2013年9月7日土曜日

特殊伐採のためのベーシック・アーボリスト®研修 BAT-1

ベーシックアーボリスト®トレーニング BAT-1 開催

 森林文化アカデミー短期技術研修の、「特殊伐採のためのアーボリスト技術研修 ベーシック
アーボリスト®トレーニング BAT-1を開催しました。

 この研修はJAAJapan Arborist® Associationとの共催事業です。
 アーボリスト®(樹護士・高木性樹木の管理を専門とする職人)の仕事の一つである特殊伐採
を実施するには、安全に木を登るためのツリークライミング®技術が必要です。
 しかし、日本で実施される特殊伐採の多くは林業関係者に依頼があるものの、ツリークライ
ミング技術を用いないため事故発生率も高いのが現状です。

 そこで本研修では特殊伐採技術研修の中でも、安全な作業環境を確保するための基本技術であるBAT-1とBAT-2に的を絞って学びました。

 講師はアーボリスト®トレーニング研究所 オフィシャルトレーナー アーボリスト®トレーニング
チーム 代表 森田弘行さん、そのアシスタントとして和田敏夫さん、そして森林文化アカデミー
のJIRIです。


 そもそもアーボリスト®トレーニングは、中部大学の教授のジョン ギャスライト(John Gathright)
博士が日本に運んできたものです。ツリークライミング®は、海外では、Arboriculture(以下、アー
ボリカルチャー)とかArborist®(以下、アーボリスト)、Tree Worker®(以下、ツリーワーカー)という
分野で仕事に利用されています。

 全世界統一の技術はISA(International Society of Arboriculture)によって常に改変され、最先
端の安全と効率的な樹上作業を目指す技術者の注目の的です。
 今回、その一端を今回、研修しました。
 
 

 研修の実地の前に、これまでの危険な作業と安全作業の違い、リスクマネージメントなどについ
ても学んでもらいました。

 参加者は事前に渡されているロープワーク(ノットやヒッチ)について、復習と確認作業です。
安全のためにはノットやヒッチのドレスアップが重要であること。どうしたロープワークが危険で、
どうすれば安全になるのかも学びます。


 途中、和田さんが海外で樹上にあがるためのセキュアード・フット・ロックによるクライミングを
披露しました。和田さんは今年の日本選手権第二位で、先日もジョンさんやJAA会長の原さん、
森田さんや日本チャンピオンの松岡さんたちと、カナダのトロントで開催された世界大会にも参加
した第一人者です。


 BAT-1ではクライミング技術だけでなく、枝を切り下ろす「リギング」についても学びます。
リギング・ブロックの取り付け方(カウヒッチ)や荷下ろし用のポータラップの取り付け(ティンバー
ヒッチ)なども学びます。



参加者は自分でフリクションヒッチなどツリークライミング設定をし、各々が好きな樹木に登り
ました。写真は田中さんと田端さん。



 枝下ろしの実践として、ジップライン方式やそれにタグラインを組み合わせたものなど、さまざま
な方法を体験。
 樹上で和田さんが剪定や枯れ枝除去を行い、それをジップラインで安全に下ろすのです。


 上の写真手前が森田さん、奥に小さく見えるのが和田さん。和田さんが切った枝をジップライン
に取り付けて、森田さん側に送ってきます。
 一枝剪定する度に、ノコギリを格納して、枝下ろしする。そうした安全確認が重要なのです。

 さて、昨年度も今回の「BAT-1」にあたる「JAA®ツリーワーカーRセミナー レベル1」を実施
しましたが、今回は昨年以上にパワーアップした研修だったのです。

 さて、明日以降は参加者11人によるBAT-2の研修です。頑張りましょう。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。