2015年3月31日火曜日

演習林ヒノキを使った学長室の会議用テーブルが完成し、納品いたしました。

みなさま、覚えてらっしゃいますでしょうか。クリエーター科1年生の木工を学んでいる学生たちは、昨年11月よりテーブル制作の授業を行ってきました。そのことについて紹介した記事がこちらです

今年の課題は「学長室の会議用テーブル」でした。現在使われている集成材を使った味気ないテーブルではなく、演習林のヒノキを使ったアカデミー産材のアカデミー学生の制作によるテーブルです。

11月に授業が始まり、制作を行ってきましたが、さまざまな事情があり授業内で終わることができず、年をまたぎ、途中1年生全員で行う展示会なども入ったために中断することにもなり、長い時をかけて作ってきました。そして、年度末日となった今日3月31日にようやくすべての工程を終え、晴れて学長室に納めるテーブルが完成しました。

出来上がったテーブルはこちら


3人学生がおり、1人1台制作しました。演習林のヒノキと天板の中心に広葉樹を合わせプレミアム感を演出するアクセントにしました。広葉樹は上の写真の手前からヤマザクラ、ナラ、ホオの木です。それぞれまったく趣が異なる色や木目です。

さらに、塗装方法も1台ずつ違います。ヤマザクラを使った手前のものはオイル仕上げ。真ん中のナラを使ったものは森林文化アカデミーで育てたニホンミツバチの巣からできた蜜蝋。そして奥のホオを使ったものは水性ウレタンで仕上げました。それぞれ手触りも色合いも全く異なるテーブルになりました。


 それぞれのテーブルを担当した学生さん。落ち葉が色づき、散り始めたころに制作を開始したこのテーブル。それが、桜が咲き乱れる春に完成したところがなんとも感慨深いです。



そして、最後の大仕事、納品です。えっこらえっこら学長室に運び込みました。


ビフォー


アフター

これで晴れて1年間の学びを終えた木工の学生たち。基礎技術・基礎知識をもとに、2年目は個々の課題に取り組んでいきます。

2015年3月30日月曜日

持続可能な林業のために苗木を守れ!

『苗木を守れ!』 シカ避けネット張り!


 森林文化アカデミーの演習林、せっかく学生が育てたヒノキを植えたのに、ウサギやシカによる
食害を受け、ボロボロに。

 そのため、学生有志によるネット張りを実施しました。

 『持続可能な林業』をうたうなら、『地域を獣害から守る』をうたうなら、自分たちで実践せねば!

 ニホンノウサギの食害は下の写真のように、鋭利な刃物で切ったような痕跡になります。


 シカやカモシカの食害痕跡は、下の写真のように引きちぎったような痕跡となります。
これはシカやカモシカが歯で噛みきるのではなく、舌を使って食べるためです。


 今回のネットは合成繊維にワイヤーを編み込んだものです。 支柱を5m間隔で差し込んで、
それに2.3m高のネットを張ります。

 ネットのメッシュを細かくして、ウサギにも対応できるようにしました。
 

 下刈りに入るため、入り口の支柱は白いテープを巻、「入り口」が判るようにしました。

 入り口部分は、ネットを二重にしてあります。


 ネットの下面のスカート部分はストッパーで止めて、野生動物がネットをくぐり抜けようとする
のを防止しています。

 意外にも多くのシカ類は飛び越えるよりも、下からくぐろうとする性格があるので、スカート部分の
補強が重要なのです。



以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

2015年3月12日木曜日

実践・プレイワーカー養成講座 大成功でした!

