横井 秀一 教授
��教育や研究についての思い、メッセージ。)
クリエーター科の林業再生講座とエンジニア科で、主に森づくり(森林施業における造林・育林分野)に関する科目を担当しています。
今、日本の林業は大きく変わろうとしています。というか、変わらなければ林業に明日はないと言われています。こうした中、林業を担う人々には、これまで以上に高い技量が求められるようになってきました。森づくりに関しては、異なる状況の現場現場で、それぞれの実情に対応した森林の取り扱い方を提案できる総合力が必要です。この総合力を身につけるには、現場の森林の状態を正しく読み取る力、この先の変化を予測する力、より良い施業法を合理的に導き出す力などを養わなければなりません。その基礎となるのが、科学的な視点で森を見て考える力です。
学生には、これらの力を身につけられることを目標に教育したいと思います。また、そこで必要となる具体的な技術を自身の研究で追求していきたいと思っています。
��経歴、受賞歴等)
1960年、愛知県出身。1986年に千葉大学大学院園芸学研究科(環境緑地学専攻)を修了後、岐阜県に入庁。寒冷地林業試験場~森林研究所にて24年間、造林分野の研究に従事。この間、広葉樹天然林施業、広葉樹人工林施業、多雪地のスギ人工林施業、針葉樹人工林長伐期施業などの研究に取り組む。2010年から森林文化アカデミーに勤務。
第45回日本林業技術賞(1999年)、第14回全国林業試験研究機関協議会研究功績賞(2002年)を受賞。岐阜大学博士(農学)。所属学会は、日本森林学会、日本生態学会、森林立地学会、森林計画学会、日本緑化工学会、植生学会。
��研究、論文、著書、作品など)
■針葉樹人工林の管理技術
現在、最も力を注いでいるテーマ。高齢化する針葉樹人工林を適正に管理するための技術を検討している。現在は、間伐による樹冠制御技術を中心に研究を進めているが、この先は、森林の更新技術を含めた育林技術体系の再構築を見据えた研究を行っていきたいと考えている。
■広葉樹林施業
既存の広葉樹二次林の資源的価値を高めるための育林技術や、広葉樹林をつくるための造林技術の研究。これまでに、枝下高を指標とした間伐技術、間伐と後生枝の発生・発達の関係、広葉樹造林における初期保育技術などを検討してきた。ものづくり講座が主体となって進めている「ものづくりのための森づくり」において、これまでの研究成果を活用した施業を実践している。
■多雪地の人工林施業
岐阜県北部の飛騨地方は多雪地帯であるため、そこでの林業は特有の問題を抱えている。中でも、雪害を受けて造林木が育たなかった造林地の問題は深刻である。こうした造林地の問題に対処するための研究を進めてきた。
��主に担当する科目)
クリエーター科 「造林の基礎」、「多様な森林施業」、「森林施業演習」、「森林経営計画実習」、「林業の再生」。
エンジニア科 「森づくりの基礎」