2012年9月24日月曜日

国内の先進林業事例で恵南森林組合を訪問 ヘリコプター集材の現場も!

 クリエーター科 林業再生2年生の科目 「国内の先進林業事例」 というジリの授業で、恵那市上
矢作町にある恵南森林組合を訪問しました。

 この科目は学生が、「自分たちが勉強のために行ってみたい事業体などを訪問する」授業で、
今回は恵南森林組合専務の大島徳雄さんと施業プランナーの戸根伸剛さん、特殊伐採チーム
リーダーの藤岡正也さんに午前中はお話を伺いました。
 午後からは、大島専務さんと戸根さんに、ヘリコプター集材の現場や搬出間伐現場、作業路開設
の現場に連れて行ったもらいましたので、その概要を報告します。



恵南森林組合は短期間に組織内のモチベーションを高め、足下から技術を固め、進化してきた
森林組合として全国的に有名であり、その内容は現代林業2010年11月号、12月号に東京大学の
酒井秀夫先生が記されておられますので、ここでは割愛します。

 また、恵南森林組合は、東日本大震災の復興支援として、3月22日~8月12日にわたって、林業
用グラップルと燃料を持参して被災地復興につとめたとして注目を浴びた森林組合でもありま
す。

 室内ではどのように意識改革をし、赤字財政をどのように黒字転換したのか?毎年見直しする
組織などについても詳しくお話を伺いました。


 さて、午後からは現場です。

最初に朝日航洋さんによるヘリコプター集材の現場に行きました。


 ここでは800kgまで荷揚げ可能なヘリコプターで全幹集材をし、それをプロセッサーで造材し
積み込んでいました。いろいろお聞きした詳しいことは記せませんが、現場は国有林のヒノキ
材で、25haで2,290m3の出材を予定しています。
 なお、ここでは巻たて入札をしており、県森林組合連合会が落札していました。

次に、上矢作町の道の駅に設置してある林業と建設業のコラボによる施業地を見学しました。


ここは平成19年から20年にかけて、林建協働で国道に面した人工林に作業道開設と間伐を実施
した現場です。
 ちょうど道の駅の前なので、駐車帯から林分を見渡すところに開設版を設置して間伐をアピール
しています。この林を見た愛知県の人たちからは、「自分たちの山もこのようにきれいにして欲し
い」と依頼が来たそうです。

 やっぱり、いくら良いことをしていても、万人に理解される情報発信が必要ですよね!

 次に行ったのが、白山神社所有林の間伐です。





 ここはほとんど無間伐に近い状態のヒノキを主体とした林で、森林所有者側からは現金収入が
主目的の依頼が来ています。しかし、恵南森林組合としては、お金も重要だが健全な森林も重要。
そうした考えを所有者に伝え、そのための間伐施業をしていました。
 ここでは今年、ドイツの林業を勉強行かれた横光さんが、プロセッサー処理をし、他の2人がウイ
ンチ付きグラップルで全木集材していました。
 この作業にあたられている森林技術者の皆さんは、考えがしっかりしており、信念を持って仕事
をしていることが良く伝わってきました。

 次に見学したのが作業道開設です。





ここでは作業路開設のスペシャリスト原田さん、作業路開設のポイントなど、写真下側の多機能
フィルターなどについてお話をお聞きしました。ちなみに、原田さんもドイツまで勉強に行かれてい
ます。

 ローラーを使っていないのに、すごくてん圧された路面、排水を考えた路面線形、排水ポイントで
の多機能フィルターの設置など、様々な転で常に考えておられる姿は学生も感心していました。

 とにかく「このブログでは書ききれないような知恵と努力が、恵南森林組合にはあるのだと感じ、
現場を後にしました。今回お世話になりました恵南森林組合の皆様、本当に有り難うございまし
た。

 以上報告、ジリこと川尻秀樹でした。