2014年12月2日火曜日

炎を送り、煙をあやつる『残材利用の炭焼き』に挑戦

演習林で伐採したヒノキの未利用材(残材)で炭を焼く


 エンジニア科2年生の「林産物の様々な利用」、今回は演習林にある「炭窯」を利用して、演習
で発生した林地残材の炭焼きに挑戦。

 今回は炭窯設置した15年前に、この窯をつかって炭焼き指導されていた県職員の伊佐治さん
をお迎えして、一緒に楽しく火入れをしました。

 最初に、「燃焼」と「炭化」の違い、本日の作業手中を教室で簡単に学びます。


 炭窯では、事前に入れて降りた薪材の前に、耐火レンガで壁を作ります。この壁は手前で燃や
した火が炭材に燃え移らないようにする壁です。
 下から順次積み上げて、上の方に少し隙間を作ります。


 レンガを積み上げるときには、山で採取した赤土の泥を塗って積み上げます。壁づくりは飴村くん
が一人で担当。 これが第一の壁です。

 第一の壁が出来たところで、全員が次の第二の壁づくりについて相談、そして手の空いている
人は谷水の給水工事、赤土の泥づくり、周辺の清掃を分担しました。



 第二の壁づくりは清水くんや御船くん、補修工事は細江くんが担当、第二の壁は最初にレンガを
両サイドに積み上げて、その上に鉄の板を渡し、その鉄の板にレンガを積み上げていきます。

 この第二の壁の下側で火を焚き、その熱気を第一の壁の穴から窯中に送ります。


 さぁ、いよいよ最初の火入れです。
なんと、学生が木材が湿っている薪を削って薪にしようとしたため、なかなか火がつきません。

 思わず、「こういう時には、乾燥した薪を削るとか、マツの心材を使うとか、乾燥したマツボックリを
つかうとか、知恵をつかえ!」とJIRIが口出し。

 結局、私が渡した乾燥薪の削り出しをくべて、ようやく順調な火が回り始めました。


 焚き口で炎があがると、煙道から13℃の煙が出る。着火時から時間と煙道温度を測定し、グラ
フに記入する。

 温度上昇は初めのうち、1時間で7℃程度しか上昇しませんが、順調に窯の温度は上昇して
いきます。


 窯に火を入れている間に、空き缶とアルミ箔をつかって「炭化とは何か」簡易的に学び
ます。伊佐治さんが木材を空き缶に詰めて、アルミ箔を二重に掛けて、その中央に小さな穴を空
けて、カセットコンロに置き、火をつけました。

 しばらくするとアルミ箔の穴から煙が出てきました。この煙は可燃性ガスであるため着火すると
炎をあげます。

 約15分ほどして、炭化を終えると、なんと簡単な炭ができあがりました。
 


 さて、今日は炭化に至る温度まで窯温度が上がりませんでしたので、一端窯の蓋をして、明日
から再挑戦です。

 そこでゼミ室に戻って、再度、炭焼の復習です。講義 → 実習 → 講義 → 実習の繰り返しに
よって、どんどん学びが深くなります。
  

  一週間後には見事な炭ができあがる予定です。お楽しみに!

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。