アカデミーは一応夏休みとなりましたが、学生たちはここぞとばかりに、行きたかった所、見たかった所へ散ってそれぞれの活動を続けています。
私もずっと行きたかった奈良県の吉野にある
阪口製材さんに行ってきました。

この日は一日、代表の阪口浩司さんにご案内していただきました。
案内していただいた広大なストックヤードにはたくさんの木材が置いてあり
長いもので6~7年乾燥され使われるときを待っています。

木は使うためには乾燥している必要があります。
乾燥には電気や石油などのエネルギーを使用した人工乾燥と
一定期間、屋外や屋根下に置き自然に乾くのを待つ天然乾燥があります。
現在(森林林業再生プランにおいて)、主流となっているのは乾燥期間の短い人工乾燥(高温乾燥)なのですが、
阪口製材所では木の性質や良さを生かしたいと、
広大な土地に、膨大な量の木材をストックし、1年半以上の時間をかけて
天然乾燥をしています。

割れてはいましたが、こんなに大きなものもありました。
大きさにかかわらず、どれも年輪が細かく、
何年も前から大切に育てられてきたことが分かります。

また製材品だけではなく、製材するときに出る端材や、
山から間伐されることで出てくる価値のつきにくい材も扱い、
山にできるだけお金が戻る取り組みもされていました。
吉野の木で立てられた吉野サロンでは、建築の学生たちと先生が興味津々に細部まで見ていました。

さまざまな樹種が使われていて、それぞれの木が実際に使われている姿を見ることができました。

「この窓の製品番号は…」などの会話も聞こえてきます。

浩司さんが何度も話された
「一本の木を余さず使う。」
「山を守る。」
「胸の張れる製品を。」
の言葉はとても深いものでした。
この日一日で、さまざまなことを学びました。
私の場合、「胸を張れる製品」を作れるように
まずは「心」から鍛えなおさなければならないようです。
エンジニア科2年 木のコース 近藤