やっちゃいました!おかげさまで研修開始1ヶ月前に定員オーバーしちゃう程の人気だった「プレイワーカー養成講座」。日本のプレイワークをリードするTOKYO PLAY代表「めだか」こと嶋村仁志さんを講師にお招きしての1泊2日は実りの多き時間となりました。

当日は、岐阜県、愛知県をはじめ、宮崎、島根、京都、長野、茨城、栃木、東京、山梨、とまさに全国から22名の受講生がアカデミーに集結。中には「将来インタープリターになりたい!」という中学生の姿も!? 子どもの「遊び」について真剣に考えている大人がこうして集まるだけでもうれしいことです。


1日目の前半は嶋村さんから「プレイワークとは」「現在の子どもたちをとりまく現状」「遊びとは」「子どもに関わる技術とは」「子どもたちの遊びをとめてしまう要素」といった話を中心とした講義&実技応答の時間。普段プレイワーカーとして活動している受講生同士の間でリアルな質問が飛び交わされました。



「大人が子どもに遊んでもらっている」状況ではなく、「子どもが遊んでいる」環境をどう創れるかというあたりプレイワーカーの力が試されているように感じました。


後半は、前半で学んだことを思い出しながら班に分かれてのチームワーク。翌日の「つながりフェスティバル会場で“どこでもアソビバ”を開く実習」のための準備開始です。しかも講師陣から発表された課題に受講生はビックリ!









①アソビバの広さは基本的に1.5m×2mくらい。(大きめレジャーシート1枚分程度)
②すでにある遊びやゲーム(コマやけん玉、おもちゃやボードゲームなど)はダメ
③子どもを遊びに誘ったらダメ。子ども自らが刺激されて遊びに入るように。
④子どもたちの様子を見ながら、ここがいい!と思った場所で展開すること。移動も可。
⑤実施時間は約3時間。その間交代で子どもたちが他にどこで、どんな遊びをしているか
 観察すること。

といったものでした。。。
班のメンバーは真剣に相談しながら、辺りが暗くなるまで準備をしていました。

さらに夕食後は、「イギリスのプレイワークを学ぶツアー」の報告会も開催。「遊び」の重要性を国や国民がしっかりと認識しているあたりがすごいですよね。受講生たちは、そんなプレイワークの先進国、イギリスから様々なヒントを得ていました。

いよいよ2日目の実習日。車に分乗して岐阜駅近くの金公園で開催されている「つながりフェスティバル」会場へ。テントがびっしり立ち並んで大にぎわい。子どもたちも沢山いて遊具でも遊んだりしていました。


班のメンバーは思い思いの場所に散らばり「アソビバ」を展開!
やがて子どもたちもそれぞれのアソビバに集まって賑わいはじめました。
賑わっているのはいいのですが、最初はどうしても「大人が構ってしまう」スタイルになってしまいがち。ややもすると「大人が遊んでもらっている」状況に。。。。


そこで「アソビバから離れて遠くから観察する時間」をあえてつくってみると…
なんと子どもたちはプレイワーカーなどいなくても自由に遊んでるではないですか!?


さらに、子どもたちだけで遊んでいると今度は保護者がいろいろと関わってきます。
客観的に見ていると、大人が子どもの遊びの流れを止めているシーンも観察できました。

「いまここ」をどうとらえてその流れにどう乗るか。

受講生の前には大きなテーマが見えて来たようです。


3時間の実践終了後に行った受講生間での「ふりかえり」は大盛り上がり。
実際に子どもを相手に体験してみないと見えてこないことや、意識して見ないと見えてこないこと、客観的に見ないと分からないこと、などについて意見を交換していました。

受講生の皆さん、体験的に学びを得ていたようです。


思い思いの学びをもってまた全国各地に帰って行った受講生のみなさん、
素敵な「アソビバ」どんどん創っていって下さいね。


自然体験活動指導者
インタープリター養成コース
なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕作









2015年3月11日水曜日

クリエーター科1年生による展示会「めぐ‘みの’もり」展のご報告です。

 クリエーター科1年生による展示会「めぐ‘みの’もり」展、のご報告です。7日(土)は123名、8日(日)は98名、合計221名様、幅広い年齢層の方々にご来場頂きました。どうもありがとうございました。近くて遠かった森林文化アカデミーに行くきっかけになったという嬉しいお声も頂きました。皆さま時間をかけてじっくりと会場内をご覧になられ、小さなお子様にも楽しまれた展示会でした。怪我もなく無事に終えることができて、一同ホッとしております。ヒノキ・竹・和紙を素材に製作した、工作品の展示販売も完売できました。皆さまに感謝いたします。本当にありがとうございました。

