2015年11月17日火曜日

ミシュラン・グリーンガイドの1つ星のまち 美濃

住民主体のまちづくりを学ぶ


 クリエーター科1年生が学ぶ『地域活性化概論』、メイン講師は森林文化アカデミー
客員教授で元美濃市長石川道正さんによる講座も回数を重ね第6回目、

 今回は、
歴史まちづくり事業歴史的建造物の活用(空き家の活用)、修復と自然災害(地震)について
学びました。

 最初に、まちおこしの行動パターンについて、マズローの欲求の発展段階説、レビンの法則

市民力・議員力・職員力の結集によって成し遂げられる「まちづくり(共同作業)、住民主体の
まちおこしなどなど、「歴史まちづくり法と今後の地域創生」についてお話しをされました。
  

 続いて、美濃市教育長樋口宜直先生による「美濃市の歴史まちづくりの取り組みと計画」
についてのお話し。

 美濃市まち・ひと・しごと創生総合戦略の概要、美濃市の活性化の4要素(くらしをまもる、しごと
をつくる、ひとをよぶ、ひとをそだてる)。
 そして、「ふるさと美濃」を誇れる人を育てるために、どうすべきかを語られました。


 次は、美濃市教育委員会人づくり文化課の高木宏和課長補佐さんによる「歴史的建造物の
整備と活用」についてのお話し。
 歴史的風致とは何か、そして美濃市の伝統的建造物の修理、非伝統的建造物のの修景のため
の市の補助予算、また歴史的建造物の活用事例などについてお話し頂きました。
 

 そして、講義の最後は JIRIによる「歴史的建造物の修復と耐震対策」についてです。
この分野は小原先生のご専門分野ですが、私は恵那市岩村町の「伝統的な住まいに住み続ける
ために」という手引き書を事例を中心に、自分たちで木造住宅の状態を知ることの重要性を話しま
した。

 歴史的建造物とはどのようなものか? ヘリテージマネジャーについて、平成17年度に美濃市
で開催された「第28回全国町並みゼミ」につて、また伝統構法在来構法の違いは何か、などに
ついて話し、それから美濃市の町並みへGO。


 市内で最初に訪問したのは、生活骨董古黒見堂(こぐろみどう)さん、ご主人の平田さんが
私たちのためにお店を閉めて、もともと金物屋さんであった住宅をどのように利用し、美濃市の
活性化にどのように協力してきたかをお話し下さいました。


 店は喫茶室も完備、店の奥には昔の煙道が「明かり取り」として利用されていました。


 続いて訪問したのは、昔は「松金薬店」であったが、現在はギャラリーとして活用されている西部
晋司さん宅。

 西部さんは美濃市役所でも仕事をされ、ご自宅の薬店であった前部分を利用して町並みに何か
貢献できないかと考え、ギャラリーとして公開されているとのこと。

 余談ですが西部さんは、美濃流しにわかの台本づくり名人であり、今回も一つ披露して下さい
ました。

 最後に訪問させて頂いたのは「鈴木公平邸」。普段はお住まいになっていないが、今日のために
わざわざ管理されている高橋さんご夫妻が家を開放して待って下さっていました。

 このお宅は本陣跡で、造り酒屋を営んでおられた。郡上八幡城主で東京の青山の名の由来と
なった藩主青山氏がご宿泊された部屋も見せて頂きました。


 中庭に行くと、幹直径1m以上の大きなクスノキがありました。枝を広げた樹冠の大きさは、
一般住宅がすっぽり入るほどの大きさ。

 通りからは見ることがない巨大なクスノキに、このお宅の歴史を感じました。


 なんとガラス戸は江戸から明治にかけてのガラスばかり、少しくすんでレトロな柔らかい光を家に
取り込んでくれます。
 そのガラス戸を止める鍵には「玉」という屋号が刻印されている。すごい歴史あるお宅を再実感
したのです。


 伝統的建造物の内部もスゴイですが、柱や梁の歴史もスゴイ、伝統構法の一例でもある
礎石の上に大きな大黒柱がある。 このお宅は今は一般開放されていませんが、このお宅を
まちの活性化に利用できる提案ができないか模索中です。

 
 さて、次回第7回は涌井学長の講義も予定されていされています。ご期待下さい。
 
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。