2013年8月9日金曜日

こんなんなってました15


オオウラジロノキ


 山に生えている樹木には、コナラやアカマツ、ブナのように、ほとんどその樹種だけで林を構成することのできる種類があります。このような種類の高木性の樹種は、舞台役者でいえば主役に相当する樹木です。高木性の樹種は森林の空間の骨格になる部分を構成するため、森林生態系においてキーになる植物であるといえます。

 一方で、林を歩いていてあまり見かけない樹種もあります。これは脇役、というよりは、チョイ役という感じでしょうか。そんなチョイ役の樹木にも、時々味のある名優が混じっています。今回ご紹介する「オオウラジロノキ」も、そんな樹木のひとつです。


写真のオオウラジロノキの葉と実は、先日実習でお邪魔した岐阜大学位山演習林の林内に落ちていたものです。葉の裏側には綿毛が密生し、白っぽく見えます。オオウラジロノキは、名前からするとナナカマドと同属であるウラジロノキと近縁であるようにみえますが、実はリンゴと同じリンゴ属の植物です。実もリンゴと同じように生食できるとよいのですが、かじるとフルーツっぽい感じはするものの、渋くて食べれません。でも、果実酒にして楽しんでいる人もいるようです。






時折林を歩いていると、黄色くなった落葉や、果実によっていつもは気づかないオオウラジロノキの存在に気づくのですが、たいていあたりに別のオオウラジロノキはなく、1本だけ生えています。バラ科の樹木は自家不和合性といって、別個体から花粉をもらわないと果実ができないものが多いことが知られています。それにも関わらず、オオウラジロノキが木一面に実をつけるということは、よほど効率よく離れた場所の別個体から昆虫に花粉を運んでもらっているということかもしれません。



林の主役であるコナラ、アカマツ、ブナなど、みな地味で目立たない花ですが、チョイ役のオオウラジロノキは、花はリンゴの花と同じく派手で見栄えがします。きっと昆虫も立ち寄りたくなるような花なのでしょう。名優にふさわしい樹木かもしれません。

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