2011年12月5日月曜日

玉木 一郎(教員紹介)

玉木 一郎 助教

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��教育や研究についての思い、メッセージ。)

 クリエータ科・エンジニア科の両方の学生を対象に生物・生態学の基礎や樹木の生理,樹木同定等の講義・実習を行っています。授業では折に触れて生物の面白さを紹介することで,森林に生育する他種多様な生物を身近に感じることができるように工夫をしています。本学で学んだ学生の多くは,卒業後,森林の管理や森林から生産される木材を扱う仕事など,何らかの形で森林に関係した職業に就いたり,自然に関する地域活動に参加したりしていきます。その際に,森林を単に木材生産の場としてとらえるのではなく,多くの生物が生育する環境としてもとらえることができるような幅広い視野をもった人材を育成していきたいと思っています。
 私の専門は樹木の遺伝学・生態学です。森林を構成する長命な樹木がどのように成長し世代を重ねているのかということに興味を持っています。特に遺伝子を次世代に伝達する方法や戦略に興味を持っており,現在は種間交雑や遺伝的多様性に関する研究を行っています。


��経歴、受賞歴等)
1982年,岐阜県出身。2009年名古屋大学大学院,生命農学研究科,博士課程後期課程を修了し,博士論文「Conservation genetic studies of Magnolia stellata: Effects of population size and population isolation on the persistence of populations」で博士(農学)を取得。日本学術振興会特別研究員を経て,同年10月より現職に至る。

��研究、論文、著書、作品など)

種間交雑に関する研究。アカガシとツクバネガシ,タムシバとシデコブシの自然種間交雑の実態を形態データと遺伝データの双方から調べています。

  • 村西周平・玉木一郎・鈴木節子・戸丸信弘 (2011) シデコブシとタムシバの自然種間交雑個体の同定. 中部森林研究 59: 39-42.



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シデコブシに関する研究。同地域の希少種であるシデコブシに関する集団遺伝学的な研究や萌芽更新に関する研究を行っています。

  • Tamaki I, Ishida K, Setsuko S and Tomaru N (2009) Inter-population variation in mating system and late-stage inbreeding depression in Magnolia stellata. Molecular Ecology 18: 2365-2374.

  • 玉木一郎 (2009) シデコブシ(Magnolia stellata)の保全遺伝学的研究 ~集団のサイズと孤立が集団の存続に及ぼす影響~ 林木の育種 232: 27-33.



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