(担当教員 原島)
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12月20日の「野生動物管理概論」1限目は、岐阜県職員のKさんによる講義「狩猟について」でした。4億円をこえる鳥獣による被害の実態を聞きました。市街地へも出没、公園の樹木の葉を食害したり交通事故を引き起こすなど農林業や生態系への被害だけではなく、日常生活への障害が増大、個体数も増加している様子を写真と統計資料で説明を受けました。容易ならざる事態と感じました。放置すれば個体数が倍々ゲームで増加し、ただでさえ高齢化と過疎化で悩む農山村地域が鳥獣害という新たな生活問題に直面している事態を知りました。また、捕獲等で銃器免許を保有する人の高齢化による急激な減少が避けられないため、若者による資格取得、技術継承の必要性を切実に訴えておられました。
2時限目は、Sさんによる講義「平成の集落再生-里普請」でした。鳥獣害から田畑や生活を守るための防護柵の研究開発、その普及に関わる長年の労苦をお聞きしました。毎年、現地講演や座談会、柵の設置指導など50回を越える活躍をされており、流ちょうな語り口にひきこまれました。防護柵の命名も凝っていて、猪鹿柵→猪鹿鳥柵→猪鹿鳥無猿柵と防護レベルが高くなっていく縁(よすが)が見えてきます。鳥獣害を許さないという絆を地域でつくる「絆ベスト」は、誤射事故防止や高齢者の見守り効果まで思いを込めて開発されており、Sさんの「山村地域を何とかしたい」という強い思いを感じました。
午後は防護対策の先進地である、郡上市和良地域の見学です。
(ここからの報告 林業再生講座 1年 竹川 )
郡上市から国道256号線を進み和良地域にやってきました。
まず最初に視界に入ったのは水田の放棄地。
雑草がきれいに刈り取られているので、ちゃんと管理されている!と思いきや・・
じつはシカの食害だそうです。あまりに綺麗になくなっていたのが「ここまで食うか!」と驚きでした。
黒いポロポロのアレだけを残し、足跡は山奥へと続いているようで不気味でした。
Sさんの実家付近の水田後を見ました。
尾根には緑色のシートが張られていて、除草と尾根の崩落防止に役立っているそうです。
よく崩れるのでは?と批判があるようですが、とても崩れるようには思えません。
乗ってみてわかったのですが、めっちゃ硬い!
景観を壊さない色だし、草刈も必要ないし・・素晴らしい発明です。
Sさんが開発された猪鹿鳥無猿柵を見ました。
ポイントは入口の上だそうです。
柵によるイノシシとシカの防除、そして獣返し、計算された位置に張られた電線がサルを撃退。
さらに人間用出入り口の頭上にも鳥の撃退用に電線が張ってありました。
乾電池で十分だそうで、手軽さに驚きです。
この電線のおかげでまったく鳥害被害もなくなった!とSさんが話してくれました。
大人のおもちゃ。花火銃の実演です。
一発目、不発弾。みんなの目の前(砲身の中)で暴発。
気を取り直しての二発目、飛んだ!勢いよく田んぼの中へ!結果は不発。
三発目、成功。勢いよく30 mを飛んで空中で爆音!歓声があがりました。
今回は強風のため30 mしか飛びませんでしたが。本当は70 m以上は裕に飛ぶそうです。
これで狙われたらシカもたまらないですね!
いろいろ驚きの多い一日でしたが無事終了。
Sさん、寒い中でしたが、貴重なお話を本当にありがとうございました。
おわり