2012年9月28日金曜日


 続・古城山プロジェクト


山村づくり講座2年のYです。
アカデミーでの学びを活かして、山県市教育委員会さんで進めている古城山プロジェクト。

麓の登山口に設置する説明看板が出来上がってきました。


こちらは樹木名プレート。
植生調査の結果をもとに、アカマツ・コナラ林の里山に代表的な樹木をピックアップ。
白ペンキ仕上げですが、地元美山の職人さんに依頼して、山県市特産のスギ板を使用しています。

城跡の遺構の立札を背負って、いざ古城山へ出陣!
地元小学校の校長先生も、協力してくださいました。

校長先生のヘルメット、よく見てください。
いまでは希少種になってしまった里山里地の植物・キキョウのマークが入っています。
そう、キキョウは古城山の大桑城に居城した土岐氏の紋。
ヘルメットにキキョウの兜印…校長先生、土岐の殿様の生り代わりにござりますな?

校長先生、地元の子どもたちにふるさとの里山の自然や文化のすばらしさを伝えようと、日頃から整備のために頻繁に古城山に登っておられます。
先日もYが登山道で倒木処理をしていたら、熊鈴を鳴らしながら歩いてきたのは校長先生でした。

まさに、古城山の主。地域の文化遺産はこうした地域の方々の手で守り伝えられているのですね。


遺構立札20カ所、樹木名プレート40枚、丸一日がかりで設置完了。
小さなプロジェクトですが、この山を訪れる人が里山の自然や歴史に思いを馳せるきっかけに、少しはなったかな?


看板やプレートや立札だけでは、少し物足りないですね。
ほんとは、地域の方やお年寄りと一緒に山に登って、リアリティのある語りに耳を傾けるのが一番良いのですが、毎日一日中登山口に張り付いてもらう訳にもいきません。
そこで、登山口に備え付けて、登山者が読みながら案内するセルフガイドを作成することになりました。

こんな古城山の植生モデル図とか…


山県地域の自然環境を背景にしたかつての産物や交通・交流について紹介しながら、人の営みと里山の歴史性や地域の文化について語る、ちょっとマニアックなガイドになる予定です。

麓の遺跡の発掘調査からわかってきた成果も、日本の森林と日本人の暮らしの移り変わりに当てはめて盛り込んでいきます。


 

もちろん、子ども向けのガイドも作成予定。

どこにでもあるようなありふれた里山ですが、古城山や麓で営まれてきた人の暮らしと自然の関わり、その移り変わりから、地域や日本の未来像が描けるような…そんな場所になるように、古城山プロジェクト進行中です。

山村づくり講座2年 ヤマダ