2015年12月5日土曜日

リサイクル材で作る木工小屋

エンジニア科1年生「木造建築概論」実習
   リサイクル材で造る木工小屋

2013年から毎年エンジニア科1年生が少しづつ作っている木工小屋作りが3日から始まりました。

木造建築は
l   どういった特徴を持ち、
l   どういった材料の組み合わせで出来ているか、そして
l   どうメンテされるべきか
を実体験する、「木造建築概論」の実習です。

この実習で使う材料は、新しい材料とリサイクル材を組み合わせていますので、1つ1つの作業に入る前の入念な計画、ディスカッション、そして失敗をグループで繰り返します。
特に、リサイクル材は2種類あり、木造新築物件から出た端材、余り材と推定180年前後の小屋に使われていた材料です。同じリサイクル材でも年代がかなり異なり、これらの活用には、知恵が必要になります。

又、この小屋は、木育プログラムを実践する小屋となります。主に子供達が木と触れ合う空間デザインも同時に考えなければなりません。

2013年は、主に基礎と土台の設置に、躯体。
2014年は、土壁と湿式の屋根と庭設計。
さて、今年の1年生は4つのグループに分かれ、細かい部分の作成に参加します。

    
先ずは、全員で集合写真

作業開始。
打ち合わせから入る班と作業へ突入組に分かれます。


グループ1:大工班

今回の仕事は、窓設置のための窓枠と板間作りです。
先ずは、窓が入る壁のチェック。
窓も何種類かあり、どれに選ぶかの検討です。



そして、枠材の種類とサイズの確認。

グループ2:土壁班

今回の仕事は、腰壁とそのための竹小舞作りです。
これに活用される竹と土は、170年以上も前に建てられた小屋のものです。
先ずは、170年以上も前に使われた土を復活させます。



竹も入念にチェックです。

グループ3:塗装班

今回の仕事は、昨年以来剥げてしまっている部分のメンテと、新しい造作部分の塗装です。
このプロジェクトでは、柿渋を使っています。
知らない人も多いので、先ずはサンプル作りから。


大工班が選んだ窓のメンテに入ります。

そして第一段階、1:10塗りまで完成。

グループ4:土間班

土間班は、土で普通見かけるタイプの土間ではなく、少し瓦でデザインをする方向で、話し合いがまとまりました。


これに活用される瓦は、170年以上も前に建てられた
小屋のものです。 
乾式が主流の現代の瓦とは異なり、湿式用の瓦で
焼かれた時の火力のムラも見うけられ、非常にユニークです。

そこを、学生さんたちは見せる趣向です。




今年の作業の中で、一番想像がしにくく、
施工方法の検討など一番難しい工事となりそうなのが
この土間班みたいですね。
どうやってデザインしながら平らな土間を作るのか!?
知恵を絞っています。




今回は4つのグループで役割が割り振られ、各グループ作業を始めました。が、1時間もしないうちに、他のグループと話し合わないと作業が進まないことに気がつき始めました。
川上から川下へつながる流れとその糊代を、建築の作業を通しても体験する時間になるといいですね。
作業は続きます。





2015年12月4日金曜日

まるでジャングルジム!?演習林で架線技術を学ぶ

エンジニア科2年とクリエーター科林業再生講座の1・2年の合同で、
林業架線の実習を行いました。



架線集材を行うためには、
林業架線作業主任者が必要で、この授業は作業主任者の資格を取得するのに必要な講習です。



張り場所は毎年異なり、今年はモノレール脇の土場に下げ荷集材です。
講師は非常勤講師の江崎先生です。





架線を張り上げるためには段取りが大事です。
まずは、集材機を設置し、





エンドレス索を張り、
(写真は集材機の前でエンドレス索を継いでいます)




搬器を取り付けて主索を張ります。




主索はヒールブロックとサントクバイスでヒールラインを組んで、
上げていきます。






完成です。これは元柱側の写真です。
どの線がどんな役割を果たしているか分かりますか??
まるでジャングルジムです…





先柱です。混乱しそうですね…




今年も1回張り、また撤収してもう1回張り替えました。
繰り返し架線を設置することで練習です。


実際に伐採木の集材も行いました。




ワイヤスプライスも

カゴざし(割り差し)、巻き差し、変形割り差しの3種類を勉強しました。

皆合格するまで練習で、早い人だと20分ほどで一つのスプライスが完了です(半差し含め)。






そしてセミロングスプライスも練習しました。

セミロングスプライスは、線と線をつなぐときに使いますが、
つないだところが太くならないのがメリットです。

今回のエンドレス索もこれでつなぎました。




3週間にわたって架線の研修を行いましたが、
あっという間に研修終了です。


皆、現場で使える技術をたくさん覚えました。
2年生は卒業まであと少し!まだまだ勉強して卒業してくださいね!

