2013年10月6日日曜日

『ウッドプロジェクト』第2弾 林業再生講座「人工林を考える」

 昨日の山村づくり講座に引き続き、今日は林業再生講座3人衆(田中、渡邉そして中嶋君)がクリエーター科の他講座の学生たちに、自分達の学びの中から「伝えたいことをいかに皆に伝えるか」という授業を行いました。

 今回は、林業再生講座の1年生3名も特別参加しました。

 まずは山県市にある中原林業のスギ人工林を見学します。中原林業は1731年創業の専業林家で、当主の中原丈夫氏は9代目で林業に非常に熱意をもっておられる経営者です。また仕事に対して大変厳しいと方と聞いております。




 出発前のミーティング、今日の目的と行程説明。

徐々に田中君の顔がこわばってきました。


現地に到着。すでに中原当主は我々を待っておられました。

 当主から現状の林業についての話、現状の問題点やその改善点、経営についての考え、現状を憂うばかりではなく新しいことにチャレンジする事や長期的視野で林業を考える事の大切さなど、非常に有意義なお話をうかがいました。

 最初に見学したのは、今春に植林したスギ林。
外からはスギが雑草に覆われて見えません。初年度は下刈りをしないとのことです。


 次は4年生スギ。4年生になると、外からよく見える程に成長しています。年1回の下刈りをします。また、雪起こしやらないと「根曲り木」ができるとのこと。ちょうど隣接する他者所有のスギ林が「根曲り」状態になっていたので、よく理解できました。








 さらに3齢級(15年生)、7齢級(35年生)のスギ林を見て、枝打ちの大切さを感じました。

 最初から学生3人が交互に説明をしたのですが、時々的を得ない場面があり、中原当主の突っ込みがはいりました。当主の補足説明は我々聞く側はもちろんですが、3人衆にとっても勉強になったと思います。

 最後に10齢級と20齢級のスギ林を見学。20齢級林では、広葉樹を植栽して地力向上を目指す試みをしているとのこと。ちなみにこの林は中原林業の伝承林で、およそ300年の歴史が刻まれていることに皆が驚かされました。





 その後さらに奥地に向かい、途中で天然更新のスギを中原当主から説明していただき天然更新の難しさを知りました。横井教授の補足説明も大変参考になりました。











 中原林業の持ち山の全貌が見えるところで中原当主と別れ、向い山にあるスギの人工林とそこへ続く作業道を見ながら弁当を食べました。










 3人衆は緊張から解放され、ようやく笑顔が戻りました。渡邉君もやれやれ!










 

  午後からはアカデミーに戻り、演習林の8齢級のヒノキの人工林を観察。中原林業の同齢級との違いを各自が認識し反省会にて発表。

 反省会においては

「中原当主の印象が強く、林業3人衆の思いがかすんでしまった感がありますが、現役の林業経営者の生の声が聴けて、非常にためになった」との声が多く、長期的ビジョンを持ち、志と覚悟が必要という中原当主の思いは全ての学生が感じたと思います。演習林と中原林業の人工林との違いは、「演習林の最終目的がはっきりしてない。そのため目的に向かった施業がしてないのではないか」との声がありました。


 中原当主、ありがとうございました。また林業再生講座の田中君、渡邉君そして中嶋君の思いは我々に十分伝わりました。ご苦労さまでした。


                        最後に「ワレ林業!」


山村づくり講座2年  天池 信正