これまで調査研究した途中経過を発表
今日はエンジニア科、クリエーター科とも、2年生は全員が日頃の課題研究の途中経過を発表
する日でした。
エンジニア科は午前中に講義室Bで、クリエーター科は午後からテクニカルセンター多目的室で
各々発表しました。
エンジニア科は冨田、服部、星谷の3名が発表。
冨田さんの内容は、「里山における粗朶生産に関する研究」です。
自然に優しく、粗朶沈床工などとして有効な素材なのに、生産者側には(1)高齢化、(2)担い
手不足、(3)単価安、の問題点が見えてきており、こうした問題に対処すべく里山ボランティアに
粗朶づくりをしてもらうための、情報提供をすることを目指しています。
粗朶を取り扱っている業者さんへの聞き取りでは、「少量でも欲しい」という声があるものの、
実際には年々取引量が減少している。
1haの山から役3000束の粗朶(大きさは長さ2700cm、直径20cm)が生産できるが、これを
どのように里山ボランティアが生産するかが問題。
二番手の服部さんはの内容は、「アカデミー内のシロアリ調査と被害対策」です。
森林文化アカデミーの校舎に巣喰うヤマトシロアリを調査し、その生態を勉強する中で、どの
ように駆除するのが適当かを探っています。
校舎の食害部分によっては、ヤマトシロアリを補食するオオハリアリがヤマトシロアリの巣を乗っ
取って、更に木材を食い荒らしている現場も発見。
三番手の星谷さんは「星谷林業の木材価格UP戦略」について発表しました。
星谷さんの実家の所有森林は約100haあり、約40年生~300年生までのスギ、ヒノキ林がある
ため、この森林資源をどのように収入に結びつけるかを検討しています。
地元下呂市の木材市場に約26m3の丸太原木、加茂郡東白川村の木材市場に20m3の丸太原木
を同時出荷し、価格比較や買い手の好みなどを分析していました。
さて、午後からはクリエーター科の課題研究中間発表です。
聴衆は全生徒と教員、もちろん桂川副学長も最前列で熱心に聞き入っています。
クリエーター科は社会人経験者や大学卒業生だけあって、年齢層も大きな幅があり。その内容
も一段とグレードアップしています。
内容は 天池さんは「里山自然資源を活用したエコミュージアムに関する研究」
小池さんは「障がい者とともにつくる木のおもちゃ」
齋藤さんは「気軽にはじめられる! 空き家活用型おうちプレーパークの実践」
田中さんは「広葉樹二次林の利用」
堤さんは 「地域によるこどものための環境づくり」
徳永さんは「特殊なねじれを考慮した木造建築の構造設計の提案」
中嶋さんは「森林組合における日報を活用した情報の見える化」
長谷川さんは「木育講座サポートスタッフの役割」
花井さんは「ヒノキを用いた椅子」
平木さんは「感性を育む木製遊具の研究」
諸橋さんは「郡上踊り下駄プロジェクト」
山崎さんは「地域性を活かした建築の設計手法に関する研究」
吉川さんは「都会のものづくりスペース」
渡邉さんは「フクシマの林業従事者の労働安全衛生について」
それぞれ、進捗状況には差がありますが、クライアントを想定したそれなりの研究内容が
発表されたのです。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。