2013年9月25日水曜日

環境負荷を考慮できなきゃ施業プランナーはつとまらん!

山づくりは山を治めること。何のために作業路をつくるのか?



 木材を搬出する作業路は何のためにつくるのか? それを考えられるようになれば、環境負荷を
考慮でき、作業路から発生する濁水を管理することにつながる。

 そうした視点から、施業プランナー技術維持研修の第四回目
   『路網整備における環境負荷 ~ 濁水の流出を防ぐために ~ 』と題して、岐阜県森林研究
所専門研究員の臼田寿生さんです。

 まずは、室内で  ・ 主な環境負荷の内容
              ・ 環境影響調査の方法
              ・ 環境負荷低減対策
              ・ 濁水の流出による影響
              ・ 濁水調査の方法、濁水流出の実態、濁水被害防止対策 などです。


 生態系への配慮では、「特定外来生物」・・・例えば、オオキンケイギクやオオハンゴンソウなどの
取り扱いについてなどです。

 岐阜県には「公共事業における生物多様性配慮ガイドライン」がある。作業道はこの対象事業
ではないが、こうしたことにまで配慮していれば、森林所有者や委託者からの信用は、それなり
の効果があるはず。
  いやいや、自分たちの仕事に誇りと自信が持てるはず。・・・そう思いませんか? 


 環境への影響緩和(ミティゲーション)の順位は
   ①回避、  ②最小化、  ③修正、  ④低減、  ⑤代償  となります。


 環境負荷低減対策の事例
  ○ 適切な路線剪定 : 希少生物生息の回避、地形改変・土工量の少ないルート選定
  
  ○ 適切な施工  : 頑丈な路体構築、必要最小限の伐開・土砂掘削、適地への残土処理、
               毎度種子や在来植生の活用など



   事例として、表土ブロック積み工法、多機能フィルターの利用、枝条による路面浸食防止、

   河川との関係も魚類や飲料水など様々な点で、林業と関係する。



   そうした問題を考えながら簡単に導く『森林作業道開設の手引き ~土砂を流出させない道
   づくり』についても紹介。



 午後からは、屋外で実践実習です。
最初に土粒子について、河川などの水を濁らす浮遊物質、この「懸濁物質」は水に溶けない2mm
未満の固体粒子。この2mm未満の土粒子が問題の一つ。



 濁水を調査するには、濃度、濁度、透視度の3つがあり、今回は濁度計による測定と透視度の
実習です。

 簡易水道の取水口によっては、濁度20で取水停止するところが多い。では、実際に濁度20はど
れほどかを実体験しなければ、また、透視度自体も自分たちで経験しなければ話もできない。


 予想以上に薄く感じる濁りでも、透視度は小さいことに、研修受講者はビックリ!



 次ぎに向かったのは、四万十式作業路の開設林地です。個人所有者の方の山に田辺由喜男
さんが開設指導された現場で、表土ブロック積み工法の違いを何例も観察しました。

 田辺さんが表土ブロック積みした法面は、施工後すぐに草本だけでなく、チャノキなどの木本も
繁茂し、3年立った現場はまったく自然そのもの。
 これに対し、従来の土羽打ちしただけの法面は、草本しかないばかりか、被度も小さい。
この被度は重要なポイントであり、被度が60%を越えると土壌浸食量が大幅に減少します



 
 また、伐開幅も狭いため、作業路上空の樹冠空間にも大きなギャップができません



 次の現場は多機能フィルターの施工地です。施工後4年経っていますがフィルター繊維が切り土り法面に張り付いて、法面土砂の剥離も発生していません。また小さな植生も根付いていました。


 長い盛り土法面に設置した多機能フィルターでは、法面土砂剥離が見られず、植生遷移も順調
に進んでいます。

 



 次に、「洗い越し」設置箇所です。 現場の小渓流は普段は水のないカラ谷です。作業路開設
当時は「多くの渓流は洗い越し」というような風潮がありましたが、現時点で見るとそれが有効か
どうかを研修生とともに考えました。

 地形の改変や下流域への影響、野生生物への影響を考えると大径のヒューム管やコルゲート管
の方が良かったかもしれません。そうしたことを、実際の現場の反省から常に考えるのも施業プラ
ンナー役割ではないでしょうか?



 最後に、現場で臼田さんがパソコンを開いて、「作業路開設要注意斜面図」を確認しながら現場
説明です。
 写真のピンクで網掛けした場所が渓流から100m以内になる作業路開設要注意部分ですと説明
され、必要に応じて森林研究所に相談すれば対応して下さることも紹介してもらいました。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
   

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