2011年9月9日金曜日

タマムシいてました

今年も夏休みの終わり近くに「森林保護学実習」という授業を開催しました。
この実習では主に樹木の病虫害について、その被害状況を観察したり、調査を
行ったりしています。
昨今問題となっているナラ枯れやマツ枯れについても、この実習を通して学ん
でもらうのですが、それ以外に何かネタはないかと事前に探したりしています。

すると、学校近くの公園に植栽されているマテバシイがことごとく枯れてしま
っていました。昨年、別の場所でナラ枯れが原因で枯れているのを確認してい
るのですが、これはどうもそうでは無い様子です。そういえば春以降、(常緑
樹であるのに)葉がついているのを見た記憶がありません。どうやら剪定の時
期と強度に問題があったのではないかと思い至りました。
でもこれは推測に過ぎないので、本当のところはわかりません。

それはともかく、こういった枯れた木が生じると、それを利用するさまざまな
生き物たちがやってきます。とくに幼虫時代に木材を食べる昆虫たちがその代
表的なもので、その代表選手はカミキリムシやキクイムシ、ゾウムシ等の仲間
です。
この枯れたマテバシイにもそういった虫がやってきていないかと少し見て回る
と、なにやら光り輝く虫がいました。

110908-tama1.jpg
玉虫厨子で有名なタマムシです。
枯れているマテバシイを見て回ると複数の個体を見ることができました。
いずれもメス個体で、産卵にきているようです。タマムシの成虫はエノキやケ
ヤキの葉を食べるのですが、幼虫はそれらの樹種も含め様々な広葉樹の枯れ木
を食べるようです。
��先にあげたカミキリムシなどの幼虫も含め、材に穴をあけて成長する虫たち
を「穿孔性昆虫」といいます)
観察していると、樹皮の裂け目をお尻の先で探りながら歩いています。

110908-tama2.jpg
そして時々立ち止まって、産卵をしている様子でした。
タマムシはこれまでに何度か見たことはあるのですが、産卵するところを見た
のは初めてです。これだけのメスが集まって産卵しているのだから、数年後に
は沢山の成虫が羽化してくるはず。。。なのですが、ここは公園。これらの枯
れ木はいずれ伐られて処分されてしまうに違いありません。
「他の場所の方がいいよ~」と心の中でつぶやきながら写真を撮ったのでした。

う~ん、それにしてもきれいですね。