2011年10月14日金曜日

森林文化アカデミー 短期技術研修 意見交換会

平成23年度 岐阜県立森林文化アカデミー
短期技術研修に関する意見交換会」を開催しました。

参加者は県下各地の木造建築の専門家や建築士、保母さん、NPO団体の方、そして岐阜県庁から林政課森林づくり担当課長補佐、緑化運動担当課長補佐、県産材流通課需要拡大担当課長補佐、それに森林文化アカデミーの篠田学長以下、担当職員です。

昨年までは同じ会議を2月に開催していましたが、そんなに遅く開催しても来年度の事業に反映できないことから、事業半ばではありますが意見交換会を開催したのです

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最初に平成22年度と本年23年度の短期技術研修での研修実績を報告します。研修実績としては開催科目は減少しているものの、開催日数は増加しています。研修を施業プランナー、木造建築、木育(森のようちえん含む)を主体として実施している。
平成22年も23年も、「はじめて参加」が過半数を占め、評価が高い。但し、台風で急遽一日の講座が半日で終了したことに対する不満もあった。などの報告がなされました。

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次に、過去にご意見を頂いた項目に対して、どのような対応をしてきたかを報告しました。
木造建築ではニーズのあった「スギのスパン表」について研修を実施。木育では22年に要望があった項目を「森のようちえん指導者研修」として実施。連携研修の必要性では、行政連携やNPOとの連携も実施。参加しやすい曜日設定に対しては、平日や土日の関係なくランダムに開催実施。研修内容の不明確さに対しては、サブタイトルなどによる改変を試みたことを報告しました。

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そして、ここからが肝心の「意見交換会」です。
県民から、行政から、各々ご意見を頂きました。

1.木造建築の分野では(一部紹介)
��1)グレーディングされていない市販流通している部材の強度などのデータが欲しいので、そうした研修をして欲しい。
��2)建物の結露計算などまで踏み込んだ研修が欲しい。
��3)県産材の利用拡大を狙う上で、実際流通している含水率や強度などバラつきのある材を用いた研修を実施して欲しい。
��4)木構造の専門家を育てるような研修を実施してほしい。
��5)建築士会の研修との棲み分けをして欲しい。 などの意見が出ました。

2.木育関係では
��1)森のようちえん指導者研修で、「この山を誰が、どのように管理してくれているのか」を考える機会を得たので、「森がどのように管理されて今の森があるのか」を学びたい。
��2)自分たちの活動する場所での研修を受けたいので、「出前講座」みたいなものは企画できないか。また同じ研修会の「複数開催」はできないか。
��3)3日間通しの研修で、手渡された山に持って行く弁当が「幕の内」であったのは運搬上も困った。今後は山で持ち歩きしやすい弁当を用意して欲しい。
��4)アカデミーの施設は連携するNPOにとっても施設・宿泊とも非常に価値があるので今後も開催したい。

3.行政からの意見
��1)4年前から比べると、アカデミーの研修は格段にグレードアップしているし、生涯学習との棲み分けも明快である。
��2)アカデミーは専修教育第一であるが、短期技術研修はその次に重要な項目である。
��3)意見交換会を分野別に、施業プランナー、木造建築、木育で開催してはどうか。
��4)「木育」の認識も高まってきたが、中濃や岐阜地区に偏っているため、東濃や飛騨、揖斐などへの「出張講座」も検討して欲しい。
��5)建築は量から質への転換が求められているので、省エネ、ゼロエネに対応する研修を検討してはどうか。
��6)構造の建築士をつくる流れをつくって欲しい。


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●研修のターゲットの絞り方などについて
・裾野を広げる意味で、回数を増やすのか。生涯学習との差別化の問題がある
・短期技術研修のPRはあまりオープンでない。案内方法を検討して欲しい。
・同じ研修でも「複数回開催」して欲しい。
「木育のプロ」登録制度みたいなものをしてそこをターゲットにPRできないか。
・時代にタイムリーな研修を実施してほしい。
・裾野を広げるなら「工務店」を的にした興味を持ってもらうための研修を実施し、問題意識を持たせることも重要。
・「木のおもちゃ」の遊ばせ方を、指導者に指導して欲しいという依頼もある。

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以上、まだまだ書ききれないような有効なご意見がありました。

森林文化アカデミーは、こうした意見をもとに、来年に向けて更なる研修改変をして行きます。どうか皆さんご期待下さい。

以上、報告 ジリこと川尻秀樹でした。