関市洞戸の篤林家さんより、20年生前後のヒノキ人工林をお借りしました。
寒いと体が硬くなり、動きも悪くなるので、まずは、ストレッチ体操で体を動かします。
毎回体操のリーダーを交代でやっているので、初めて当たった学生でも、要領がよくなりました。
初めに教員から伐木の手順と使用する機器の説明、さらに作業上の安全注意を受けた後、
4グループに分かれ、さっそく作業開始です。
まずは、それぞれ指定された範囲内に移動し、成長の悪い木や曲がったり傷ついたりしている木を4~5本選びます。 通常の木材生産林業では、劣勢木とか形質不良木と呼び、大概は最初の間伐で切り捨てられます。(昔はこういう木を担ぎ出して周りの土木用材や、小屋の補修用材、最後は燃料用に使っていました。)
最初に切る木を決めたら、かかり木になるような伐倒方向を決めます。これがいつもとは逆の指示なので、思わず笑いが起こります。
しかし、いざかかり木にしようと思うと、案外難しいものです。
ともかく、ラダー(ハシゴ)で高い位置にもやい結びでロープをかけます。これが後で大活躍します。
伐倒の手順はいつもと同じです。安全確認の後、受け口伐り、追い口と切りすすみ、ロープとクサビ、フェリングレバー等を使って倒してゆきます。
見事狙い通り、かかり木になりました。
ここからが今日の目的、かかり木の安全な処理法を体験的に学んでゆきます。
使用したのは、麻縄ロープと木回し(フェリングレバー)、ターニングロープ、楔、ラダー(ハシゴ)です。
小径木ということで、チルホールはあえて使用せず、身軽な装備でトライしました。
枝のかかり具合をよく観察して、伐倒前に幹にかけたロープを幹とは直角方向に引いたり戻したりして、かかっている枝が外れないか試してみます。
それで外れないようなら、木回しを使います。 今回は、フェリングレバーとターニングロープを使いました。
この際、あらかじめ、木の回転方向を決め、切り口に残した弦に両端から切りこみを入れ、回転しやすくする準備が必要です。
準備ができたら、回転させてみます。キリキリ音を立てて木が少しづつ回ってゆきます。結構な力作業となります。
これで無事に外れる木もありましたが、外れない場合はロープを、回転と合わせて、幹の直角方向に引くのも有効な方法です。
それでも倒れない場合は、弦を慎重に切り離し、木をドスンと地面に落とします。
伐倒木の梢や、現地に生えている堅い広葉樹の幹等を3M位の長さに切り、てこの応用で、おとした木の根元下に深く突っ込み、枝が外れるまで根本方向にずらしてゆきます。
このような手順で、手ごわいかかり木も、無事に伐り倒すことができました。
いったんかかり木をつくると、その後処理はとても手のかかる作業になってしまうので、初めの伐倒で適切な判断と正確安全な技術が大切であることを、みな再認識できたのではないでしょうか。
以上、原島が報告しました。