2011年9月26日月曜日

「粗朶生産研修」が開催されます

森林文化アカデミーはぎふ森林づくりサポートセンターと共催し
里山整備研修「粗朶生産研修」を開催します。


粗朶(そだ)とは里山の雑木林から伐採した細い木の枝を束ねたものです。
「おじいさんは山へしばかりに・・・。」などと昔話で聞かれた方はいらっしゃると思いますが、
そのしばを束ねたものが粗朶です。

これが粗朶です
IMG_5887.JPG

昔の生活では、粗朶などの里山の資源を利用して生活が成り立っていました。
しかし、現代の日本では、日常の生活ではほとんど利用されなくなりました。

こちらは粗朶山の様子
IMG_5899.JPG

一方、粗朶を治山・治水工事などに利用している例があります。
河川などの治水工事の一つ、粗朶沈床工法では、里山の広葉樹(粗朶)のナラ、クリ、カエデ、マンサク、サクラなどが使われます。緩流部の床固め、水制や洗掘部下層の根固めなどに用いられます。この工法は単に河床の洗掘を防止して護岸や堤防などを守るだけでなく、材料のほとんどが自然素材で構成されているため、環境保全に効果があるといえます。粗朶沈床は、魚などさまざまな水中生物が生息できる空間となり、水の中では半永久的な耐久性がある一方、空気中では役目を終え自然に還っていきます。また、粗朶沈床の上部の空間にも、植物が発生し、トンボなどの生物が生息したりと、生物の多様性が期待できます。

こちらは長良川で行われた粗朶沈床工事の様子
IMG_5936.JPG
IMG_5944.JPG

ただし、現状は工事の発注に対応できるだけの十分な粗朶生産者がおらず、生産者も高齢化しているという課題があります。

粗朶山は約10年サイクルで伐採が繰り返され、里山の利用・整備へと繋がり、
粗朶の生産者を増やすことにより、里山の整備を促進することができます。

今回の研修では大垣市上石津町の里山で、現在も粗朶が生産されている現場の視察・実習を通して、
今後の里山利用のあり方を考えます。

日時:11月10日(木)
場所:大垣市上石津町(現地集合・解散)
定員:10名(抽選)
参加費:無料
対象者:里山整備関連のNPO団体・個人等
申込締切:10月27日(木)
問合せ・申込先:ぎふ森林づくりサポートセンター
          TEL:0575-31-2122
          Eメール:info@gifu-mori.org

申込書はこちらhttp://444d9d57b3a9dad.lolipop.jp/download/satoyama.doc