろいろ質問できることで、より関心が高まります。言い伝えや民話、歴史的な出来事も、その場に立って聞くと、とてもリアリティーがあります。仕事場を見せていただいたり、お家にお邪魔して自家製のお茶をごちそうになったり、とても親切にしていただきました。お互いの感覚の違いに面白さを感じてもらえると、より盛り上がります。写真もたくさん撮りました。

 



見聞きしたことを地図に書き込む作業です。地域の方にも参加していただきました。




この日には完成できませんでしたので、持ち帰って発表までに完成させることにしました。


 

次に聞き書き活動の様子です。

あらかじめご紹介いただきました地域の方への「聞き取り」です。
公民館長さんのご自宅(お寺さん)をご提供いただき、話し手さんから1時間ほどお話しをうかがいました。
 
 
 


学生はこの話しを録音させていただき、持ち帰ります。

各自、録音を聴きながら文字起こしをします。実はこの作業がもっとも時間がかかるのです。

 

話し手さんの言葉を正確に文字化できたら、次に、読みやすくするための編集作業を行います。話し手さんはもちろんですが、ご家族や地域の方にも読んでいただきたいので、間違いのないよう、話し手さんに了解をいただきながら、作品化を進めます。聞き書きの専門家によるアドバイスを受け、よりよい作品作りを目指します。


 

発表会には、話し手さんとご家族の方、ご近所の方、行政の方、議員さん等たくさんのかたにお集まりいただきました。

 


あるもの探しマップが完成しました。
  
 
 
 


聞き書き作品の朗読

 
 
 


話し手さんに聞き書き作品の贈呈です。

 

公民館長さんから感謝の言葉をいただきました。

 

アカデミーの「よそ者、若者、変わりもの」たちが、多良地区の活性化に少し貢献できたような、そんなうれしい瞬間でした。
学生たちもきっと同じ気持ちを抱いてくれたことでしょう。

以上、山村づくり教員 原島が報告しました。