2013年8月2日金曜日

川下が望む木材を知り、林業経営経営を考える。  第7回 施業プランナー育成研修

製材工場が望む原木を知った上で林業経営を考える。
                                     第7回 施業プランナー育成研修


 施業プランナー研修担当のJIRIです。

 今回は①目標林型と森林施業、②生産性の把握とコスト、③製材工場が求める原木規格 と題
して、森林文化アカデミーの横井先生、杉本先生、県産材流通課の中通技術主査による講義を
お願いしました。

 この3つの問題、意見すると全く異質に感じるかもしれませんが、林業経営を考えれば全てが
つながります。

   お客様が望む原木を目標林型に定め、それを生産するためのコスト管理をする。



 最初に、「目標林型と森林施業」

 森林経営・森林施業における4つの基本原則
   ①合自然性の原則、②保続性の原則、③経済性の原則、④生物多様性の原則 の確認。

 目標林型は  ■ 林分レベル : 林分の目標林型
           ■ 地域レベル・施業団地レベル : 配置の目標林型

 
配置の目標林型は「提案型集約化施業テキスト」にも開設されています。
最初は公有林など大面積な部分で考えると良い。こうした考えはフォレスターとともに考える森林
管理の姿なのでしょうが、民有林も将来的にはこうした配置も考えられるようになると理想的。



 目的機能と目標林型を充分考える必要がある。

 さて、私たちが目指す「木材生産林の目標林型」は
   ■ 「生産目標」と一緒に考える
   ■ 生産目標を達成するときの姿が最終目標林型
   ■ 目標に至る途中の姿が、途中段階の目標林型
      □ 最終目標が異なれば、途中の目標林型も異なる。

 簡単なのは、先進の施業事例に学ぶこと

  しかし、真似するために学ぶのではない。なぜなら、所有規模や地位、地利によって違うから

 考え方とセットで学ぶことに意義がある。 山づくりに込められた意志を知ることが大切。
さらに、自分なりに評価することに意義がある。



 林業技術者(プランナーと現場技術者)の力量が重要。

 目標林型が異なれば、プランナーが実施すべきことも異なる。


午後からは、「生産システムのコスト管理」について、


 コスト = 単価 × 量 × 質

 コストの把握は「損益分岐」を知ることから始まる。

     固定費(一般管理費、減価償却費、月給、定期点検代など)
     変動費(燃料代、資材代、市場手数料、日給、トラック運賃など)

   変動費型経営では  損益分岐点に早く達する。外注タイプ
   固定費型経営では  売り上げが少ないと赤字増、自社生産タイプ



 現場作業員に現状を伝えるには「進捗の見える化」が重要。 Do Check

 5Bを考える。
  ①Bottle Neck(ボトルネック)
  ②Balance(バランス)
  ③Buffers(バッファー)
  ④Break Downs(故障による中断)
  ⑤Blunders(熟練)            これを元に現場作業を話し合うことも重要。 


 日報管理は常識だが、分析していない場合が多い。

 しっかりした日報記録があれば、それをもとに正確なデータ管理ができ、お客様に正確な見積も
りが提案できるようになる。



 最後は、「製材工場が求める原木規格」です。
山で作業する人や施業プランナーは、原木を出荷するところでおしまいではない。

 よりよい山林経営につながるためには、少しでも多くの収入を上げることと、木材が利用される
ことを考える必要がある。

 その意味で、この講義は「川下から提案する山づくり」につながる重要な内容です。
 
 

  岐阜県内で流通する丸太はどのような規格なのか?
利用径級や長さ、用途ついて細かく学びました。


 製材工場がドラムバーカーで樹皮を剥いていれば、そのドラムバーカーの容量で購入原木の
直径に制限がかかる。・・・・太すぎ材は不要。

 ツインバンドソーで製材している場合も、上記と同じような制限がかかり、・・・太すぎる材は不要。

 製材工場では、
   アテ材はいらない。 凍裂材・モメ材、伐採時の割れ、アカネトラカミキリ被害材も不要。

 意外なのは、岐阜県産材住宅を調べると、6m材よりも5m材の方が多く使われている現実。
 


 設計士は木材の強度を要求する。
 これからの木材は乾燥と性能表示が常識化・・・・しかし、太い原木が堅いとは言えない。

  太い原木がヤング係数が低い傾向がある。太くてヤング係数が高い原木が欲しい。


 太い丸太からの住宅用構造材が望まれるが、芯去り材は製材直後から「反る」宿命がある。


川下側からすれば、
 1.ヤング係数の高い大径木生産で高付加価値化
 2.原木の品質・性能から将来の価値を考えて山づくり
 3.森林情報を管理して、特注材にも対応できる木材の安定供給体制をつくる  ことが重要。

こうした考えがなければ、今後は生き残れないと感じます。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。







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