2月12日と13日に続けて詳細調査です。今回は、いつもと違って解体作業まで行います。
まずは初日。
いつものように、建物を詳細に見て回り、表面からわかる範囲で、シミやへこみ、腐れなどの異常個所がないか念入りに調査します。小屋裏ももちろん侵入して、探針調査を行います。学生の山崎君も頑張っています。
そして二日目。
ここからが、いつもの詳細調査と違います。調査した建物は解体が決まっているため、初日に異常が見つかった箇所が具体的にどんな様子なのかを解体して確認できました。
また表面異常が見つからなかった箇所でも不具合があるかも確認します。
朝から、外壁や床をはがして、構造を見れるようにしたうえで建物全体を調査します。
前日に軋みがあった箇所をはがしてみると、
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ありました
蟻道です。
何ごともなかった場所にもいくつか出てきます。
中には、くっきりとトンネル状の蟻道も確認できました。
シロアリは乾燥に弱いので、風があたると死んでしまいます。そのため、エサ(おいしい木材)に近づくまでトンネルをつくって接近します。それが蟻道です。
床下の地面から、おいしいフローリングまで続いています。シロアリはグルメなので、まずそうな外材には見向きもしません。
また、外壁をはがしてみると、例にもれず玄関横の柱の足元が完全にやられていました。
シロアリは礼儀正しいので、だいたいは玄関から入ってくることが多いです。
拡大してみると
・・・
まだ、なんか活動しています。
あれっ、シロアリでなくて小さな黒蟻です。
グルメなシロアリが食べきったところに巣をつくっているようです。
表面から調査した後で、解体して実際どうだったか見れる機会はなかなかないので貴重な体験でした。
山崎君も、今回初めて見るものが多かったのではないかと思います。
腐朽菌やシロアリの生態がわかってくると、新築、改修問わず、どこに気を付けていけばいいのか考えられるようになります。