2015年12月3日木曜日

古民家リノベーション事業プランニング講座 2015

6月から始まって全5回の古民家リノベーション事業プランニング講座、全国から17名の受講生がアイデア豊かな提案を行い、無事発表会も終わりましたが、早速、次年度の企画を練り始めました。
次年度は、今年とはまた違ったスタイルで検討中です。

今年を簡単に振り返ります。



6月には、一般社団法人ノオト代表の金野幸雄さんのホーム篠山市で、実際に取り組まれている活動や最新のニッポニアホテルの視察です。
一泊二日の濃密な時間を過ごし、帰り際には、竹田の古民家を改修したホテル「EN」も見せていただきました。


篠山の興奮冷めやらぬ翌月には、今年度の舞台となったアカデミーのある美濃市で、具体的な物件を見て、どのような提案ができるかを、グループに分かれてアイデアだしを行いました。
地域おこし協力隊や建築士、ライターの方など、様々な受講生がそれぞれの持ち味を出し、建物や地域の可能性を引き出していきます。


夏休み期間には、それぞれのグループで、地域調査や建物調査を行い、アイデアを具体的な形にしていきます。
自治会長さんにインタビューしたり、観光協会でヒアリングしたり、ひたすら歩き回って地域の宝物を探したり・・・様々なアプローチで具体案にしていきます。


11月の最終回では、地域の方々に、考えてきた計画案をプレゼンします。
今回は、3つのグループから、特徴ある3案を示させていただきました。
夢物語ではなく、収支計画や誰が運営するのか、改修費をどうするかなど、具体的な提案で、質問もたくさん出ました。


講師を務めていただいた金野さんからの熱い激励もあり、市民、行政のみなさんもかかわりながら、具体的に動き出すことを期待します。


発表が終わり、ほっと一息の受講生。

これから、受講生のみなさんが拠点にしている場所を中心に、古民家を活用した取り組みを実践してくれることでしょう。

次年度も企画を検討しています。また、詳細が決まりましたら案内しますのでご期待ください。

森林文化アカデミー 準教授 辻充孝

製材と木材強度の計測を体験しました。

クリエーター科「林業・林産業体験実習」の最終回は、吉野先生による、製材と強度の測定を中心の実習でした。

前回、演習林で伐倒した2本のヒノキが製材所の前に運ばれています。
製材した後に、どの木のどの部分であったかがわかるように、スプレーでマーキングします。




次に重量の計測です。予想をしてから実際に計ります。 1番玉は100キロ以上あり、予想以上に重いことを実感しました。   




合わせて強度の計測を行いました。打撃音計測によるヤング係数を求めます。
製材機まで材を運ぶクレーン操作も学生が行います。



 



製材の指導は、森林研究所の富田先生にお願いしました。

冒頭に、製材に関する2つの視点をご説明いただきました。

一つは、日本の伝統的な小規模経営の製材所で、経験値の集約により高い職人技術が培われ、それによって、いかに丸太を無駄無く使い切るかを追求した製材です。
簡単に真似のできない奥深い職人技術の世界があることを知りました。

二つは、近代的な効率重視、大量生産型の製材工場の製材です。ここでは、職人技に頼らなくても自動的に高速で製材ができるようですが、たくさんの端材が生まれるため、その処理が問題になります。通常はバイオマスエネルギーとして工場内で利用されることが増えています。高額な設備が必要となるため、規模拡大や資金力が求められるのです。

この実習では、いかに無駄なく使い切るかという、伝統的な製材をめざし、職人技を発揮していただきました。

 

製材品の挽きたて寸法を計測します。
強度も計測し、丸太の強度との違いを比較しました。

 
 
 
 
 
製材品は、柱、梁材の構造材と、板類の造作材に分けて天然乾燥させるために桟積みします。
この木材は2年後の自力建設プロジェクト等建築の授業で使われる予定です。




最後に、計測した数値を集計し、山の立木から製材品になると、それ位目減りするのか、逆に必要な木材は、山の木に換算するとどれくらい伐採が必要なのか、そういったボリューム感覚を養えたのではないでしょうか。




 

 
 以上、報告       原島幹典
 

 

 

 

 

 

 

2015年12月2日水曜日

君ならどう登る! 枝打ちの手段!

木登りを極めろ!


 エンジニア科1年生の「森づくり実習」、今日は関市洞戸のヒノキ林で枝打ち実習です。

 現場へ行く前に、JIRIから「関ヶ原町今須ぶり」のかけ方、登り方について説明をしました。
材料や縄のかけ方は地域まちまちですが、今須ではどのように利用しているのかを理解して
もらいました。


