2012年7月18日水曜日

木材塗装の基礎(木固めエース)

先日、2年生の「木材塗装の応用」とうい授業で漆の授業風景をお伝えしましたが
1年生は「木材塗装の基本」という授業があります。
この授業では木材の塗装について幅広く学ぶという内容で、
5月にはオイル塗装について学んでいました

そして今回、オイルとは別の塗料をということで、
念願(?!)だった寿化工株式会社の木固めエースについて学ぶことになり、
なんとわざわざ埼玉県から寿化工の技術主任でいらっしゃる秋庭さんに来ていただきました。

木固めエースはウレタン塗料なのですが、岩手県では木製の給食食器に長年使われており、その安全性は確かなものです。
木の食器、木のカトラリーは大変人気があるのですが、
やはりオイル塗装では耐水性・耐久性 ・耐熱性など、様々なところで問題があり、
こまめな手入れが必要になってきます。
一方、漆を塗ればそれらの問題はカバーできますが、着色されてしまうという欠点、
または技術的に難しかったり、設備が必要だったり、難点が多いことも事実です。。
そこで登場するのがウレタン塗装です。
その中でも木固めエースは扱いやすく、かつ実績もある塗料なので、ぜひしっかり学んでおきたいものになります。


まずは、秋庭さんから木固めエースについて講義をしていただきました。
成分は何からできているのか、どういう反応が起きて固まるのか、
固まったあとの性能などをざっと説明していただきました。


それから、実技にはいります。
事前に用意した手板や木の器などに塗っていきます。


オイル塗装とは違い、吸い込みが激しく、器の内側に塗るとすぐに裏に染み込んで行きます。
学生たちを見ていると、やはり実技は楽しそうです。


塗って、3分おいてシンナーを染み込ませたウエスなどで拭き取り、30分おいて乾燥させ、
また塗って、、、、を3回繰り返します。
そして、16時間ほどおいてから水研ぎをして、最後に仕上げクリアを塗って完成となります。
多少手間はかかりますが、これでガンガン使っても大丈夫な食器が出来上がるのです。

この器たちは、塗装が終わったら、森のコテージに納品します。
1年生が作っているスプーンとあわせて、宿泊・食事される方はぜひ使ってみてください。