2013年12月18日水曜日

危険木の伐採を極める! 

エンジニア科1年生による
  カシノナガキクイムシ被害木山側への伐倒実習

 岐阜県関市にある百年公園のアベマキがカシノナガキクイムシによって枯れてしまいました。
所長の若林さんと森林研究所の大橋さんと相談の上、斜面下側に傾斜していたアベマキを
山側に伐倒しました。

 指導者は江崎林業の江崎尚史さん、アカデミー教員は杉本先生とJIRIです。


 伐採に先立って、御神酒を捧げ、二礼二拍手一礼して、「安全祈願」をしました。


 伐採予定木は中央のアベマキと右上に写っているスギで、アベマキは内木くんが、スギは
女性の丹羽さんが伐採します。

 ちなみにこのアベマキは樹高20m、根元直径50cmほどあり、樹冠にはフジ蔓が絡んでいた
ため、JIRIがツリークライミングして、フジ蔓を除去しました。

 アベマキには下の写真のように約10m近い高さまで登って、牽引具チルホールのワイヤーを
セットします。チルホールは500kg対応と750kg対応を3つ利用して、山側に倒します。


 アベマキは伐採によって幹が裂けないようワイヤーとアテ木で「裂け防止」を施します。
どのように巻いて、どのように締め上げて、固定するのか? 一つ一つが勉強です。


 伐採は丹羽さんによるスギからです。「伐倒方向よし、待避場所よし、上方よし」

 自分で目立てしたチェンソーを使って、人生2回目の伐採です。江崎先生のサポートを受けなが
ら、山側に受け口をつくります。


 山側に引っ張って倒すため、追い口は高めにします。立ち位置の関係からチェンソーの上刃を
つかって切り込みます。小柄な女性であるため、チェンソー操作は一苦労です。
 追い口を切って、少し厚めのツルを残して、スギの伐採は終了です。このスギはアベマキと一緒
に倒す予定です。


 さて、内木くんは本日の大物、アベマキとの格闘です。
 自分で目立てした刃が切れ味が悪いかと思ってしまうほど。単に広葉樹だから堅いだけでなく、
立ち枯れして乾燥しているため、一層堅くなっています。


 使用しているチェンソーのガイドバーが短いため、左右両方から受け口を切らなければなりませ
ん。
 受け口は山側に、かつほとんど90°に近いオープンフェイスで実施。


 初めての合わせ切りですが、材の堅さと、緊張とで、思ったようには切れず、切断面の切り直しも
しました。

 最終仕上げの追い口切りは、他の学生は安全地域間に待避です。

 内木くんは再度、自分の待避場所を確認をしてから、追う口を切り進み、適宜チルホールで引っ
張る手順の繰り返し。

 途中で「パシッー」と木材繊維が断裂する音が山中に響き渡り、最後には見事に目標の場所に
伐倒することができました。


 伐採した木材から出てきたカシノナガキクイムシの成虫を、若林所長さんが発見。
長さ5mmほどの成虫ですが、彼らが運ぶラファエレア菌(ナラ菌)によって、枯れてしまったので
す。


 最後に百年公園の駐車場で記念撮影。

今回は百年公園の若林所長さん、メイン講師の江崎さん、大変お世話になりました。
有り難う御座いました。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。


木造建築の新しいかたち(その41)【短期技術研修:耐震セミナー(第8回)】

 短期技術研修 耐震セミナー「許容応力度計算演習」は、月に1回、全10回で許容応力度計算をマスターすることを目的に開催している研修です。時間は仕事帰りに立ち寄れるように、18:00~21:00を設定しています。

 12月に第8回を開催致しました。そのメインの内容は、第7回に引き続き、横架材の検討です。

 一般的に木造2階建て以下住宅などの小規模な建物の場合は、構造計算をしなくても良いルート、すなわち「壁量計算ルート」で簡易な構造チェックがなされているにすぎません。その「壁量計算ルート」では、横架材についてはノーチェックです。



  ここ半年ほど「岐阜県産スギ横架材スパン表」に関する技術的問い合わせもだいぶ多くなってきております。だいぶ実務で利用され始めているようですね。

 また、名古屋大学さんでは、「岐阜県スギ横架材スパン表」を授業時のサブテキストとして利用して下さっていると伺っております。

 以上のようなことのお話を伺いますと、スパン表は構造検討の導入にすぎないわけですが、お腹を痛めて誕生させた私にとっては非常に嬉しいことです。次のステップとして、学生さんも実務者の方も構造計算へ移っていくと良いですね。

木造建築の新しいかたち(その40)【短期技術研修:耐震セミナー(第7回)】

 短期技術研修 耐震セミナー「許容応力度計算演習」は、月に1回、全10回で許容応力度計算をマスターすることを目的に開催している研修です。時間は仕事帰りに立ち寄れるように、18:00~21:00を設定しています。

 11月に第7回を開催致しました。そのメインの内容は、横架材の検討です。

 一般的に木造2階建て以下住宅などの小規模な建物の場合は、構造計算をしなくても良いルート、すなわち「壁量計算ルート」で簡易な構造チェックがなされているにすぎません。その「壁量計算ルート」では、横架材についてはノーチェックです。




 「壁量計算」ルートでも、横架材のチェックについては、あらかじめ仕様の想定がされ、構造計算されて、まとめられている横架材のスパン表も利用することが可能です。

2013年12月17日火曜日

ちょっとうれしい話 

もうずいぶんと前になりますが、

森のようちえんや、プレーパークなど
アカデミーの取り組みを見学したいということで
大学で環境教育を専攻している大学生2人が、
はるばる東京からやってきてくれました。

