先週の生涯学習講座「身近な森の手入れ・入門(スギ・ヒノキ人工林編)」に引き続き、
里山広葉樹林編が開催されました。
まずは、講義。里山広葉樹林を手入れする目的や手法について解説しました。
里山広葉樹林の手入れでは、現状をきちんと認識すること、手入れの目的や
どんな森林にしたいのかといった目標を明確にすること、できることとできないことが
あることを認識して何をすればよいかを考えること、などが大切だということをお話ししました。
実習は、アカデミー演習林で行いました。松枯れ被害でアカマツが枯れ、コナラ
やリョウブ、コシアブラ、ヒサカキなどがやや藪状に生育している広葉樹林が今回の
現場です。
2班に分かれて、担当する区域を決め、それぞれの班で現況の把握、整備の目的・
目標、整備方針などを話し合って決めてもらいます。どんな樹種が生えているのか、
連続講座1回目の「樹木を見分ける」がここで活きます。話し合った結果を班ごとに発表し、
他の人の意見をもらいま、参考にします。
今日の現場は、「森のようちえん」で子供たちが出入りする林に隣接する場所だった
ので、どちらの班も、林内空間を子供たちが利用するための手入れという目的を掲げ、
そのために、不要な木を伐採するという方針をとることにしました。
不要な木にテープで印を付けていきます。
手ノコで、伐った跡です。切り株が危険にならないか、検討しています。
要所要所で、この木は伐ったほうがいいのか/伐る必要がないのか/伐らないほうが
いいのかなどを話し合いながら作業を進めます。講師からは、「いっぺんに伐ってしまわず、
順々に、伐った後の状態を確認しながら作業をすすめましょう」とか、「大きめの木は、誰かに
離れたところに立ってもらい、その木を揺らしてみて、それがなくなったときの姿をイメージして
もらい、伐るかどうかをきめるとよい」などの助言が入ります。
一通り作業が終わったところで、それぞれの班の作業現場で、ふり返りを行いました。
目的が達成できるような手入れができたか、どんな点に苦心したか、どんな工夫をしたのか
など、それぞれの班の結果を見ながら意見交換をしました。
受講者には、体だけでなく、頭にも少し汗をかいた一日だったと思います。開催側としては、
今日の学習がどこかで役に立ってもらえたらと願うばかりです。