2014年12月20日土曜日

生涯学習講座「里山の文化を伝える~明宝歴史民俗資料館の分散展示づくり」


2年目となる「明宝歴史民俗資料館の分散展示づくりワークショップ」を、今年は明宝公民館と森林文化アカデミー生涯学習講座の共催で実施しました。

第1回の10月7日は、展示ってなに?、展示にはどんな手法があるか?といった導入講義の後、地元住民を主体に外部ボランティも加わった3チームに分かれて、資料館の実物資料を見ながら「展示テーマ」を検討。第2回の10月14日は、実際の展示場所を想定しながら各チーム毎に「展示プラン」を作成。今年の展示場所とテーマは、道の駅明宝に「お米」の展示、ななしんぼカフェに「子育て」の展示、そして明宝温泉・湯星館に「木質エネルギー」の展示と決まりました。


それから約2ヵ月、3チームそれぞれに制作作業をすすめて完成した展示を、12月7日に村民文化祭である「明宝フェスティバル」でお披露目しました。

ななしんぼカフェの「赤んぼうを育てる(ひとねる)」展示はいち早く完成し、カフェに訪れる女性客に格好の話題を提供していました。制作チームも女性中心で、展示づくりをしながら昔の子育ての道具を(自分が子どもの頃に)使った記憶や、最近の子育て事情や新しい用具のことなどを、楽しげに情報交換していました。

 



道の駅に展示された「お米展示」は、明宝の特産品である「日出雲(ひずも)のめぐみ」の新米と隣り合わせに設置され、お客さん達は昔の米作りや食文化を表す道具類を、興味ぶかそうに見ていました。




明宝温泉に展示予定だった「木質エネルギー」展示は、湯星館の設備を新型の薪ボイラーに交換する工事のため閉館中で、この日は公開できませんでしたが、12月18日のリニューアル・オープンに合わせて公開予定です!



おまけに一つ、「分散展示づくり」と並行して、明宝中学校で実施している「聞き書き授業」の成果も、この日「明宝フェスティバル」の舞台上で発表されました。地域のお年寄りに中学生が聞き書きしまとめた『中学生版・奥美濃よもやま話』を、語り手の方だけでなく昔を知る聴衆に大好評でした。


 
こうした地道な活動を積み重ねながら、明宝歴史民俗資料館は「明宝の里山文化を伝える拠点」として、現在の地域づくりやコミュニティ活性化の基礎を支える存在になっています。森林文化アカデミーの教員や生涯学習講座も、そのパートナーとして息長い活動をしていきたいと思います。


記: 山村づくり講座 嵯峨創平