クリエーター科1年生の『森林調査法』の最終回は、2日間にわたり「樹幹解析」を行いました。
樹幹解析とは、伐倒した樹木から円板(幹を薄く輪切りにしたもの)を採取し、その円板から年輪を読み取り、過去から現在に至る成長過程を再現するものです。 高さ別に何枚もの円板を採取すれば、幹の直径成長だけでなく、樹高成長や材積成長も再現できます。
試料は、演習林にて自分たちで採取する予定だったのですが、あいにくの雪のため、演習林での作業ができませんでした。急遽、隣接する森林研究所から研究で使った円板セットをいただいてきて、それを教材にすることにしました。恵那市で採取した、樹高19.8mのヒノキです。
右の写真が、その円板。全部で10枚あります。この円板を手分けして読みました。
最初に、樹幹解析によって何を知ることができるのかを考えます。その上で、標準的な手法、応用的な手法を解説し、いよいよ読み取りの開始です。
人工林のヒノキなので、芯からしばらくは成長の良い部分で構成されています。そこはスイスイ。ただし、偽年輪(年輪のように見えるが、ぐるりと一周しておらず、どこかで消えてしまう)には気をつけましょう。ヒノキは、これがあるからやっかいです。
周辺部の年輪は、とても密でした。ここは大変。何度も読み直しながら、年輪を拾っていきます。この年輪が形成された時期、過密になってきて直径成長が衰えたことを想像しながら年輪を読めたでしょうか。
全ての年輪を読み終えたところで、集計です。昔ながらの手計算(電卓は使いますよ)で、集計していきます。区分求積法によって、材積も求めました。
樹幹解析図(通称「タケノコ」)、胸高直径・樹高・材積の成長曲線 を描き(これらも手描き)、そこから何が読み取れるのかを考えました。
本当なら、2~3本を解析し比較したかったのですが、それが叶わなかったのは残念です。とはいえ、樹木の幹の中には過去の樹木の成長過程が詰まっていること、それを再現する手法があることは、十分に理解できたと思います。