2011年9月9日金曜日

秋の訪れ??

寝苦しい夜もここしばらくは無くなって、ようやく秋の気配が感じられ始めました。
でも紅葉はもう少し先のはず、なのですが。。。

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通勤の途中のモミジバフウの並木です。森林文化アカデミーのある美濃市の隣町、
関市の市役所周辺道路に植栽されています。
なにやらもう色づき始めているようですね。

でもじつはこれ、虫による食害なのです。
犯人はアメリカシロヒトリという戦後に北アメリカからやってきた蛾の一種です。
ここでは数年前から被害が目立つようになってきました。
先日、大手新聞社の記事にもされておりましたが、こうなってしまうと美しい並木
も価値が薄れてしまいますね。

せっかくなのでタマムシの記事で紹介した「森林保護学実習」の授業のなかで、8
月の終わりに学生たちに一本一本調べて歩いてもらいました。
すると、約600本もの木が多かれ少なかれ被害を受けていることがわかりました。
丁度、そのときには幼虫も観察できたのですが、それらは蛹になる直前の終齢幼虫
でした。アメリカシロヒトリは、国内では年2回発生するものと年3回するものの
��パターンの生活史が知られていて、岐阜あたりはその境界にあたります。観察さ
れた幼虫は時期からすると今年2回目の発生のものと考えられました。さて、ここ
では今年中にもう一回発生が見られるのかどうか、興味深いところです。
また調査してみると、被害の程度に偏りがあり、被害が激しいところ(たとえば写
真の右側の並木)と、そうでもないところの差が極端でした。その要因は何なのか、
今のところ不明のようですが、これも調べていくと面白そうですね。