夜行バスに揺られて岐阜に着き、眠いのもそっちのけで
1日中、子どもたちと一緒に遊びながら
見学というよりも、体験&体感して帰っていきました。

それからしばらくして、手紙が届きました。
感謝の言葉に加え、




「今後はもっと子どもたちの声に耳を傾けようと思いました」
「危ないからといって子どもたちの意欲をそいでいたように思います」


など、自分たちの気づき、学びを綴ってくれていました。

スマホやメールが当たり前の世代でもある世代から
こうして手書きの手紙をいただけたこと
そしてあの時の体験が二人にとって気づきや学びにつながったこと
本当にうれしく思いました。

だから、もうずいぶんと前のことですが、
どうしても皆さんとも共有したいと思い
アップしました。

アカデミーは、いろいろな学びを提供しているようです。
そしてまだまだやることがありそうです。


自然体験活動指導者
インタープリター養成コース
なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕作


木造建築の新しいかたち(その39)【短期技術研修:耐震セミナー(第6回)】

 短期技術研修 耐震セミナー「許容応力度計算演習」は、月に1回、全10回で許容応力度計算をマスターすることを目的に開催している研修です。時間は仕事帰りに立ち寄れるように、18:00~21:00を設定しています。

 10月に第6回を開催致しました。そのメインの内容は、水平構面の検討です。

 一般的に木造2階建て以下住宅などの小規模な建物の場合は、構造計算をしなくても良いルート、すなわち「壁量計算ルート」で簡易な構造チェックがなされているにすぎません。その「壁量計算ルート」では、水平構面についてはノーチェックです。






 最近よくみる「大きな吹き抜け」、「スキップフロア」、「大屋根」などがあっても「壁量計算ルート」では、水平構面はノーチェックで設計が完了します。

 構造計算ではもちろん水平構面のチェックは行います。この研修では水平構面のチェック手法を学んで頂きました。

木造建築の新しいかたち(その38)【短期技術研修:耐震セミナー(第5回)】

 短期技術研修 耐震セミナー「許容応力度計算演習」は、月に1回、全10回で許容応力度計算をマスターすることを目的に開催している研修です。時間は仕事帰りに立ち寄れるように、18:00~21:00を設定しています。

 9月に第5回を開催致しました。そのメインの内容は、梁上耐力壁の剛性低減計算です。

 一般的に木造2階建て以下住宅などの小規模な建物の場合は、構造計算をしなくても良いルート、すなわち「壁量計算ルート」で簡易な構造チェックがなされているにすぎません。その「壁量計算ルート」では、足元が不安定な梁の上に載っている耐力壁であっても、足元は頑強で変形しないことを前提に設計されています。

 しかし、実際は足元の梁を基礎などに完全固定するか、非常に大きな断面にするなどの配慮をしないと、変形がすすみ、耐力壁の見かけの剛性が非常に落ちることとなります。

 そこで、(正規の)構造計算では、梁上耐力壁の場合には耐力壁の剛性低減をするようにしています。

 あるスパンに対して、一般的に利用されるような梁材断面では、その剛性低減による係数は70%程度(かなり丸めて話をしています・・・)になります。




 実務者が普段実施している構造計算不要の「壁量計算ルート」では剛性低減という概念が無いので、皆さん四苦八苦しながら計算演習をしています。

 梁上耐力壁の危険性を計算での検証ですが、把握して頂けたかと思います。

木造建築の新しいかたち(その37) これはやってはいけません

 この「木造建築の新しいかたち」シリーズでは、どちらかというと前向きな情報を皆さんに提供しています。しかし、今回はちょっと後ろ向きの内容になってしまいました。

 木造軸組構法では継手や仕口など木材の接合部には接合金物(補強金物)を用いることが多いのですが、前提条件をちゃんと守る必要があります。換言しますと、やってはいけないことがたくさんあります。

 先日ぶらぶらしていたところ、ある物件をチラ見させて戴きました。そのときに、「これはやってはいけない!!」という箇所がありました。
 その建物を批判するという意味合いよりも、後輩たちのために、学生たちのためにあえて御紹介します。ディテールだけですが・・・。


【これはやってはいけない1】
 木材には背割りというものが入っている場合があります。この背割りの部分と、羽子板ボルトのボルト部分の位置が完全に一致しています。羽子板ボルトは柱頭が引き抜かれるのを防止する役目があります。これでは、羽子板ボルトの効果が非常に悪い状態です。これはやってはいけません。

羽子板ボルトの柱留め付け部分が、背割りに一致しています

 【これはやってはいけない2】
 水平構面を構成する要素のひとつに「火打ち梁」があります。この「火打ち梁」は梁桁材の隅角部に設置して、トラスを構成し、水平構面の剛性を高めます。しかし、この「火打ち梁」の設置部分と、桁材の継手(写真では追掛大栓継ぎ)部分が完全に干渉しあっています。一般的に木材の継手はピン接合としてモデル化します。従って、「火打ち梁」と梁桁材の継手が干渉していると水平構面を構成しているトラスが不安定構造となってしまいます。不安定構造は建築ではNGです。これはやってはいけません。

「火打ち梁」と桁材の継手部分が完全に干渉しあっています

 フォローするわけではありませんが、ちなみにこの建物は平屋であり、非常に軽い建物です。
羽子板ボルトの部分も耐力壁が設置されている柱にとりついているわけではないですので、柱に引抜力が生じないと想定している箇所になります。写真の箇所については法的には柱頭柱脚接合部の耐力チェックが不要な箇所です。

 また、火打ち梁の件では、この建物は4号建築(簡単に言えば、小規模建築)に該当しますので、そもそも法的には水平構面の剛性チェックが不要な建物です。
つまり、法的にはOKな建物なのです。

 しかし、前述した様に構造技術的にはNGの建物ですので、反面教師として皆さんの頭の中にわずかでもいいので御記憶下さい。