~皆さまの写真をご紹介します~


 ヒノキの皮むき体験



あゆつみで遊ぶ


削りウマは楽しいな




 展示してあった楮(こうぞ)をご覧になった東白川からご来場のご夫婦から、「昔はうちでも楮を栽培して出荷していた」というお話をうかがいました。同行されていた娘さん、息子さんからは、「初めて聞いた」と驚きの声が上がりました。展示物が来場者の記憶を呼び覚ます、感動的な場面に立ち会うことができました。









非電化こたつで




                                                             
                       山村づくり講座 榊原ひとみ

2015年3月8日日曜日


クリエーター科1年生による展示会

「めぐ‘みの’もり」展、1日目(7)のご報告です! 

 
小雨の降る中、123名の方にご来場頂きました。どうもありがとうございました。会場内をじっくりとご覧になられ、面白い体験もされてあちらこちらで笑顔が見られました。お帰り時にアンケートにご記入頂いた中で多かったご指摘、分かり難かった道順の看板など改善できるところは直しました。8()はもっと、ご覧頂き易くなります。ぜひご来場下さい。一同お待ちしております。



展示会受付のうしろのブースにある仕口、継手の実寸模型をじっくりご覧になっていらっしゃいました。岐阜県の家の柱の太さがよく分かります。




・林業チーム

学内伐木選手権優勝者は?

森林文化アカデミーで学んだ林業技術の競い合い。16名の勇者たちが4つのグループに分かれてトーナメント方式で対決しました。予選はソーチェーンのつけかえ、水平切り、切り合わせ、ロープワークの4競技の出来栄えで4名が決勝に勝ち上がります。最初の説明にみんな真剣なお顔です。
 
 
 


勝ち上がった4名は、クリエーター科2年生T氏、エンジニア科2年生の両名ともH氏、エンジニア科1年生S氏です。伐木は、伐っている時の姿勢、安全性、伐根状態、規定位置に倒れたか?で判断します。みんな、なかなかの腕前で悩めるジャッジ。追加競技で再対決になりました。さて優勝者は?




 
 

8日(日)は、林業パークは終日体験できます!

 ‘木に触れ、遊ぶ’がテーマです。子供たち、集まれ~
 
 
・ヒノキチーム


 
 
 


ヒノキの皮むきとお家の形の小物入れ作り体験

ヒノキの丸太材を使い、皮むき専用道具で皮をむきます。その皮を使って屋根を作り、お家の形の小物入れが完成!
作業時間1015分です。先着10名様です。お待ちしております。

 
 
 





ヒノキの体重計!?

ヒノキの板に乗って、バーの指す数字は!?公表OK な方はお試し下さい。



・紙漉きチーム

紙漉きの道具がずらっと並びます。かなりの迫力です。

携わってきた方々の「聞き書き」の記事も皆さまは足を止めて読んでいらっしゃいました。


 

「みのがえり」も大好評です。





・食チーム

先着100名様にわらびもちをふるまいます。茶香炉で茶葉を焙じ、甘くて香ばしい芳香が気分を落ち着かせるお休処です。



・ぬくもりチーム

非電化こたつ温まってます!ふるまい汁も大好評で~す。

 

山村づくり講座 榊原ひとみ

 

「めぐ‘みの’もり」展

日 時:201537()10時〜16

38()10時〜16

場 所:岐阜県立森林文化アカデミー[テクニカルセンターA&周辺広場]

    岐阜県美濃市曽代88番地