クリエーター科の林業・林産業体験実習で、前回伐採した木の製材です。
午前中は、前回伐採した木を林内作業車に載せて、
製材所まで搬出しました。
林内作業車で運び出します。
これで量で立木4本分です。
効率が求められる林業現場では、
もっと大型の高性能林業機械を使う場合が多いですが、
この林内作業車は集材から搬出をこれ1台で出来るので、
少人数で作業する場合には便利な機械です。
製材はアカデミーにある製材棟で行います。
一人ひとり製材機を動かし、三五角(10.5cm×10.5cm)をとるのか、
4寸角(12cm×12cm))をとるのか、考えながら挽いていきます。
また板が取れる場合は、20mm、35mmなどの厚さで板をとっていきます。
今回挽いた製材品です。
製材した材木の寸法を測定し、乾燥のために桟積みします。
製材品の材積を測り、丸太からの歩留りを計算した結果です。
1本目
立木材積 0.92 m3 丸太材積 0.52 m3 製材材積 0.29 m3
丸太からの製材歩留り 57% 立木からの製材歩留り 32%
2本目
立木材積 0.37 m3 丸太材積 0.24 m3 製材材積 0.14 m3
丸太からの製材歩留り 58% 立木からの製材歩留り 38%
3本目
立木材積 0.44 m3 丸太材積 0.34 m3 製材材積0.15 m3
丸太からの製材歩留り 48% 立木からの製材歩留り 44%
合計の製材材積 0.587m3
丸太からの歩留りが5割、立木からの歩留りは3〜4割という結果になりました。
さあ家1棟建てるためには、今日の作業の何倍の木材が必要でしょうか。
だいたい家1棟分で使う木材は、
120 m2 (延べ床面積) × 0.2 m3/m2 (面積あたりの平均木材使用量)=24m3
ですので、24m3÷0.587m3 =41 で
41倍の木材が必要!!
ということになります。
半日がかりでの製材でしたが、このペースだと家1棟分の木材をつくるためには、
1か月ぐらいは、製材しないといけないですね…
ちなみに、最近の製材は効率化のために、同じ寸法の製品をメインに挽く場合が多く
今回みたいに木取りを考えながら多種の製品を挽くというのは珍しいです。
演習林と製材棟を持つアカデミーならではの体験です。
ちなみにものづくりの学生は、別の元玉を板に製材し、
寸法を測定しました。
原木ごとに色分けし、それぞれの歩留まりを計算しました。
5割から7割くらいの歩留まりになりました。
植林から始まり、製材まで行った林業・林産業体験実習ですが、
これで終了です。
林業にかかわる一連の動作を体験し、
学びも大きかったようです。
最後に、今回引いた製材品の前で記念写真をとって終わりました。
お疲れ様でした。