2012年10月23日火曜日

生涯学習講座「身近な森の手入れ・入門 第三回 広葉樹林の手入れ」

連続講座「身近な森の手入れ・入門」の3回目は「広葉樹林の手入れ」です。

1回目「樹木を見分ける」の様子は→こちら
2回目「スギ・ヒノキ林の手入れ」の様子は→こちら からどうぞ。

まずは横井先生から、広葉樹林を整備する際の考え方についての講義がありました。広葉樹林には落葉広葉樹林や常緑広葉樹林など様々なタイプがあります。薪炭などを採るために利用されてきた森林は里山林と呼ばれますが、現在それらの多くは利用されず遷移が進んで常緑広葉樹林化しつつあります。また林の様子は場所ごとに異なっており、その地域の気候条件、人間の利用の履歴、植生遷移などが複雑に絡み合っています。整備の際にはその林の林相を見極めた後に、整備の目的、目標を考え、整備方針を決めていくことが必要であると説明されました。


その後、演習林内にある広葉樹林へと向かいます。現場に到着し、まずは班ごとに分かれて、各班の担当箇所をどのような森林にしたいのかディスカッションします。今回対象とした林分は、斜面上部に大きな岩があります。常緑樹のアラカシ、コジイや落葉樹のコナラ、アベマキ、コシアブラ、タマミズキなどが高木層を形成し、低木層にはヒサカキ、サカキ、シキミなどがあります。ここで連続講座一回目の樹木同定の知識が役立ちます。コナラが優占していれば、シイタケの原木林に使えないこともないですが、どちらかというとアラカシなどの常緑樹が多いようです。この林をどう使って行くのか?お昼休みの時間になっても議論を続け、班ごとに目指す森林のイメージを決定し、選木を行いました。
 
選木を終えた後、昼食をとりました。昼食後、班ごとに整備の目的、目標、方針を発表しました。それぞれ異なった整備方針が示されましたが、そのうち上部の大きな岩を活かして、子供たちが岩に向かって入っていきたくなるような林にする整備方針に沿って手入れをすることになりました。

 
 
作業に入る前に原島先生から広葉樹の伐倒作業における注意点を実演を通して教えてもらいました。

その後、数人ごとに分かれて、作業に入ります。前回の針葉樹とは違う木の堅さ等を感じながら、作業を進めます。

 
うまく倒せなかった場合もロープを掛けて引っ張る等、協力して解決していきました。 

 
1時間半ほどの作業でしたが、少し手を加えるだけで林が明るくなり、テーマとした大きな岩もよく見えるようになりました。でもこれは第一歩。本当に目的に沿った林にするには、継続的な観察と整備が必要です。

今回の講座は自分たちで整備の方向付けを一から考えねばならず、班それぞれで苦労していたようです。特に身近な里山の広葉樹林ではナラ枯れなどの病虫害被害が顕在化し、なんとかしたいと思っている人も多いかもしれません。しかし森林の状況はそれぞれで異なっています。今回の講座が森林の状況を的確に把握し、よりよい整備を考えるための礎となれば幸いです。
 
報告:津田

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