2012年6月2日土曜日

クリエーター科1年「森林調査法」

 5月16、30日にクリエーター科1年の実習「森林調査法」が行われました。
この実習は、「林業再生講座」「山村づくり講座」の学生が受講する授業で、森
林の様々な情報を読み取るための基本的な調査法を学ぶことが目的です。しかし
実際の調査では何を知りたいかが目的であり、調査法は手段に過ぎません。この
授業でも調査の目的を設定し、それを把握しつつ方法を学んでいきます。

 最初ですので、道具の使い方から学びます。森林調査の基本的な技術には樹木
の同定などがありますが、もう一つ重要なのは樹木の測定です。木の直径を測っ
たり、高さを測ったりして樹木の大きさを知ることを測樹と呼びます。まずはそ
のための道具を手に取って使い方に馴れます。
 道具の使い方に馴れた後は演習林に入って実際の林分を調査します。ヒノキの
林に標準地のプロットをはり、一本ごとに胸の高さの直径を測っていきます。
20120602-chosaho1.jpg

 さらにいくつかの木については樹高も測ります。これらの情報はあとでこの林
分にどれだけの材積があるのかを把握するために重要です。
20120602-chosaho2.jpg

得られた情報を野帳に記入していきます。
20120602-chosaho3.jpg

 ただし木の情報だけでは、林分の材積はわかりません。なぜなら今回は林分の
一部(標準地)しか調べていないからです。そこで調べた標準地の面積をコンパ
ス測量という方法で把握します。標準地の枠の角の角度をコンパスで測っていく
のですが、少しでもずれたり読み間違えたりすると、誤差が大きくなってやり直
しをしなければならないので緊張します。結局、一回目の測量では誤差が大きく、
あやうく最初からやり直しかと思われましたが、一カ所数値がおかしいところが
あり、その部分の見直しだけで済みました
20120602-chosaho4.jpg

 この後、調査で得られた情報を解析しました。最初に樹高曲線を書いて、各直
径階の樹高を出して、材積表から数値を拾い上げて・・・といった手順で計算し
ていきます。ヘクタールあたり材積、収量比数、相対間距比、形状比という耳慣
れない用語にとまどいながらも解析を進めていきました。そして横井先生から、
これらの数値からこの林の地位や林分の状況、用材として出した場合の価値など
についての説明がありました。

 ほとんどの学生は初めてのことばかりで戸惑いもあったようですが、自分が調
べたことから様々な情報が読み取れることに興味を持ったようでもありました。