2014年11月6日木曜日

竹林は次世代資源の宝の山



岐阜市椿洞の民有竹林をお借りして、エンジニア科の「森づくり実習」と、クリエーター科山村づくり講座の「里山プロジェクト実習」の合同実習を行いました。

当地は数年前から実習地に使わせていただいており、山主さんからも信頼を得られ、ミカンの差し入れまでいただきました。みないっそうモチベーションが高まります。

今回は、竹林の密度調整(間伐)により発生した竹材を人力で運びだし、チッパー機により粉砕し、竹チップにするところまでを体験します。

指導は㈱バンブーJAPAN代表 亜岐さんです。 授業の指導やインターンシップ受け入れ、タケ資源活用に関する学生研究のアドバイスなど、たいへんお世話になっている方です。




まずはいつもの通り、準備体操です。





初めに、教員からタケの年齢の見分け方、伐り倒し方、枝の払いかた等指導を受けます。

次にグループに分かれ、実習をしました。

クリエーター科は、高木性の有用広葉樹種を残し、侵入してきた竹やパイオニア樹木を除伐する目的とした施業を行います。

一方のエンジニア科は、タケノコが発生するくらいの密度にすることを目標に、混み合ったモウソウチク純林の間伐をします。

 
 
 
伐倒した竹を3~4mに玉切りし、集積場所まで運びだします。
 
 



午後は、亜岐講師による、チッパーの説明と、投入時の注意点について指導を受けました。




チッパー機に竹を投入します。
「バリバリバリ」という大きな破砕音がして、香りの強いチップが噴出します。






かなりたまりました。
山主さんは、この竹チップを1年~2年寝かして、畑にまいたところ、作物の出来や味が格段に良くなったとのことです。特に果樹には甘みを増す効果があるようです。
副産物?として、カブトムシの幼虫の棲み家にもなるそうです。






亜岐さんによると、タケは繁殖力が非常に旺盛なため、再生に要する時間が5年程度と短いため、再生産性の高い生物資源であることと、その繊維の強靭さやパウダー処理・成型加工等により、石油由来のプラスチック成型品の代替え素材として十分な性能を有するため、コスト面さえ抑えられれば、再生可能な環境負荷の低い次世代資源として、大いに期待できるものであるとのことです。
経済成長が優先され、温暖化対策が停滞する中、タケはその両者を解決に導く夢の資源かもしれません。  原発問題や環境問題解決のヒントがこんな足もとにあるなんて、驚きつつ、なんだか希望を感じる一日でした。

                                     文責  指導担当教員 原島