クリエーター科林業再生講座2年生の実習で、郡上市大和町の人工林を訪ねました。
最初は、ヒノキ100年生の林。
「この林の本数密度や蓄積は?」
「800本、1000立米」 おいおい、そんなにあるか。
「木材生産林としての評価は?」
「枝打ちしてある元玉と2番玉は期待できる」
「でも小曲がりがある」
「細い木が多いかも」
「公益的機能は発揮できている?」
「下層植生があるので、水土保全機能はOK」
「これまでの施業は適切だったか? こうしたら良かったということはない?」
「樹冠長率が小さい。もっと間伐した方が良かったんじゃない」
「この林は、地域のヒノキ林の目標としてふさわしいか?」
「胸高直径40cm越えの木が多いし、 いいんじゃない」
「うーん、・・・」
「この林は、今後どう取り扱うのがよいか?」
「樹冠長率が小さくて今後の成長が期待できないから、皆伐して、再造林」
ほんとに成長が期待できないか、きちんと判断する必要があります。
その判断に基づいた選択肢を上げ、その中から取り扱いを決めることが大切です。
山に入ると、見ること・考えること満載です。
日頃から問題意識を持って森林を見ること、そして考えることをくせにしてください。
次に見たのは、列状間伐したスギ人工林です。 この林は、間伐直後に冠雪害を受けてしまった林です。
冠雪害で穴が空いたところの植生を観察します。
「これ、針広混交林を作ると言ってやってる強度間伐のようなものだよね。何か更新してる?」
「 高木性の樹種はない。このままでは針広混交林にはならない」
「これと同じように、まずは少し穴を空けてみて、更新の可能性を判断するのはどう」
ナイスな意見です。
最後に、二段林を造成した場所をいくつか見ようと思っていたら、雷雨が。
しかたなく、1箇所だけを道ばたから観察。じっくり観察できないのが残念。
目的なき二段林の問題を話し、大和の現場をあとにしました。
by 横井秀一