2012年7月28日土曜日

第7回 施業プランナー 育成研修 開催(岐阜県立森林文化アカデミー)

 平成24年度 森林文化アカデミーの「施業プランナー 育成研修」の第7回目を開催
しました。



 今回は「ITを活用した路網の計画と管理」と称して、岐阜県森林研究所の臼田寿生
専門研究員と古川邦明部長研究員が、前回の路網線形踏査で得たGPSなどのデジタル
ツール(IT)を活用し、路網の開設計画や管理などをするための一手法を指導して下
さいました。


  

 講義は地図ソフト、カシミール(Kashimir)を活用したろもうの計画と管理が
中心です。

カシミールを利用するメリットは
 (1)フリーソフトで誰でも無料で使用できる。
 (2)各種の地図に対応している。
 (3)岐阜県はカシミール用の基本図利用が可能。
 (4)GPSとの連携が非常に優れている。
 (5)ファイルリンク機能がある。
 (6)デジタル写真との連携が可能。
 (7)対応するファイル形式が豊富かつ柔軟である。




 例えば、カシミールの使用事例として、様々な地形情報や地理情報を盛り込んだ
「作業道開設指針図(危険区域と水系)」について、その利用価値について解説して
頂いた。






 前回、作業路線形現地踏査した結果を施業図(1/5000)に青色で線形記入し、もう
一つの図に斜面傾斜30度、斜面傾斜40度以上を色分けした作業道開設指針図に組み込
みます。

 地図画像には、標高データの重ね合わせすることで一層役立つ図面になっていきます。


 

 初めて経験するソフトですが、臼田さんや古川さんが丁寧に指導して下さるお陰で、
20人全員が自分のパソコンでのカシミール操作に落ちこぼれることなく、路線線形に
データを組み込む事ができたのです。


 

 カシミールを使えば、例えば架線を計画している場合、その地形がどのような形に
なっているか断面図を見ることも可能です。

 写真の左上の赤い直線部分の断面図を表示すると右のようになります。また、この
直線上で下から上が真っ直ぐ見通せるかどうかも判断されます。架線集材に有効な機能
です。

 他にも、背景地図を参考に、求めたい線形の延長や区域の面積を計算できます。


 
 ポイントポイントでは古川部長が臼井さんをサポートし、GPSデータの管理では、

 (1)不要なデータは削除すること。例えば、開空度の充分な場所でGPSの電源を入れ
  ますが、実際に必要なデータは山の現場だけなので、それまでの部分はその都度
  削除すること。

 (2)近似するデータが交絡しないよう路線毎にファイル管理すること。


 

 現場写真とGPSデータの連携ではデジカメプラグインをして、線形踏査時に撮影した
デジタル画像と路線のGPSデータを組み合わせます。

 その他、様々なカシミール操作を学び、一日中パソコン漬けの一日を過ごしたので
す。今回も森林研究所の臼井さん、古川さん、研修受講者のみなさん、大変ご苦労さま
でした。
 

 次回は「目標林型と施業方針、、「生産性の把握とコスト」、「木材市場との連携」
です。

 暑い夏が続きますが、みなで頑張って行ききましょう。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。