実施前から次回開催リクエストを多数いただいている
森のようちえん&プレーパーク指導者研修会
〜道具も肉も自分の手から〜
「自分でつくったナイフで、鹿をさばいて食べる」
が先日開催されました。
ナイフの形になったら次は、刃を研がないといけません。ここでは、普段プレーパークでお世話になっている
その動物の毛皮をなめすのにぴったりの量の脳みそがとれるんだ」と青山さん、大自然の不思議です。
岐阜県はもとより、神奈川、山梨、京都、大阪など
全国各地から集まった参加者のみなさんは、
集合時からすでに皆やる気満々。
20代、30代の参加者が目立ちました。
中にはヒッチハイクで参加してくださった方も!?
また7割の方がアカデミーが初めてということで、
新しい顔ぶれでの楽しく、でもムチャクチャ真剣な
研修会が始まりました。
刀鍛冶の浅野太郎さんを講師にお迎えしてのナイフ作り。
アカデミーのある美濃市のとなり関市は、全国でも有名な刃物の町。浅野さんはその関市で刀鍛冶としての修行をされ現在はご実家のある羽島市を拠点に活動されています。
時には海外でも活躍されているとか!鍛冶の素晴らしさを広く伝えていきたいと考えていらっしゃる素敵な職人さんです。まずは,難しいこと考えずに鉄をたたく体験からスタート。熱されて赤くなった鉄をさめないうちにたたくことを体感してもらいます。まさに「鉄は熱いうちに打て」を体験してもらいました。
しばらく鉄たたきを体験したあとは、いよいよナイフ作りのスタートです。今回使った鋼材は、鉄ヤスリ。古くなったものや、100均のものなどを使ってつくりました。
森林文化アカデミーの構内にトンカントンカンと気持ちいい音が響き渡ります。
ナイフの形になり、焼き入れ作業が終わったのは、暗くなり始めた頃。。
せっかく1日かけてたたいたナイフもこの焼き入れ作業で折れてしまうこともあるとか。。皆さんものすごい集中力で鉄と炎と対話しながらナイフを仕上げていました。
大工さんから手ほどきを受け、
研ぎの基本を教えていただきました。
教わったことを思い出しながら、夜から朝にかけて
参加者の皆さんは自分の手でたたいてつくった
ナイフの研ぎがはじまります。
翌日は鹿を解体するためのナイフが必要なんです。
自分でつくったナイフで鹿を解体したい!
ならばそれまでにナイフを作り上げなくてはなりません。
夜遅くまでと朝早くからの研ぎの甲斐もあってギリギリにナイフが完成!
1本として同じ形のない、
正真正銘「自分の手で創ったナイフ」の誕生です。
いよいよそのナイフで鹿を解体します。
青山さんは、お子さんを背中に背負いながらの登場。
「えっ?彼女がハンター?」とあまりのギャップに参加者もビックリ。
自分で創ったナイフで、命をいただいた鹿を解体する作業。
参加者のみなさんは様々な思いで、そして真剣なまなざして体験していました。
自分でつくったナイフを使っての、鹿の命が肉へと変わるプロセスの体感です。
そしてお昼は、解体した鹿肉をみんなでいただきます。
まさに道具と食がつながった瞬間でした。
食後は、今度は皮なめし。
動物の皮なめしをする方法は世界各地様々な方法がありますが、今回はブレイン・タンニング、つまり「脳みそ」を使ったオーガニックな皮なめし方法で行いました。
鹿の頭から脳みそを取り出し、お湯と混ぜてなめし材として塗り込みました。ここでも作ったナイフが皮に残った肉片を削ぎ落とすのに活躍します。
最後は、輪になってのふりかえり。
「あらゆるもの、人、自然のつながりを実感した」
「子どもたちに形を変えて伝えていきたい」
などというコメントをいただきました。
道具と食も自分で創る体験を通して、自分の中で何かに気づき、それを子どもたちとの活動に活用していただきたいと思い企画しました。
すべてのものが自分たちの手、
そして森をはじめとする自然の素材や生きもを使って
生み出すことができる。
そしてそのプロセスは、本当に素敵で楽しく、
そして人間的な活動であることを
子どもにかかわる指導者に頭ではなく
体感してもらいたかったのです。
また、美濃の文化でもある鍛冶の技術、燃料の炭(松炭)、野生動物である鹿、など様々な「森林文化」のコンセプトが隠されていた研修会でもありました。
あまりにも充実しすぎていたので、
「3日間の研修会にしてほしい!」とか
「こんな学びの空間がもっとほしい!」
というコメントがありました。
講師のみなさん、遠くから参加してくださった皆さん、
本当にありがとうございました。
そして今回参加できなかった沢山のみなさん、
ごめんなさい。
またいつかこうした企画をしていきたいと思います。
自然体験活動指導者・
インタープリター養成コース
なんちゃってせんせい
萩原ナバ裕作