〜森と木のオープンカレッジ「専門研修」〜
去る11月16日(月)、岐阜県内の教員の研修会(専門研修)が、森と木のオープンカレッジとの連携講座として森林文化アカデミーで開催されました。
幼稚園の先生から高校の先生、そして教育委員会のスタッフまで、一言で「教員」といっても様々です。今回はそんなメンバー23人がアカデミーの森に集まりました。
今回のテーマは「森の命をいだたく」を体験学習的に学ぶこと。午前中は森の体験、午後はその森の仲間の木を使った工作です。こんな楽しい研修会があってよいのでしょうか?いいんです、いいんです。「楽しい」は「学び」にとって欠かせないスパイスなんです。
まずはみんなでたき火を囲んではじまりはじまり。BGMや自然遊びのグッズなども周辺にちりばめてあります。緊張していては「学び」は起きません。まずはそんな緊張をほぐす「雰囲気」をつくることが大切ですよね、せんせい!(これも大切な学びのひとつです)
お次は今回の研修会で学びたいことや、この研修会を進めるにあたって大切にしたいことの共有です。さらにはそれを体験的に感じてもらうためにフラフープをつかったアクティビティ(ヘリウムスティックとも言われるプログラム)を体験してもらいます。
「体験」と「ふりかえり」を繰り返していくことで「学び」が深まります。
ウォーミングアップも終り、皆さんの緊張がほぐれ笑顔が出始めたのでいよいよ森に入ります。「森の神様お邪魔しま〜す」と言ってから森に入ると、イノシシがいつも歩いている「けもの道コース」を歩いて山の中の現場へ。急な斜面をけもののように這いつくばって登り地面が近くなったためか、足元に落ちている様々なものに気づきます。
森の中の小屋に到着するとその周りで「葉っぱを使ったジャンケン」や「肩もみごっこ」、更には「見たものと同じものを森の中から探してくる」プログラムを体験します。
実はこの時に見つけてきてもらったのが、午後の木工で使う「ヒノキ」「ホオノキ」「クリ」の3種の一部でした。それぞれの一部を見つけた場所にいくとそれぞれの木が立っています。それぞれに異なる幹の感触(樹皮)をじっくりと手で感じながら、「命をいただきました。これから仲間の身体の一部を使わせてもらいます。」とご挨拶。そしてゆっくりと山を下ります。
午後は、工房にて来年の干支である「サル」をモチーフにした組木細工を午前中に出会った木を使ってつくります。
使う道具は「電動ノコギリ」。実はこれ、かつては学校といえばどこにでも置かれていて大抵の子どもたちが使った経験がある機械なんですが、今はめっきりとその活躍の場が減ってしまい、殆ど使われていない現状があります。
そんな電動ノコギリをもっとつかってもらいたい!という思いも込めて午後の工作がはじまりました。なんと講師はアカデミーのものづくりの学生さん。実は学生さんにとっても木工指導の「体験学習」の場なのでした。
初めて使う機械にドキドキする先生たち。「互いに」教えあいながら作業をすすめる微笑ましい風景もありました。
時間ギリギリにはなりましたが、みんな完成!
こうして何かに没頭する時間も大切ですね、せんせい。
一日を通してのふりかえりの中で
「自然を多面的に見る、視点を変えてみることのオモシロさを知りました」
「体験的に学ぶということがなんとなく分かりました」
「電動ノコギリ使った授業をしてみようと思います」
「聞かせる、見せる授業が多くなりがちなので“自ら発見する”ことを促す授業をやっていこうと思います」
などのコメントをいただきました。
この体験からの学びが今後どれだけ授業に還元されるのか、まだまだ追跡していきたいところではありますし、それをもとによりよい研修をつくりあげていけたらなぁとも思いつつ、今回の受講生の嬉しそうな顔を見てほっとしたナバでありました。
せんせい、本当におつかれさまでした。
そしてまた楽しい授業を、ステキな空間を創っていってください。
自然体験活動指導者インタープリター養成コース
なんちゃって先生
萩原ナバ裕作