2013年12月6日金曜日

「やれる事だけやるのではなく、やるべき事への挑戦」  真剣だと知恵が出る 中途半端だとぐちが出る いいかげんだと言いわけばかり

施業プランナー上級研修 第四回 『生産の管理』

 『進捗管理』を題材に取り組んできた岐阜県施業プランナー上級第四回、今回は圓谷公康先生
に、林業を見据えた生産管理について講義をお願いしました。

 最初に、前回訪問させて頂いた㈱豊田自動織機視察の振り返り
   (1)視察で感じたこと、(2)取り入れられると感じたこと、(3)自分たちの問題点と解決策、
 について、研修生各自が発表していきます。


 視察で感じたことについて、
多くの人が、  現場の意見を吸い上げる体制、道場などでの意識改革の取り組み、
          行灯による管理、Just in Timeの実行、大人だからこそできないことがある
          職人の多能工化、仕事の見える化

 取り入れられると感じたこと 
          5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の実践
          リードタイムの短縮、コスト意識、ものづくりは人づくりの考え(人材育成)
                   


 飛騨高山森林組合の平戸さんは、自分の抱える現場の問題点と解決策について以下のような
検討をしました。
 自分の受け持つ作業班2つを、生産性向上を目的に比較しました。
一つの班は新人達による新規班で生産性は4m3/人日、もう一班は熟練者班で8m3/人日、と
大幅な差があった。


 そこで生産性向上に向けて、班編制を工夫し、熟練者が新人を育てる。また一人の熟練者だけ
から学ぶのではなく、3人の熟練者の基で一定期間ずつ、3回学ぶ班編制を考案しました。


 大原林産の小森さんは、進捗管理のソフトを導入したり、そのソフトを仕事の請負先への
提出書類入力することで、自社の管理台帳となるような改良まで実施。




 また、大原林産では、大型機械のGPSデータ、稼働率データの解析を「見える化」する事で、現場
技術者と共に、ムダをなくすための努力をしていました。


 各自の発表の後、圓谷先生からも研修者にエールを送るコメントを頂きました。また、大原林産
のようなソフトが導入できなくても、改善は簡単な日報づけから始まることを強調されました。
 JIRIからは進捗管理や日報は、人のためにやるのではなく、自分の仕事内容に気づくため、いわ
ば自分のために実施することをお話ししました。


 圓谷先生からは、
  タクト・タイム(takt timeとは、製造における生産工程の均等なタイミングを図る ための工程作業時間のこと)。 リード・タイム(lead timeは、生産・流通・開発などの現場で、工程に着手してから全ての 工程が完成するまでの所要期間)。 TPS(Toyota Production System)は実践が伴ってのみ
生きてくる訓練(教育)が必要。 「動き」と「働き」の違い。

 7つのムダ(造り過ぎ、手持ち、動作、在庫、運搬、加工、不良手直し)
 「仕事のムダをなくす8つのキーワード」について解説。



 改善の進め方では「表準」、おもてひょうじゅん、とは?

目標値」を設定することの重要性について、最初にあるべき姿=目標値を決める。

 「できない」理由を並べない。・・代替案の無い反対意見は賛成と同じ。

      こんな職場ありませんか? 私の職場も「目標値」がない、代替案も無い。

  1.ムダの徹底排除
  2.理想の徹底的追求(やれる事だけやるのではなく、やるべき事への挑戦)
  3.現地現物主義、現場第一主義
    三現主義=「現場」「現物」「現実」 「現場」に足を運び、場を確認する「現物」を手に取り、
    物を確認する「現実」をこの目で見て、事実を知る.
  4.『5回のなぜ』による真因追求
  5.改善はスピードが大事
  6.設備改善より、まず作業改善を

 
 最後に、最近お亡くなりになられた川上哲治さんのお言葉、
  『真剣だと知恵が出る 中途半端だとぐちが出る いいかげんだと言いわけばかり』
    こんな職場、ありませんか?
 
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。