2015年8月17日月曜日

特定の樹種が冠につく伝統的工芸品「一位一刀彫」の今とこれからを紹介するセミナー終了

アカデミーでは、森のめぐみである森林資源を今後如何に活用していくか?現状の樹種ごとの森林蓄積量が、どのような状況なのか?森林空間イコール林業だけではない、森林利活用の道を模索してきました。その蓄積量の危機的状況の樹種がイチイなのです。

そのことを広く知って頂くためのイブニングセミナーでした。
当日は定員をオーバーし、遠くは、京都や滋賀から岐阜市の最新施設ぎふメディアコスモスへお集まり頂けました。

高山からお呼びした二代小坂礼之さんと、当日お持ち頂いた作品です。なんとスコップの中までリアルに彫り込まれています。






驚いたことにイチイ材のサンプルをお願いしたのですが、手元になく先輩にお借りしてきたとのこと。
手前は、松井が用意した、日本人が心の支えとした仏像に選んだ樹種サンプルの数々。
仏教が日本に入り、先ず選ばれた樹種がクス。その後はカヤ。平安時代になるとヒノキが主流になっていきます。仏像をつくる香木であったビャクダンが日本には無く、代わりに選ばれた樹種たちは、ビャクダンに負けず劣らず香りが良く、しかも彫り易い木でありました。

そして、左奥が小坂さんが先輩にお借りしたイチイ材です。
小坂さんによると、「イチイが兎に角彫り易い。」そうです。
当に適材適所なのですね。選ばれる理由があることを実感しました。



イチイ材が使用できる大きさになるまでには、なんと最低〇〇年の成長年月が必要だそうです。
400年後というと2415年
地方創生が叫ばれ、増田レポートが発表され、今を生きる私たちに何ができるのでしょうか?
小坂さんは、今、目の前にある様々な樹種を使い、魅力ある作品制作魅力ある活動をめざし日々努力されているとのことです。
イチイの丸太からどのように木取されているのか?
小坂さんは、異業種の方との交流も積極的にされているとのお話でしたが、先日以下の通り嬉しいお便りを頂きました。広く森林利活用のこれからにつながるヒントとなることを願いご紹介致します。

松井勅尚



拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、私ごとで大変恐縮ではございますが、平成25年5
月より参加しておりました『貝桶制作プロジェクト』が今年6月
をもって完了し、プロジェクトの内容が この度TV 放映される
こととなりました。
私二代小坂礼之が関わる部分は、僅かですが、プロジェクト
参加メンバーが最高の仕事をさせていただいた内容になって
いると思います。
下記に放映日時を記させていただきましたので、よろしかった
らご覧いただきたくお願い申し上げます。
                                 敬具
          -記-

NHK 放送(E テレ)
・ ETV 特集 8月22 日(土) 23:00~
・ 日曜美術館 9月6 日(日) 9:00~

(予定となっておりますので日時変更がある場合がございます)