施業プランナー育成研修の第6回目、今回は森林研究所の池戸技術主査、臼田専門研究員、和
多田専門研究員、普及員の小島技術課長補佐、高井技術課長補佐を指導者に迎え、前回室内で
線形設定した地図を元に、現場の線形踏査です。
図面上の線形と実際に踏査するところを見比べるため、GPSなども活用して線形を踏査して行き
ます。
現場ではハンドレベル、赤白ポール、そして巻き尺、スラントルールを活用して縦断勾配追いを
して行きます。
作業路の入り口は林道です。
線形踏査の最初に谷越えがあります。 さて、谷はヒューム管で越えるか。
洗越しで越えるか。
ここでは谷越えの土盛り(土かぶり)が少ないので、コンクリートの洗越しを設定することと
なりました。
ハンドレベルは勾配10%程度を基準に、約20m間隔で勾配追いをしますが、変化点では細かく
勾配追いします。
途中、縦断は50~100m間隔で波形縦断(波形線形)にして、路面の流水による洗掘を防ぎま
す。
スラントルールと赤白ポールで、切り土と盛り土の確認をします。
線形踏査の途中で「タナ」を見つけたときには、縦断勾配を逆追いして、より安全な線形を踏査
して行きます。
ヘアピン設定は緩い尾根が鉄則です。 半径6mでヘアピンを設定するとどうなるのかを、図に書
いて確認です。
縦断勾配の杭、半径6m、最低でも12m以上の幅が必要。・・・・
ヘアピンを伐った後の縦断勾配は14%と少し急にして、下側の道からなるべく早く離すことで、
路体が弱るのを避けます。
森林研究所の長屋技術主査が考案した「ヘアピンくん」を使えば、現場での予測が簡単に判り
ます。
これは優れものです。
途中、計画線形と現地踏査の路線がどれほど違うのかを、GPSで確認しました。
現場に来てみると、岩盤層や崖錘など、図面で判らないものが次々と発生し、計画変更続出です。
路面の水切りは安定したところで実施し、崖錘では設定しない。
崖錐で切り土すると、際限なく崩落してくる可能性がある。崖錐では盛り土中心で・・・
こういう谷は直角に線形設定することが重要!
深い谷では大きな現場岩石を下に入れて、その上に岩や石で埋めて、洗越しにすることもある。
さて、暑い中での線形踏査でしたが、今回の現地踏査データとGPSデータなどを駆使して、カシミ
ールによる更なるステップアップを目指しましよう。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。