2013年7月20日土曜日

ニホンジカとどうつきあうか? 岐阜県森林研究所発表会に参加

ニホンジカ(鹿)と、どうつきあうか? 森林研究所の発表会から


 この写真のフェンス左にはシカがいませんが、右側にはシカが生息しています。

 岐阜県森林研究所の研究発表会にエンジニア科2年生20人とクリエーター科林業再生講座の
学生が参加しました。
 
 会場の中濃総合庁舎は超満員、そこに森林文化アカデミーの学生と教員、約30人が参加。
エンジニア科は課題研究ゼミ1の一環で、午前中に横井先生から研究発表などについて授業
を受けて、午後から実際の研究発表を聞きながら学びました。


 学生も学校では学べないことを学ぶと同時に、発表の仕方を学んで、自分たちの課題研究発表
の参考とします。



 森林研究所の発表の前に、岐阜大学応用生物科学部の安藤先生の記念講演。
「ニホンジカとどうかかわるか」です。

 

 現在全国で様々な野生動物と人間社会との軋轢が問題となっています。 特にニホンジカは
1990年代頃から生息数の増加や生息地域の拡大が顕著であり、天然林・人工林を問わず大きな
問題を引き起こしています。
 これらの被害の現状や、今後この軋轢を解消していくための方法・枠組み等についてお話しされ
ました。


 野生鳥獣を管理する場合は、三本柱(被害管理、個体管理、生息地管理)を考える必要がある。


 個体群管理の事例として、北海道でのエゾシカの事例があります。
もともとはエゾシカを狩猟で駆除しようと考えた最初のうちは、生息頭数予測が12万頭であった
ため、生息頭数が減少しなかった。そこで再度、生息頭数を推測しなおして20万頭とし、捕獲頭数
を増加させた結果、減少し始めて現在の数量に落ち着いた。




 そもそも、日本の野生鳥獣は昔は少なく、現在が異常繁殖なのか?

 いえいえ、対馬などは江戸時代に、イノシシとツシマジカの被害に苦しみ、戦ってきた経緯があ
る。


 野生鳥獣が少なかった時代は、わずかな期間であったことに気づくこと。

  今では狩猟免許取得者こそが絶滅危惧であること・・・・・・


 
今、一番問題のが、
        「自然に対する働きかけの縮小による危機

          つまり、人の手が加わらなくなったことによる生物多様性の危機
               





◾岐阜県で発生しているニホンジカの造林木への剥皮について(岡本さん)
 岐阜県内で発生しているニホンジカによる造林木の剥皮被害。実際の剥皮発生状況を把握した
結果、造林木の谷側で剥皮が発生する割合が高い傾向にあることがわかった。

 下の写真は、枝打ちや間伐した枝葉を、幹に取り付けると剥皮被害が発生しないという事例で
す。


◾カツラ人工林の成長(大洞さん)
 針葉樹人工林のデータは多いが、広葉樹人工林造成の事例や情報は多くない。そのため、
広葉樹人工林の施業方法を確立することを目的に、荘川町で1985年に植栽されたカツラ人工林
の成林状況や成長過程について報告されました。


◾低密度状態で生育したスギ大径材の樹体内強度特性分布(土肥さん)
 皆伐後の再造林の低コスト化の一つに「低密度植栽」があります。しかし、低密度で生育する
木材の強度等などは不明な点が多い。そこで飛騨地方の県有林(久々野町有道)のスギ大径材
のヤング係数や曲げ強度などを調べた内容を発表されました。

 下の写真は、年輪幅と曲げ強度、ヤング係数は相関関係が無いことを示しています。

 
 さて、学生にとっては発表の内容も、発表手法も大変勉強になりました。研究所のみなさん
有り難う御座いました。
 
 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。