2014年12月2日火曜日

世界文化遺産白川郷に学ぶ


1127、山村づくり講座の12年生合同の実習がありました。1年生は「エコミュージアム概論」2年生は「文化的景観論」と別々の授業ですが、世界文化遺産の白川郷荻町集落でそれぞれの学びの視点から実習を行いました。

まず、午前中は白川村役場で教育委員会文化財係の松本さんに、白川郷が世界文化遺産に登録されるまでの経緯や、住民との連携の取り方、今後の課題などについての講義を頂きました。


 
白川郷が世界遺産に登録されるまでには「白川郷荻町集落の自然を守る会」という住民によって設立された団体の活動、行政側のバックアップ、地域住民による協力等の様々な人の努力がありました。その仕組みや当時の説明を12年生ともに真剣な表情で聞いていました。


 
午後には「白川郷荻町集落の自然を守る会」の現会長であり、集落内にある国指定重要文化財「和田家」のご主人、和田さんに「白川郷荻町集落の自然を守る会」の活動についてお話をお聞きしました。



 
「白川郷荻町集落の自然を守る会」が設立当初に定めた住民憲章は4つの原則からなっています。

 1. 保存の原則…地域内の資源を「売らない」「貸さない」「壊さない」

 2. 自然環境を守ろう

 3. 合掌家屋を守ろう

 4. 風習(伝統)を守ろう

以上の4つが原則となっていますが、これは法的な拘束力のあるものではなく、集落を維持するために住民の協力により守られているものです。

 
 
 


「白川郷荻町集落の自然を守る会」の会員は荻町集落に住む住人全員ですが、活動は集落内に7つある組の代表者と各種団体(青年会、女性会、各業種営業団体)の代表者が委員を務めます。集落内の建物を改築したい場合などは、この委員会が申請者から集落内の建築物の改修申請(現状変更申請)を受け、住民目線での審議をした後、教育委員会に意見書を添えて提出するというシステムです。

守る会も行政も「世界遺産としての景観を維持する」という目的のもと、連携のとれた活動ができているということです。

和田さんが最後に「人と人のつながり、コミュニティ=結(ゆい)で守っている」という言葉が心に残りました。


報告:山村づくり講座 1年 とうりょうこと前原融