2014年9月12日金曜日

人工林施業あれこれ ~ヒノキ高齢林・スギ列状間伐・スギ二段林

 クリエーター科林業再生講座2年生の実習で、郡上市大和町の人工林を訪ねました。

 最初は、ヒノキ100年生の林。


 「この林の本数密度や蓄積は?」

   「800本、1000立米」  おいおい、そんなにあるか。

 「木材生産林としての評価は?」

   「枝打ちしてある元玉と2番玉は期待できる」
   「でも小曲がりがある」
   「細い木が多いかも」

 「公益的機能は発揮できている?」

   「下層植生があるので、水土保全機能はOK」

 「これまでの施業は適切だったか? こうしたら良かったということはない?」

   「樹冠長率が小さい。もっと間伐した方が良かったんじゃない」

 「この林は、地域のヒノキ林の目標としてふさわしいか?」

   「胸高直径40cm越えの木が多いし、 いいんじゃない」
   「うーん、・・・」

 「この林は、今後どう取り扱うのがよいか?」

   「樹冠長率が小さくて今後の成長が期待できないから、皆伐して、再造林」
 
     ほんとに成長が期待できないか、きちんと判断する必要があります。
     その判断に基づいた選択肢を上げ、その中から取り扱いを決めることが大切です。


 山に入ると、見ること・考えること満載です。

 日頃から問題意識を持って森林を見ること、そして考えることをくせにしてください。



 次に見たのは、列状間伐したスギ人工林です。 この林は、間伐直後に冠雪害を受けてしまった林です。


 冠雪害で穴が空いたところの植生を観察します。

 「これ、針広混交林を作ると言ってやってる強度間伐のようなものだよね。何か更新してる?」

   「 高木性の樹種はない。このままでは針広混交林にはならない」
   「これと同じように、まずは少し穴を空けてみて、更新の可能性を判断するのはどう」

     ナイスな意見です。 



 最後に、二段林を造成した場所をいくつか見ようと思っていたら、雷雨が。


 しかたなく、1箇所だけを道ばたから観察。じっくり観察できないのが残念。

 目的なき二段林の問題を話し、大和の現場をあとにしました。


  by 横井秀一