2011年10月14日金曜日

「身近な森の手入れ・入門(スギ・ヒノキ人工林編)」の方法とは

生涯学習講座で「連続講座2身近な森の手入れ入門2回目「スギ・ヒノキ人工林編」」が開催されました。
「連続講座2」とあるように、この連続講座は3回の講座で構成された講座です。
��回目は基礎講座として「樹木を見分ける~樹木の観察と見分け方」を行いました。
身近な森を手入れするためには、樹木(植物)を知る必要があります。
そのためには、植物の種類を判定する「同定」が必須となります。
名前の分からない植物を正しく「同定」するために、樹木の見分け方のコツと植物図鑑の使い方をマスターすることを目的に実施されました。
��回目にて基礎知識を得ていただいたところで、今回の2回目が行われました。


まずはオリエンテーションとして参加者の自己紹介を行いました。
みなさん森林に関心を持っており,すでに身近な人工林の手入れを体験されている方もおられました。

そして、日本の森林の状況についての説明を行いました。
日本の森林の半分程度をスギ・ヒノキといった人工林が占めており,手入れ不足による森林の荒廃が問題となっています。
間伐不足の森林は,林内に光が入らず表土の流出が起きること,表土の流出を防ぐためには,林内の下層植生が光不足で無くなる前に間伐を実行することが重要です。

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次に,外での間伐作業に先立ち,伐倒の手順や安全管理について,一通りの説明を行いました。
林業を専門にやっているプロでも,ボランティアとしてやっている方でも,作業に慣れて慢心すると事故が起きます。
常に謙虚な気持ちで作業を行うことが大事です。

演習林では,まず作業を行う前に,準備体操を行いました。
準備体操をしっかりすることで,筋肉がほぐされ怪我に対する備えとなります。

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次に,デモで1本のヒノキの伐倒を行いました。
以下の手順について,実際に作業しながら説明を行いました。

��.伐倒木とその周囲の観察
 伐倒木の重心などを観察し伐倒方向を検討します。
 その後,退避場所や周りの安全を確認します。
��.伐倒準備
 伐倒作業に支障がある枯れ木や雑木,浮石等を除去します。
 また今回は,ハシゴをつかってロープを事前にかけ,伐倒木の重心移動の補助や,
 かかり木になった際に引くことができるようにしました。

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��.安全確認
 4つの安全確認をしっかり行います。
 「伐倒木の上部」「伐倒方向」「退避方向」「伐倒木の周囲」
��.受け口の作成
 伐倒木直径の4分の1~3分の1の幅で受け口を作成します。
 作成した後は,適切な方向に受け口が作成できているか,再度確認し,ずれている場合は修正します。

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��.追い口の作成
 再度,安全確認を行い,周囲に危険を知らせた上で追い口を入れていきます。

午後から,3班に分かれて伐倒作業を行いました。
まずは,ロープワークの練習です。木にロープをかけるため,もやい結びの練習を行いました。

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次に道路際の若い木の伐倒を行いました。直径が細いとはいえ,適切な方法で受け口と追い口を入れて,
狙った方向へ正確に伐倒することが必要です。
ロープをかけて,確実に倒します。
みなさん,一生懸命ノコギリを使いながら,汗をかいていました。

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次に斜面に移動し,平地よりも難易度の高い伐倒を行いました。
木がより太く,林内も込み合っているため,簡単にはいきません。
チームで伐倒方向を考え,受け口を入れる位置を決めていきます。
倒す空間の有無,枝張りの程度,倒した後の集材のしやすさなどを総合的に考えながら,方向を決定します。

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倒した木は谷沿いに集積です。

最後は,軽く体操しながら体をクールダウンさせました。

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最後は人工林の手入れの必要性,安全作業について総括を行い,講座を終了しました。
身近な森林の手入れについて,汗をかきながら,その必要性や作業の方法について理解して頂けたと思います。


��次週には3回目「里山広葉樹林編」が開催されました。)