「岐阜県採用教員 特別支援校初任者研修」の一環で体験学習を実施しました。
本年、岐阜県で採用された新任教員のうち、今回は「特別支援校」の初任者を対象に体験学習を実施しました。
今回の参加者は岐阜・西濃・美濃・可茂地区の初任者40名。
講師陣は森林文化アカデミーの山村づくり講座と言いますか、インタープリター研究会のと言いますか、要は体験学習と言えば、ご存じ萩原ナバ裕作先生。そして付け足しに、川尻ジリ秀樹がお手伝い。
研修ではアイスブレイクの後、野外での自然体験を通して、
「知識でなく、感じること(感動する心)」の大切さを再認識して頂くきました。
講義のはじめからウクレレ片手にナバさんが、「ドングリここころ、どんぶりこ・・・」と歌います。参加者もそれに併せて合唱するのですが、今回の先生方は乗りが良い。先週の高等学校新任教員とは格段に違う。
振り付けしても、ためらいなくできる。・・・やるな先生たち、と言いたくなる。
続いて、全員がサークルになって、生まれた月日順に並びます。なんと同じ日付9月11日生まれの先生が二人、と分かった瞬間、合図もないのに全員が拍手、拍手。
今日の先生たちは乗りが良い。確かな手応え~!!
次に、手をつないで「握手の伝達」を実施。隣の女性の手を強く握りすぎて、「ボキボキ」という音が鳴るします。やばいよこれは。力入れ過ぎるんじゃぁないよ!
さて、出発前に、中国とアメリカのことわざから、
「聞いたことは 忘れる
見たことは 覚える
やったことは わかる
みつけたことは できる}
続いて、自然体験活動における「た」から始まる3つの学び・・・何かな?
「た」いけんから 学ぶ
「た」がいに 学ぶ
「た」のしく 学ぶ
さぁ、これから野外で体験学習です。自分で発見してねぇ~。
��つのアクティビティ体験のため野外に出ましょう。
最初は「葉っぱじゃんけん」。
これは野外にある大きい葉、細い葉、長い葉、毛の生えた葉、虫食いの葉などなど、様々な葉を集めて、それでじゃんけんをします。
普段は「葉っぱ」を眺めるなんて、そんな暇もない。でも今日は一生懸命葉を見てみる。するといろいろな不思議なものが見えてくる。
自分が採ってきた「葉」でじゃんけんです。
かけ声は「葉っぱっ、ぱっ、ぱ、角角がたくさんの葉」・・・何のこっちゃ?分からないけど、勝負勝負。自己主張が強ければ勝てちゃうかな?
続いて「色さがし」。 一枚の白いカードに自然界から色を採ってきます。
草や木の葉の緑、果実の赤、花粉の黄色、花弁の青色、岩石の茶色と、それを紙に転写して、色を採集してくるのです。
10色以上採取した人。パチパチ(拍手)。みんなで、自分が採取してきた色を見せ合い、「ところでその色はどこから、どうやって採ってきたの?」と聞く。いろいろ話が弾みます。
最後は「メッセージスティック」。
これは2人一組、バディを組んで会話することなく意思疎通するゲーム。メッセンジャーから手渡されたメッセージ(課題)を見つけるものです。
バディによっては見つるのも合意形成するのも早く、バディによっては非常に慎重でなかなか見つからない。
「何かを食べている最中のいきもの」というメッセージに対して、写真のようなヤマボウシの果実にくらがるアリ(蟻)を持参してきた女性陣。
他には「自分に似ているもの」というメッセージに対して、カマキリを持参して、自分の顔とカマキリの顔が似ているという男性陣。
お互いが思いを一つにして合意形成すること。自然の注意深く見ること。みなその課題を充分クリアしました。
午前はここで終了。
さてさて、待ちに待った昼食の時間です。
午後からは「浜口式 自然観察ビンゴ」を2時間30分実施。
もちろん、ビンゴゲームして遊んでいるわけではありません。
要所要所で自然からのメッセージを自分自身で体感してもらいます。
浜口式自然観察ビンゴは、知識からではない、自然を見る新たな切り口を提示するものです。自然の仕組みの不思議、おもしろさを伝えるものです。
私のグループでは9つの課題の中で、「この松ぼっくりはスラッシュ松のもので、リスやネズミがかじって中の種子を食べると、エビフライのようになります。そこで問題です。さてこの松ぼっくりを形作っている鱗片は何枚あるでしょうか?」
先生方は共同作業で鱗片を剥がし、数えます。写真中央上に先生たちがむしった松ぼっくり、中央下はリスが食べて残ったエビフライ、周辺にはむしった鱗片の一部。
次の課題は「森の中で聞く音の数、音いくつ?」です。腰を下ろして3分間、耳を澄まして森から聞こえる渓流のせせらぎ、野鳥の鳴き声、虫たちの鳴き声などなど、何種類聞こえたかを聞き分けます。
講義室に戻って、最後のおさらい。参加した先生たちの感想です。
自然への気づき、感じることの大切さに気づいてくれたようです。
まとめは、レイチェル カーソン女史の「センス・オヴ・ワンダー」からの言葉。
みなさんご苦労様でした。今日の先生たちは乗りが良かったと、指導教官の「よっさん」とも意見が合いました。
ナバさん毎回、ご苦労様です。
報告 川尻秀樹