2013年3月23日土曜日

農山村サポーター交流会in岐阜(後編) 課題整理と今後に向けたプラットフォームづくり


早起きした参加者は喫茶店の「モーニング」を楽しんだ後、8時半から2日目のプログラムが再開しました。前夜に整理した「課題カード」の分析結果を東京から来た大学生の斉藤和輝くんが報告。続けて「過疎地域における地域サポート人材の役割と可能性」と題して、法政大学准教授の図司直也先生から基調講演がありました。






まず、「地域サポート人材」と呼ばれる過疎地域への人的支援制度が創設された背景と制度の意義や特徴について解説された後、実際に地域おこし協力隊を受け入れた地域の事例を分析しながら、4つの論点が整理されました;①支援人材と行政との役割分担、②集落状況に応じた「支援」の方向性、③「協力隊」志望者の2類型~田舎暮らし指向型と開発・起業志向型、④「協力隊」任期後の動向。最後に「農山村再生の方向性とサポート人材の役割」として、多様化するサポートのかたちに対応するための主体・対象・手段の明確化と役割分担が示唆されました。お話にひきこまれて、あっという間の1時間でした。


いよいよ最後のセッション「ワールドカフェ方式の全員参加型討論」では、会場内に10ヵ所のテーブルを配置して、(1)農山村サポーターを目ざす人を広げるには、(2)農山村サポーターと受入れ地域のより良い関係づくり、(3)農山村サポーターによる地域づくりへの貢献のあり方、(4)農山村サポーターのキャリア形成を考える、(5)無題=自由テーマ、について話し合いました。2日にわたる交流で充分に暖まった参加者たちは、「スタート」の合図と同時にものすごい勢いで話し始めました。20分×3ラウンドの討論が終わり、各テーブルから要点が報告された後、4人の助言者(地球緑化センターの熊崎惣太さん、NPO法人ソムニードの竹内ゆみ子さん、アカデミーの原島幹典教授、図司直也先生)から総括コメントを貰って、2日間の交流会を締めくくりました。


内容ぎっしりの2日間プログラムでしたが、参加者アンケートの満足度は高く、「県立の教育機関である森林文化アカデミーが農山村サポーターのネットワーク支援や人材育成を担うことは相応しく、今後も続けて欲しい。」との声をいただきました。次回はより参加型の実行委員会を持ちながら、現場の隊員や行政担当者の皆さんに役立つような企画と準備を進めて行きたいと思います。



報告者:嵯峨創平(山村づくり講座教員)