2013年2月5日火曜日

「生産の管理」と「効率的な組織運営」を学ぶ 第15回施業プランナー育成研修&第6回施業プランナー技術維持研修

「生産の管理」と「効率的な組織運営」を学ぶ
  第15回 施業プランナー育成研修
             & 第6回 施業プランナー技術維持研修

 今回は岐阜県森林組合連合会顧問の圓谷公康先生、㈱豊田自動織機AL事業部の成瀬力造先
生をお迎えして、「生産の管理」と「効率的な組織運営」について、ご教示頂きました。



 最初に、圓谷さんから、KDDからの脱却について
     つまり今までの生産現場では、
       感(Kan)と
       経験(Keiken)と
       度胸(Dokyo)と いう職人の世界  → → ◎管理の世界へ(データに基づく管理)
                                    昔の野球監督なら川上監督、野村監督
                                          
 管理とは、ある規定や基準から外れないように制御するとともに、数字で表せるもの。



 PDCA(管理のサイクル:Plan Do Check Action )は、
             仕事ばかりでなく、家庭にも、自分の人生にも、回し続けることが大切。

 林業でも重要なQCDS
        (Quality=品質、 Cost=コスト、 Delivery=納期、 Safety=安全 or Service=サービス

    品質は生産販売する者が判断するのではなく、お客さんが判断する。
                                  お客さんの満足度が重要。



    生産管理の両輪は (1)安全  (2)品質
       林業におけるS(安全)   「安全は何事にも優先する」泉林業 泉忠義 社長

       現実の林業は死亡事故も多い。毎年40~50人の方が伐倒作業などで亡くなっている

       「安全は作業の入り口であるとともに、ゴールでもある




       業務遂行の3要素は マネジメント(管理面)と人(人的面)と設備(物的面)
         (1)人・者・作業をしっかりみる
         (2)安全に作業ができる人の育成
         (3)安全に作業ができる設備の提供と設備の維持管理

    リスクアセスメント危険予知(KY)活動の違い  
      ナイフで削る → 危険のランク分け、重みづけ → 対策案 → 危険ランクを下げる

                                      → 危険を想定 → 危険に至らないための対策を考える





  指導の仕方
   戦争に反対であった山本五十六の考え方(真珠湾攻撃の裏側の考え方)
     やってみせて(良い見本)  言って聞かせ(理解させる)  させてみて(技能化させる)
         ほめてやらねば(態度育成)    人は動じ(育成の法則)

  すでにご存じのことでしょうが、「ハインリッヒの法則
   1つの重大事故の後ろには29の休業災害・不休災害があり、
      その後ろには300の軽微な災害や処置、ヒヤリハットがある。

         ◎安全衛生に対する取り組みは、マネジメントそのものである。

       ケガが発生している職場は    →     決してトレードオフ
       生産性も品質も良くない職場          の関係ではない

   職場は4S(整理、整頓、清浄、清潔」を基本にした異常のわかる職場づくりが重要。


 不況下ではCS(Customers Satisfactions:顧客満足度指向となり、
    多種多様なモノが氾濫し
    モノは高品質低コスト短納期安全当たり前になってきている。
    

 木材の生産工程は狭義のサプライチェンでつながっている。つまり、次の工程はお客様に
あたり、品質はその工程で造り込む。

 林業ではあまり行われていない生産管理」、これは生産的諸資源(人、モノ、設備、時間、情報)
を有効に活用し需要に適した良質(Q)な製品ないし財を、安価(C)に、しかも適時(D)に、
安全(S)に生産するための努力
   これは、必要なモノを、必要なだけ、必要なときに(Just in Time)





 林業の作業工程見る。たとえば踏査、林分調査、チェンソー造材、タワーヤーダ、プロセッサ、
グラップルなどの工程を細かくデータ取り、観察、分析して、ネック工程を探す。
 もっと言えば、1人工の追求が必要。1日8時間仕事をしてもらうにはどうしたら良いのか?


 最後に、「変わる(変化に対応しよう)」
  It's not the strongest of the species that survives,not the most intelligent,but the noe most
responsive to change.  ダーウィンの進化論より

 つまり、日常においても
  必死 →「真剣だと知恵がでる 中途半端だと愚痴がでる いい加減だと言い訳ばかり




次には成瀬先生による講義。「誰のための・・・改善・改革なのか・・・考えてみよう・・・」

  最初の問いかけは、「貴方はだれのために働いているのですか?」・・・会社のためですか?
      そうではありません、家族や自分たちの生活目標を達成させるためでしょう。





 ここで、「Who Moved ny Cheese ?」を事例に、
    
    私たちは何をすべきか。 どう考えて行動すべきか。を考えさせて下さいました。      

 私たちの人生は巨大迷路であり、それをこの物語にたとえて話をされました。
物語の主人公は二匹のネズミと二人の小びと、そして大量のチーズです。



 ○ネズミは単純な思考、嗅覚中心であるが故に、現地・現物・現認で感性に頼って生活。
 ○小びとは人間同様の思考回路であるが、過去の経験や知識、釈迦荷の固定概念や既得権な
  どのどに振り回され、あれやこれやと余計なことを考えます。

 東京方面では財政破綻した数々の大企業が、国の予算(税金)を投入して立ち直っているが、
多くの会社企業が、変わりたくても変われない。変わりたくない。




 この物語では
    われわれにとってチーズは将来の行動の「あるべき姿」、すなわち目標とかビジョンである
   と捉えると、小びとの一人であるヘムの狼狽ぶりも理解できる。

 


    人を行動へと駆り立てるには、変化を受け入れ共感させることです。それが理解できれば
   また共感できれば、勇気を奮って新たな道を探しに踏み出せるはずです。




    信念と情熱があれば、道は開ける。思っていたような道ではないかもしれないが、
   やがて、「良かった」と思える道が、・・・・

    この寓話のまとめは
     (1)変化は起きる
      (2)変化を予測せよ
     (3)変化に素早く適応せよ
     (4)変わろう
     (5)変化を楽しもう

 人生になれてしまって、ついつい我々が忘れてしまっている簡単で、あたりまえな教訓なのです。

 現状に満足していない自分には気づくのに、変わろう、変えようとしない自分にはきづかない。





 人は、行動した後悔よりも 行動しなかった後悔の方が大きく残る

 まずは、自分自身が確かな目標をもつことから始めなければ、あなたの人生は変わりません。

 他人が変わらないと嘆くより、自ら代わり行動せよ、周囲もそれに反応する。

 誰のたっめの改革・改善なのか・・・・
 ポジティブな考え方や行動力は企業運営のみならず、地域社会や家庭社会にもつうづるものである。

      だれのための人生でもなく、自分自身のための人生なのだから


   最後に、小びとヘムの一言
     「俺は改善が嫌いだ。・・・・変えたくない。
        でも、改善は必要だと感じた。
           俺は改善を知らない。
             だから知りたくなった。・・・・学んでみた。
      そして俺は知った。
         何も知らなかったことを知った。
           そして改善を信じてみようと。ついていこうと。そしてやってみようと。


    職場での無駄を参加者で書き出すワークショップも実施。「無駄」はいりいろあるが、
それが本当に他人に由来するものなのか、自分にも問題があるのではないか?
 深く考えさせられる結果となりました。





 成瀬さんのお話も、毎回ながら意味深いお話しでした。
今回の、圓谷さんも成瀬さんも、林業tが本筋ではないにもかかわらず、私ども施業プランナー
にわかりやすくお話しして下さり、誠に有り難う御座いました。

 私たちが施業プランナーとして生まれ変わるには、こうした根本的な変革がなければ意味がないと感じたのです。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。