  洞戸の現場に到着して、準備体操が終われば、本日の木登り方法を習う。
 原島先生がぶりの復習、ラダーの復習、河野式登降器、そして与作での木登りを説明。

 どの手法もとにかく安全第一、だから安全帯を使うこと。そしてその安全帯の取り扱い方法を
しっかり学びます。

 ここのヒノキは枝打ちが遅れており、枝の基部が少しくぼんでいます。 相当、うまく枝打ちした
つもりでも樹皮が巻き込んで「死節」になってしまう可能性も大きいです。


 河合君は与作での木登りに挑戦。 脚とサドル部分を尺取り虫の要領で上下左右させて、
目的の枝に向かっていきます。

 こちらは両手もはずせて、安心して枝打ちに集中できます。
 

 柴田君は河野式登降器の取り扱い方法、足にはめたチェーン伸縮の操作方法を原島先生
から再指導を受けて、スイスイと登っていきました。


 柴田君も樹上では安心して枝打ちに集中していました。 河野式も操作に慣れれば快適なの
ですが、柴田君のお気に入りは、ぶり縄での木登りでした。


 女性の伊藤さんはぶりを三段つけて地上5mほどにあがって枝打ち作業。

 さすがにこの高さでは安全帯無しでは不安。 安全帯と足の裏に全体重をかけると、安定した
ポジショニングがとれました。
 それど、「きゃーきゃー」言いながら、なんとか枝打ちを完了したのです。
 

 学生達はぶり派が結構多く、みな軽快に樹上に登り、手鋸で枝打ちをこなしたのです。

 なお、今回でエンジニア科1年生の「森づくり実習」は終了です。 保育技術の一部しか経験
していませんが、今後はより一層の実習に励んで、約一年後には将来の職場で恥じぬような
基礎技術を身につけてもらえればと考えています。

 
 最後に、河合くんは自分で打ったヒノキの枝をベッドに、一休み。
 
 ヒノキの香りに包まれて、安らかに眠るかと思うきや、すぐさま飛び起きて、枝打ちを続け
たのです。
 
 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

2015年12月1日火曜日

岐阜の山村文化に学ぶ 第二回(白鳥町石徹白編)実施しました。

オープンカレッジ 岐阜の山村文化に学ぶ 第二回(白鳥町石徹白編)実施しました。

春の春日編に続き、第二回は秋の石徹白編でした。

美濃市にあるアカデミーからバスで2時間弱、目的地に到着しました。
さすがに紅葉も終わりかけでしたが、よく晴れていたので、見晴らしが素晴らしいところでした。

ナビゲーターは、石徹白に移住して、現在建設中の地域運営による水力発電の導入や、地域活性の中心人物として、ご夫妻でご活躍中のHさんをお願いしました。



Hさんの奥様が開かれた石徹白洋品店のギャラリーで、麻布で織られた昔の仕事着について説明をしていただきました。奥様はその無駄のない仕立て方や素材の良さを現代風にデザインして復活させる試みをされています。




洋品店の隣に、建設中の工房です。 染め、織りなどの体験、ワークショップができるそうです。
石徹白に立っていた古民家の古材を再利用しています。建て方にもこだわりがあり、杣大工と呼ばれる伝統工法でくみ上げられています。
柱や梁の材面に手斧やハビロ(金太郎さんが持っている斧)ではつった跡が残っています。


小水力発電施設を見学しました。まずは、オーソドックスな車輪型の水車です。
特産品加工施設の電力をまかなっているそうです。




続いて、農業用水の再利用ということでらせん型の水車発電です。
こちらの電気は、隣接する住宅1棟分の電力をまかなっていました。



最後に、本格的な発電所を見学しました。この発電所の他にもう一つ建設中の水力発電所があり、そちらは石徹白の全戸が参加した組合が出資し、経営するのだそうです。Hさんの見通しによると、今後はその売電によって、地域は長期間安定した収入が得られるだろうとのことです。このところ、山間地域では、過疎高齢化や限界集落、野生動物被害のつらい話しか聞こえなくなっている中で、この試みは、地域の未来を照らすまぶしい光を放っていました。素晴らしいことだと思います。




お昼の食事は、地域の女性方が運営されている「くくり姫カフェ」で、地域素材をふんだんに使って、きれいに盛り付けられたランチをいただきました。
日曜日ということもあって、お客様も多く、たいへんにぎわっていました。

その席で、地域おこし協力隊の女性お二人から、地域での取り組みについて、いろいろなお話を伺うことができました。 



午後は、上在所の石徹白家を訪ねました。
奥様から、今も守り続けている神事について、また、御師を勤めておられたおじいさまの時代に起こった神仏分離令による混乱やご苦労された話を聞くことができました。 このお宅の2階には、立派な神様の間が二つ並んでおり、いわゆる神様とご先祖様を明確にわけてまつっていました。歴史的にも貴重な構造とのことで、市の文化財指定を受けていました。
この方は、石徹白の語り部のお一人としてご活躍中です。


最後に、石徹白地域成立の出発点である、白山中居神社に参詣し、毎月の祭事に参列させていただきました。


拝殿に上がり、神主様による祝詞奏上、玉串奉天、なおらいまで参加させていただきました。
とても貴重な機会をいただき一同感動していました。



以上報告  原島幹典
この講座では、一般参加の方に加え、アカデミーの学生が授業の一環として一緒に活動するスタイルを取っていますので、バスの移動時間中にも、いろいろな会話が交わされていました。
まさに都市山村交流づくしの一日でした。

          以上報告   原島幹典