2013年12月4日水曜日

GISは現実世界の問題を解く問題解決ツール

岐阜県森林研究所で学ぶ最新の森林GIS
 

 クリエーター科林業再生講座1年生の「森林情報」、今回は岐阜県森林研究所の古川部長さんから研究されている森林GISについて、講義と演習をして頂きました。

 古川部長さんは、「現場の技術者がGIS操作ができれば仕事がし易くなる」と語り始め、従来の
紙地図方式ではある程度の人なら簡単に理解できるが、GISは操作できる限られた人しか情報
処理できないこと。ただし、GISでは何度でも作り替えが簡単にできることなどを説明して下さい
ました。


 GIS処理した主題図を作成して、それを座談会で討議すると、話が進みやすい。また、現場管理
をする上でも、GISを駆使することが有効。
 上の写真の左側は集水面積毎渓流の色分け、右側は林班の入った計画図。



 GISの主題を標高や森林分布で分けるとどのようになるのか?
GISは現実世界の問題を解く問題解決ツールであることを学びました。
 

 ところでGISで用いるGPSには3種あります。
  (1)単独測位
  (2)DGPS・・・①後処理DGPS
           ②リアルタイムDGPS
  (3)干渉測位

 しかしGISでは緯度経度ではないので、日本中を19の平面直角座標系に分けられ、岐阜県は
第7系に分類。


 森林GISではベクトルデータによる樹種や林種分類、ラスタデータによる傾斜分布など様々に
利用されます。

 森林調査する上で、最も欲しいのは「森林の蓄積量の把握」です。

 そこでGIS操作で蓄積量が推測できないか試みられていました。

 岐阜県ではレーザーによる航測(レーザープロファイリング)したデータがありますが、それとは別
にレーザープロファイリングしたデータで地表面を図化すると下の写真の用になります。

 これで地表面(規定面)がわかりました。DTM(Digital Terrain Model)
 


 次ぎに、岐阜県では県下を5ヵ所に分けて、毎年一ヵ所ずつ航空写真を撮影するため、5年に一
回、写真を撮影することになります。

 そこでその航空写真から樹冠の高さを推測することができないか?
樹冠表面を画像処理したのが下の写真です。 DSM(Digital Surface Model)


 下の図のように、地面の測定DTM(Digital Terrain Model)に対して、樹冠表面の測定
DSM(Digital Surface Model) して、それを差し引きすると、樹高が算出できる。
  DSM-DTM=DCHM (Digital Canopy Height Model)  これに面積を乗じて蓄積を求めます。


 そうして表したのが下の写真、DCHM (Digital Canopy Height Model) の色が白いほど樹高が
高く、黒いほど低い。道路敷きは黒い。

 
 DCHMを樹種別に、広葉樹は黄色、ヒノキは青色、スギは赤色で表示し、10m間隔でha当たりの
材積を表示したのが下の写真です。


 さて、今回のような研究は、来週、大垣市のソフトピアジャパンで開催される森林GISフォーラム
で報告されるそうです。

 今回は古川部長さん、有り難う御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。